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ご覧いただきありがとうございます。本日二回目。
最後に評価など頂けれは嬉しいです。
ニャルスとの再開を喜ぶ私。
そのニャルスの手を握りながらお持ち帰り、ではなく向かうは王宮だからお持ち帰られ?という感じでしばらくぶりの王宮の中の部屋に案内された。すでに見知った警備の獣人さんたちは私たちを優しく迎え入れてくれた。
私の手にすりすりと頬ずりしているニャルスもいるからね。
道すがら拝まれていたのは多分レオに向けてであろう。私も崇められ幾万のモフモフを献上され身を委ねたい。
部屋のベットにニャルスと座る。ニャルスは私の膝に埋まっているのでそのニャルスの頭をなでながら、思い出したようにニャルスを鑑定眼で見てみる。まあ当然のようにニャルスにも眷属の称号がついていた。
それからニャイダさんが訪ねてきたがやはり同様に眷属になっている。
それから雑談をしながら鑑定眼の光に驚くニャルスや、さりげなくに挨拶に来たダルニャさんや何故か獣王レレオさんや王妃ニャナンさんにまで眷属になっていることも分かった。謎……
ニャナンさんには抱きしめられたことはあるから何とか理解はできる。ちょっと毛並みに埋もれた時に顔から魔力が流れた気もしないでもないし……
でもレレオさんって握手ぐらいしかしてないような……まあその時かな?それ以外は接触がないから。恐る恐る周りを見渡すが、幸いその他の人で眷属になっていたのはピョンロンさんだけだった。
結局その日は王宮のあの部屋に泊まることになり、私はニャルスとユズに挟まれ眠ることになった。上にはユキが当然のように乗っかっている。重い……
スープの方は夜にジロがまたあのお店から追加を取りに行っていたようだ。明日は戻る前にもう一度寄るという。多分徹夜で作り続けるのかもしれない。
想像するとちょっとかわいそうかな?と思うが、大量に購入するといつもすごく喜んでくれるようだからまあ良いのだろう。
その夜もニャルスとの話は尽きることもなく、中々寝ることができなかった。
そしてまた朝がやってくる。
ユズはいなくなっていてそこには涎を垂らしたユキが私にくっついて寝息をたてている。ニャルスも私にくっついて眠っているようだ。すでに布団はどこかへ行ってしまったが、それでも熱い。これはユキを起こすべきか。
そう思いながら目線だけを動かし周りを確認すると、すぐ横で覗きこむモモさんの顔が見えた。
「おはようモモさん」
「うむ。おはよう。もう起きるのじゃな?」
「そうだね。起きようとは思っているけど……」
その言葉を合図にユキがモモさんに持ち上げられ、隣のベットへ放り投げられる。小さく「きゃうん」と声を上げたように思えたが、そのまま寝ているようだったから心配はいらないだろう。
そしてモモさんに抱きかかえられるようにベットからはがされると、そのタイミングでニャルスも起きてきたようだ。
私は「おはようニャルス」と声をかけながら、そのままモモさんに衝立の中まで拉致されていく。あとはもう勝手に着替えが終わるという親切設計。
「あっちょっとまって?いや、くすぐったふはぁーん……」
モモさんの私を触る手つきがどことなくやらしく感じるのはきっと気のせいだ。気のせいだよね?……もしかしたらモモさんは私の反応を楽しんでいるのかもしれない……私で遊ぶのはやめてほしい。
着替えた私は朝食をジロから受け取った。
なんと新作だと言うスープに、ワクワクと心躍らせ受け取った。一口飲んでその違いが分かる。魚介だ!海のうまみが口いっぱいに広がる美味しさ!なんでも夜中にギンがクロと一緒に海まで飛んで、魚を大量に捕獲してきたという。
それを差し入れてあのおじさんが寝ずに大量に作り出したのがこのスープ。近くでギンが腰に手をあてて今か今かと何かを待っている顔をしているのはそれが理由か……
「ありがとうギン。とっても美味しい」
「そうであろう!我にかかれば海などひとっ飛びであるからな!」
ふんぞり返って高笑いするギン。
「クロも。ありがとね」
「あ、ああ」
素っ気なく返事を返し横を向くクロ。だがその耳は少しだけ赤くなっているのはお見通しだ。ツンデレ乙。
新たなスープを飲み干しお腹を満たした私たちは、レレオさんたちに挨拶をしてからギンにのってハイエルフの拠点へとひとっ飛びで戻るのだった。残念ながらニャルスをお持ち帰りすることは叶わなかった。
お土産として買ってきた甘味とには、アッシュールさんが独り占めするのでは、と思う勢いでしっかりと冷蔵庫のような魔道具にしまわれた。あの勢いだとこれから何度かお使いに頼まれるかもしれないな、と思ってしまう。
多人種が行き交う獣王国であっても、きっとアッシュールさんクラスのハイエルフが街へと繰り出せば、多分血を血で洗う抗争が始まるかもしれないと思い、おつかいもやむを得ないと思ってしまう。
あんな綺麗な人が歩いていたら絶対声かけちゃうよね。
とりあえずは休息の一日は終わったのだが、アッシュールさんは用事があると部屋に篭るようなので、私たちはまた裏の荒野に出かけ、軽めの修行に勤しんだ。体も心もリフレッシュできたのでなんだか軽く感じた。
修行を終え夕食時にもどってきたが、アッシュールさんは良い笑顔で出迎えてくれた。今日は夕食はいらないと言っていたのでまあそう言うことなのだろう。
私たちは構わずに夕食を美味しく頂いた。
そうした苦しくも楽しい修行の日々は続いていく。
邪神はまだ来る気配はない。このまま来なければいいのに……
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