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ご覧いただきありがとうございます。今日から『vs 邪神編』が始まります。
最後に評価など頂けれは嬉しいです。
夢を見ていた。
何となく夢だと分かった。
私は寝ていたのだから。ユズとモモさんに挟まれ足元にはユキが居る。そんな夜を過ごしていたはずだから……
『はーい!アトちゃんです!』
「ひっ!」
『何よ失礼ね!』
「あっいや、突然くるから……」
突然あの女神アト……ちゃんに声を掛けられ狼狽える私。見渡せばそこはいつかきた白い空間だった。
『女神アトロポス……覚えた?ア・ト・ロ・ポ・ス!なんで神の子なくせに覚えてないのか理解に苦しむわね!』
「ごめんねアトちゃん」
私は苦笑いしつつ頭に伸ばした手は、女神は叩き落とされた。ちょっと痛い。
『とりあえず、色々言いたいことはあるけど順調に修行は進んでいるようで嬉しいわ』
「はい!順調です!もう何時でも邪神来いって感じです!」
『気合十分ね、良かったわ。その邪神だけどお望み通り明日来るわ!』
「へ?」
なん、だと?
『へ?じゃないわよ。いつでも来いって感じなんでしょ?多分大丈夫な気がするから頑張って!なんとかギリギリいけそうな予感だけはするわ!』
「待ってください!そんないきなり困ります!不安です!困ってます!ギリギリいけそうな予感だけってなんですか?不安しかないです!なんとか引き延ばせませんか?あと10年ぐらい!」
アトちゃんは縋り付く私の頭をペシリと叩く。かなり痛い。この女神、防御無効スキルを持ちか!
『もう!だから今日こうやって時間を作ったじゃない!本来なら教会とかに行って数時間祈らないと神託なんてしないのよ?』
「そ、それは相手邪神ですし……アトちゃんだって倒さなきゃ困るはずだし……」
『ぐっ……痛いところついてくるわね。まあいいわ、そう言う事だから頑張って。明日の昼ぐらいには飛んでくるっぽいから……負けちゃだめよ、お願いします』
「はい頑張ってみます一応」
またもアトちゃんにペコリと頭を下げお願いされた私は、渋々ながらその現実を受け入れた。私のその自信なさげなことばにアトちゃんはため息をついていた。
『じゃあそういうことで』
「は、はい」
私はそんな沈んだ気持ちのままどこかへ沈んでいった。そして目を開ける。
「おはようモモさん」
「うぬ。少し神々しい力を感じたでな……」
私はどうやら正座で座るモモさんの腕の中にいるようだ。お腹はスリスリとさすられている。それはそれで気持ちがいい。
左隣りにはユズが、足元の方には丸まったユキがいる。まだ寝ているようだ。
「アトちゃんがね、明日邪神がくるって。お昼ごろ」
「そう、なのじゃな。では今日はゆっくり休まねばな……」
そして私はベットに降ろされ布団をかけられる。お腹はポンポンと心地よく叩かれて……
「いや、待って?他のみんなにも伝えなきゃだよ?そんな、困る……」
私はお腹に感じる心地良い振動と耳元で「大丈夫じゃ。みなにはワラワが伝えるからの」といった優しいささやき、そしてモモさんから香る甘い香りに包まれ……再び意識を手放すことになった。
次に私が目を覚ました時、もうすでに情報は伝わっていたようで各自リラックスタイムを過ごしているようだった。ジロとエンは私のすぐ横に待機してこちらを見つめている。リラックスできるらしい。
ユキは私の腕にしがみついている。モモさんに私への過度な接近を禁じられているという。まあいつもがっちりホールドで捕まって休憩することも多いからね。腕にしがみつくぐらいなら負担も少ないしまあ良いかな?
他のみんなは軽く体を動かしているようなので私も準備体操程度で体を動かし、その後は私の小屋で白いオーラと魔力を全身に巡らせるいつもの瞑想を行った。何気にこれが一番リラックスできる私。
いや本当の一番はモフモフタイムだけど。そこは自重。
そしてお気づきだろうか?
今いるのは『私の小屋』である!
あの2週間前の幸せな時を過ごした誕生日、その次の朝には新たな小屋が立てられていた。モモさんが中心となって建てられたアッシュールさんの小屋よりは少し小さめの小屋。
当然今朝起きたのもその部屋のベットである。主に私とモモさん、ユズとユキで寝泊まりしている。夢のマイホームである。
そんな贅沢な私の夢をかなえたこの小屋で、修行がはかどらないわけがない!私は幸せな気分を脳内にあふれさせる勢いで精神を集中して瞑想を続けた。
脳内にはジロやモモさん達と繰り広げられる幸せな毎日、特にマイホームゲットの後からは本当に気兼ねなく寛げる空間でのハッピータイム!苦しい修行もこの小屋さえあれば私は超幸せ!
……だめだ。集中できない。明日には邪神くるってよ。なんだよそれ!早いんじゃボケ!うおー!絶対にぶっコロしてやるぅー!
私の乱れた心を反映するようにあたり一面に白いオーラが溢れ出る。それに妖精ちゃんたちが素早く反応したが多分明日の朝には帰ってくるだろう。だからきっと大丈夫。黒いオーラが出なかったのだ。問題はないはずだ。
だがしかし今日は集中できないという事実は変わらない。だからこれ以上は止めておこうと強く思った私は、小屋を飛び出しクロと軽めのバトルを繰り広げられているジロを発見した。
そしてジロが軽い運動でじんわりと汗をかいているにも関わらず、少し遠慮しがちに抱きしめて心の平穏を貪ろうと思ったのだ。
もちろんそれはジロから香る汗の香りとさわやかな笑顔に負け、ドキドキと掻き乱されるだけに終わってしまう。少しだけモフれたはずなのに落ち着かない私のダメな心に歯噛みし、地面に何度か八つ当たりをしてしまう。
結局、私はいつものようにモモさんとユズ、ユキと一緒にベットでくつろぎの時間を過ごすこととなった。近年まれにみる堕落した一日ではあった。ベットでモモさんに世話されながら食べる食事は殊の外おいしかった。
おかげでその夜には日ごろの疲れなどは一切感じない状態になっていた。元から疲労などなかったのだから当然なのだが『ソレはソレ』なのだ!
そして翌日、準備万端待ち構えたみんなの元に、予定通りの『アイツ』が現れた。
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