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【完結】忌み子だった侯爵家の『捨てら令嬢』は謎スキル『もふり』で獣に『攫わ令嬢』に  作者: 安ころもっち
vs 邪神編

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ご覧いただきありがとうございます。本日一回目。

最後に評価など頂けれは嬉しいです。


私は邪神と戦う四人に意識を深く集中する。


フェイントを織り交ぜ少しだけ後ろに引くとモモさんに伝達した私の合図で邪神の足元から茨が爆ぜる。それを合図に残されたみんなの攻撃が邪神の頭上や足元から叩きつけられる。

そしてまたジロたちは邪神へと飛び掛かる。相当イラついているであろう表情の邪神……でも嫌がらせじゃないんだよ。これはみんなで必死で考えた私たちの作戦。逆に言うとその前の段階で倒せなかった場合の苦肉の策……


これで駄目なら……何度目であろう。これで駄目なら、今度こそ、最後の手段で……一応色々と準備はしてきたのだ。だがどれもここで終わってほしいと願いながら実行してゆくしかないのだ。何が有効かわからないから……


できれな最後の手段は使いたくないから……


そこは深く考えない。今この時にやれるだけやろう。


少し沈み込みそうだった意識を再度上げていく。ごめんねみんな、私のネガティブな意識は伝わっちゃうよね?周りのチラチラこちらを心配そうに見る視線が申し訳ない。

私は気合を入れるべく四人が一旦引いた際に繰り出す攻撃に加わり雷撃を落とす。ちょっとすっきりした。もちろん私の攻撃なんかじゃ効かないだろうけど、みんなの力が合わさって邪神をさらに苦悶の表情にすることに成功した。


たまにクロが見るからに粘着性のありそうな糸を吹きかけていた。それは邪魔ですらないようだがちょっとだけ煩わしい嫌がらせのようなもので、大げさに両手を振り回し払っている邪神はかなりイラついているようだ。


でもそれらも長くは続かなかった……


まず最初にエンが邪神に足を払われ体勢を崩される。そこから乱れた連携となり一旦ジロたちにバックステップで間をあけてもらう。が、それが悪かったのか四人まとめて黒い雷のようなものが降り注いだ。

痛みに呻く四人は幸いすぐに私のオーラで傷は回復するのだが、体力まではすぐには回復しないようで四人とも肩を上下に揺らしていた。


私は慌ててジロたち四人以外に攻撃のイメージを伝達する。すぐに攻撃が始まるがその攻撃を光の盾を構え弾き飛ばしながら、ジロの腹部に蹴りを放つ邪神。


「ジロ!」

私は蹴り飛ばされ森の木に激突するジロに走り寄りたい気持ちを抑えながら、そのジロへの追撃を防ぐべくその間をみんなの攻撃が盾になるよう魔法を生成してもらう。でもそれは全くの無意味であった。

邪神はジロの方には追撃に行かずギンとエンを手に持った刀で切り裂いてゆく。その斬撃を魔力のこもった両手で受けながらも吹き飛んでいく二人。そしてクロに体重を乗せたであろう回し蹴りが叩き込まれていた。


私はもうどうしたら良いのかわからず混乱してしまう。

そもそもこんな乱戦になってしまえばもう私の戦闘経験なんて役に立つわけもなく、ただただみんなが動きを見守ることしかできなかった。


そんな私を後ろ抱きにしたモモさんが「大丈夫じゃ!なんとかするからの!」という声がかけられる。両隣にはダイとユズも私を支えるようにくっついてきた。ユキは私の前に仁王立ちしている。私よりも小さな体で……なんとも頼もしい姿だ。


「そ、そうだね!あとはみんなに任せる!私はとにかく回復に専念するね!」

少しだけ落ち着いた心で私はみんなの回復を強く願った。


そのおかげかジロは早々に戦線復帰を果たし、それにクロとギン、エンも後に続いた。再度の四方からの肉弾戦を繰り返す。また少しずつ邪神にもダメージを与えているようにも思える。邪神だって体力を消耗するよね?

間を開けるとまた傷を回復されてしまうので途切れさせるわけにはいかない。


邪神が苛立ちながらも両手の刀で斬撃を横なぎにするがそれはあまり脅威にならない。どうやら強力な斬撃が出せるのは少しの溜めが必要なようだ。ちょっとだけ頭が冷静になってきた。きっと頭上に感じるモモさんのモモの効果だろう。

そんなことを考えれるほどに余裕は出ているのだが、実際このままで良いのか分からない。一応予備の策としてコガネさんとレオ、アッシュールさんたちの計五人でしばし肉弾戦というのも考えているが……


コガネさんたち五人で邪神を押さえつけている間に、ジロたち四人の体力を完全回復させることはできるだろうか?


そうこう考えている間に邪神の蹴りがジロに当たってしまう。そんな少しの隙を見逃さない邪神は軽くジロを蹴り飛ばすとそこで溜めを作り……横なぎの強い攻撃をギンとエンに繰り出した。

またもクロは避けたのだが、次の瞬間には邪神が両手で振るった刀の一撃で吹き飛ばされてしまう。

吹き飛ばされるその様を見ながら「なるほどそのぐらいの溜めが必要なのか」と考えていた。如何にも玄人っぽいよね?だけど残念ながらそれを活かせるほどの戦闘経験は私にはない。


それでも吹き飛ばされた四人の代わりに五人に飛び込んでもらう。邪神の背後からはアッシュールさんたち三人で息の合った連携を叩きつける。振り向く邪神にはコガネさんとレオの氷と岩の拳が叩きつけられる。こっちも中々うまくいきそうだ。


そう思ったのはフラグだったのかすぐにその攻撃をかいくぐって頭上から広範囲の雷撃が降り注ぐ。堪らず引く五人に円を描くような横なぎにより吹き飛ばされる。


お読みいただきありがとうございます。次は17時更新となります。

期待してる! もっと読みたい! 読んでやってもいいよ!

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