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【完結】忌み子だった侯爵家の『捨てら令嬢』は謎スキル『もふり』で獣に『攫わ令嬢』に  作者: 安ころもっち
神の子の力編

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ご覧いただきありがとうございます。

最後に評価など頂けれは嬉しいです。


「じゃあ誕生会をはじめよー!せーの」

ジロの合図でみんなが『ハッピーバースデー』と歌い出す。ちょっとやばいんですけど……きっとみんなで練習したのかな?感動しちゃうよね。私は歌うみんなを眺め幸せをかみしめた。


クロも真面目にうたってるし……顔真っ赤だよ?

ユキなんかめっちゃうまくない?さすが神獣だね。

あれ?ちょっとまって?ニャルスが居るんですけど?いつの間に……よく見たらエルフの里のハルちゃんもいた。一生懸命歌ってる。可愛い。


皆が歌い終え、満足そうな顔で拍手をしてくれる。私はニャルスとハルちゃんの居るところへ走り出す。二人も走ってきたのでそのまま抱き合った。ちょっとハルちゃんのあたりが強い。さすがエルフ!


「ハルちゃん!ニャルスも来てくれたんだね!」

「ギンに乗ってきたにゃ!」

「ハルもギンさんに乗って飛んできちゃいました!」

私は二人を撫でまわしその体を堪能した。誕生日最高!私は二人を自分のテーブルに座らせる。これで丁度5つの席が埋まった。気になってたんだよね。ユズとユキが座って二つ空いていたから。

てっきりモモさんとジロあたりが座ると思ってた。こういったサプライズは嬉しい。


席に座るとジロが収納から大きなケーキを取り出しテーブルに置く。どおりで私のテーブルのところに何もなかったわけだ。高度な嫌がらせじゃなくて安心した。

そこにジロが器用に小さな炎で火を灯す。13個の小さな炎がケーキの上に浮かんでいる。ローソクなんてなくても魔法があればこんなことができるんだね。気づけば少し日も落ちてきた中、その炎はとても幻想的に見えた。


「ありがとう、みんな」

私は目の前の炎に軽く息を吹きかけた。多分強めにやったら私でもケーキをぐしゃりとできる自信があるからね。


そしてふわりと消える13の炎。

それに合わせるように、またもみんなからの拍手を貰う。お姫様になったみたいだ。私は幸せをかみしめる。

クロが手早く風の刃でケーキを切り分けると、小皿にドンドン乗せてはみんなで胃袋に流し込んでゆく。あれ?先に食事では?そう思ったが嬉しそうに食べているみんなに文句を言うほど私はKYではない。


たとえ我先にと手を出してバクバクと食べているアッシュールさんを見たとしても……ユズとか押しのけてるのはどうかと思うよ?と思ってたらモモさんにポイっとされてしまうアッシュールさん。

投げ捨てられたアッシュールさんはプンプンと怒った表情を作ってはいるが、本当に楽しんでそうだから良いのだろう。


そんな光景を見ている間に、目の前のケーキは全て消えていた。そしてジロが収納から取り出した各種料理、フルーツだったりスープだったりと並べられていくが、ひときわ目を引くのは分厚く切られたステーキであった。


「ね、ねえジロ。もうこれ食べてもいいかな?いいよね?」

はしたなくも私のお腹は自己主張を始めたのだ。あれは絶対ヤバイやつだと……


「もちろん!」

「じゃあみんなも一緒に食べよう!いっただっきまーす!」

私はみんなの返事も待たずにそれに齧り付く。噛んだ瞬間に分厚い肉から汁が口の中に飛び込んでくる。濃厚なうまみ!甘さの中にピリッとした辛さのタレと絡み合うのだが、一番に感じるのは肉本来のうまみ!私は夢中で口を動かした。

噛めば噛むほどうまい!溢れ出すうま味に溺れながら、気づけばその皿に乗っていた大きな肉は消失してしまった。


私は、はっと自我を取り戻し、ジロに確認する。


「ジロ。この肉なに?」

「これ、西の山奥にいるマウントドラゴンのお肉だよ!あまり個体が居ないからそんなに多く狩ると絶滅しちゃうから月に1体2体なら大丈夫ってシンさんに教えてももらったんだ。満足してくれた?」

ワイバーンよりも上の竜……それを聞いて私は珍しくジロに不満をぶちまけた。


「満足?あの量で?」

分厚く切った山の竜肉だったが私の胃袋を満足させるまでには至らなかった。その不満をジロにぶつけてしまう。もっと食わせろと……


「はい!あと5皿ぐらいはマリ姉の分を確保してあるよ」

「ありがとうジロ大好き!」

私はジロの方を見ずにその取り出されたお肉にかぶりついた。この幸せがあと5回も……今日は胃袋の限界にチャレンジする、いわば修行だ!そうか今日は昼間ちょっとお休みしてこの修行をする日だったのだ!

油断していた!今度は油断しない!全力で……勝負だ!


数時間後、私はパンパンに膨れたお腹をさすりながらあのユズの開発した超美味なジュースをちびちびと飲んでいた。これは引き分け、ということにしておこう。もう食べられない。

いやお肉は全部食べたのだが他のが入らない。

動けなくなった私の横にはユズとユキがくっついている。後ろにはモモさんがいて、そのモモが頭の上に心地よい圧を生み出している。幸せです。いやユキ?お腹は圧迫したら駄目だよ?何かが生まれちゃうからね?

ハルちゃんもツンツンは止めて?破裂しちゃうかもしれないから。パーンって。


私はすっかり暗くなった空を見ながらこの幸せをかみしめた。


死にかけてから早1年。こんなに幸せでいいのかな?いやいいんだよね。この幸せを壊さないためにも明日からまた頑張ろう!強くなってあの邪神を今度こそ倒す!


この幸せを守るため。

私はまた強くなるための理由をまた再確認するのだった。

お読みいただきありがとうございます。明日も17時更新となります。

本日で『神の子の力編』は終了です。明日からいよいよ『vs 邪神編』がスタートします。

期待してる! もっと読みたい! 読んでやってもいいよ!

そんな方は下の☆☆☆☆☆を押してい頂けると嬉しいです!

もちろんブクマやコメント、レビューなどもいただけると飛び上がって喜びます。

読者様のお力が必要なんです!


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