表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】忌み子だった侯爵家の『捨てら令嬢』は謎スキル『もふり』で獣に『攫わ令嬢』に  作者: 安ころもっち
神の子の力編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/108

82

ご覧いただきありがとうございます。

最後に評価など頂けれは嬉しいです。


三週間後の夜。


私は無事修行を終えた。

私の両肩、そして頭や腰にはたくさんの妖精ちゃんが張り付いている。毎日オーラを吸わせて懐いた妖精ちゃんたちである。オーラ与えすぎウェーイとならなければ常にそばについてくれる可愛い奴らである。


私は毎日の修行に耐えた。


ジロたちに合えない日々、たとえば外で修業するようになったジロたちの声が聞こえただけでも、私の心は踊った。そして乱れたオーラで開催される妖精ちゃんたちのフェステバルに泣いた。それを見てアッシュールさんは笑っていた。

ジロたちの攻撃の爆音が響いても思わずにやけてしまった。頑張ってるんだな!って……そしてまた私の心は乱れ(以下略


そんな日々も今日で終わりだ。


アッシュールさんにお墨付きを頂き、今日の晩御飯からみんなと一緒に和気藹々と過ごせると……


そして私は小屋を3週間ぶりに出た……なんて素敵な!と風を感じ、そして「お姉様ーー!」というユキの声と、体に生命の危機を感じる衝撃を受け止めながら意識を失った。


「こ、ここは……」

私は朦朧とする意識を目覚めさせ、知っている天井を眺める。「そうだ!」と声を上げながら体を起こすと感じる腹筋の痛み。


「マ、マリ姉?」

その懐かしい声に痛みをこらえながら横を向く。私はすぐ横にあったジロの顔を見て、思わずその胸に顔をうずめた。子供のようにワンワンと声を上げてしまう私だが、思えば私はまだ子供、と思えなくもない年齢だから許されると思った。

そして涙の先に見えた土下座のユキは、まだ少し許されなくても良いかな?って思ったのでしばらく私はジロの胸にうずくまる作業に没頭した。


「よし。落ち着いたのでもう離してもらえますか」

久しぶり過ぎて片言になりそうだったが、なんとか抱きしめるジロを押し返す。


「お、お姉様……先ほどはごめんなさい!」

またそう言って頭を床にこすりつけるユキ。


「寂しかったんだよね。もう大丈夫だから、おいで……ゆっくりね?」

その言葉で遠慮しながらも結構な勢いで飛び込んできたユキ。私は当然のように肉体強化を全開にして受け止めた。私も強くなったのだよ。


胸の中で泣き出したユキを撫でながら、集まってきた他のみんなも撫でたりさすったり、しばらくぶりの感触に思わず手に力が入ってしまった私。そしていつものように自己主張してくるお腹……


ユキを引きはがしたモモさんが私をゆっくりと引き起こすと、肩を抱かれながら外に出る。少し暗くなった空を見上げ深呼吸をした。やっとまともに外の空気を吸うことができホッとする。


すでに準備万端になっていた夕食。

やっぱりこういう時は肉ですね!さっきまでの痛みが吹き飛んだ気がする。


大きな鉄板がすでに下からあぶられ周りに熱を放っていた。すぐにジロが取り出したお肉をクロがいつものように薄切りにカットする。それを皿に受け止めたジロがジュージューと焼き始める。

すぐに感じる美味しいにおい。これはあれですね、ドラゴンですね!すっかり匂いで利き肉ができるようになってしまった私の固有スキルが「あれはドラゴン肉だ」と叫んでいる。もう一度自己主張するお腹も「そうだドラゴンだ」と告げている。


私は暫くして焼きあがったお肉をひたすら味わった。途中で添えられる野菜類には目もくれず、美味しいお肉をただひたすらに胃に流し込んでいく。

お肉の美味しさとみんなの笑い声がひびき私はまた涙を流すのだが、それはモモさんが優しく拭ってくれた。こんな幸せな時間がいつまでも続きますように……そう願う私だった。


一通りお腹を満たした私は、ジロたちとここ三週間のことを話し始めた。

私が白いオーラを完全に使いこなせるようになったこと、体にくっついている妖精ちゃんたちには、それぞれの属性があって、その妖精ちゃんの力を白いオーラで強化した者にも送れることも説明した。

残念ながら音?の妖精ちゃんは見たことがないということで、ギンには「ごめん」と伝えたが「我は強いから妖精の世話は不要だ!」と高笑いをしていた。まあ飛行時は風の妖精ちゃんが……これ以上早く飛ばれても困る。


アッシュールさんの話なので間違いはないとは思うけど、実際やったことがないので今からさっそく実験したいところだが、残念ながら夜も遅いので今日は止めておこうという話になった。

決して私のお腹が動けないほどのパンパンだったからという理由ではない。

みんなの方は、とにかくシンさん、アダドさんに倣って魔力の循環方法を基礎から学び、あとは二人と実践方式で戦ったとか……


この裏の方には広大な土地が荒野と化していると言っていた。おかしいな?ここに来る時、上空から見た時には森だったけど……まあ元から荒野があったということにしておいた方が脳内が平和だ。


しかしあの二人は、あんな綺麗な顔をしてみんなを相手に出来るほど強いのか……


モモさんが「まったく勝てる気がしない」と言っていたので、その強さは相当なものなのだろう。

アダドさんに「妖精の力を存分に発揮できればマリちゃんもそうなれるよ」と綺麗か顔を近づけて言われたが、その言葉よりその声と顔に気を取られてしまう。ドキドキはジロたちで間に合ってます。


とりあえず妖精ちゃんの力を借りればパワーアップしたジロたちをまとめて相手にできるほど、強くなれるということも分かった。どれほどの時間がかかるかは別にして……


明日から早速みんなで修業をしよう、と言うことになったのだが……

その夜、私はジロと二人でアダドさんの使っていた小屋に二人きりになっている……どうしてこうなった?

お読みいただきありがとうございます。明日も17時更新となります。

期待してる! もっと読みたい! 読んでやってもいいよ!

そんな方は下の☆☆☆☆☆を押してい頂けると嬉しいです!

もちろんブクマやコメント、レビューなどもいただけると飛び上がって喜びます。

読者様のお力が必要なんです!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ