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【完結】忌み子だった侯爵家の『捨てら令嬢』は謎スキル『もふり』で獣に『攫わ令嬢』に  作者: 安ころもっち
神の子の力編

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ご覧いただきありがとうございます。

最後に評価など頂けれは嬉しいです。


アッシュールさんが過去話を始めてから数時間……


延々話を聞いていたのだが、周りにふわふわと集まってくる妖精ちゃんにアッシュールさんが時折手をかざす。微量の白いオーラと思われるものが出るとそれを妖精ちゃんたちがチューチュー吸っているようだ。

本当に微量、上に向けた手のひらからうっすらと見えるか見えないかの白いオーラが、ふわりふわりと放出されている。それを吸うとまた嬉しそうにアッシュールさんの肩などにくっついて甘えているようだった。


私は「なるほど」と真似をするのだが、当然のようにぶわっと溢れ出る白いオーラ。部屋の中はもちろん外からも大量の妖精ちゃんたちが集まり、チューチューそれを吸ったと思ったら全員勢いよく外へと飛び出していく。


「あらあらー、まったく調整できてないのね。いいわ私もなんだかやる気がみなぎってきたわ!」

ニコニコ笑顔のアッシュールさんが私を残念な子を見るような目をしながら、両手を上げて力こぶを作っていた。


「どうやったら良いのでしょうか?」

「大丈夫!」

そういってサムズアップするアッシュールさんを見ても私は全然安心などできなかった。


それから私は修行の日々が続くことになる。


まずは魔力とオーラの違いを覚えることが先決だというアッシュールさん。簡単に言うと魔力は体から生まれる力。オーラは心から生まれる力だという。

そのためオーラは怒りや憎しみの心で放出することで、特に強い力を発揮する。でもそれは私や、その黒いオーラを受けたジロたちにも悪影響を与える。場合によっては魂そのものが穢され崩壊するのだとか……


私はその話を聞いた時、パニックになってしまった。

私はなんてことをしてしまったのだろうと……


一番最初に私が心の憎しみのままに振るった黒いオーラの力……自分でもダメな力だと分かるほどの力……一歩間違えばあのままみんなの魂は、消えてなくなってしまったかもしれなかったのだ。


震える私に、アッシュールさんは優しく抱きしめてくれた。「大丈夫」と背中をさすってくれた私は、もう絶対に黒いオーラは使わない。そう心に誓った。


それから、私は心を落ち着け体の一部にオーラを纏わせる訓練をしていた。冷静に心からの純粋な力、守るための力を願う。強く、それでいて小さく思いを凝縮していくように……


最初に大量放出した際は、アッシュールさんの体にくっついていた妖精ちゃんを含め、すべての妖精ちゃんが私のオーラを吸って何やらテンションマックスで外へと飛び出していってしまった。

あれだと過剰すぎる力を抑えきれずにどこかで発散するのだとか。一種の麻薬中毒のようなものか……いけない薬を服用して暴れ回る妖精ちゃんたち……想像して怖くなる。

そう言えば妖精はいたずら好きとかいう話も聞いていたが、まさか私のオーラを過剰に吸った妖精ちゃんたちがどこかで悪さしてないよね?それだけはありませんように、と心に願った。


一夜明ける。一人で眠るベットは寂しかった。それでも頑張らねばとベットの中で昨日の練習を振り返る。

初日の昨日は散々だった。


弱くと念じると出てこない。出ろと少しでも強く念じるとドバっと出てしまう。小さくと願うと出てこない。少し大きく願ったところで大量に溢れ出る。きっと周りに妖精ちゃんがいたらまた過剰摂取してしまうだろう。

なんとか一日でいびつながらも量を減らすことに成功はしていた。


アッシュールさんの見本のように手のひらだけにうっすらと放出する白いオーラ。何度も見せてもらった。今日はきっと大丈夫!なはず……

朝方から徐々に戻ってきた妖精ちゃんたち。

朝食を終え昨日一日練習してきた成果を披露する。


心を真っ白に落ち着ける。深呼吸して呼吸もゆっくりと……そして手のひらを上に向け、そこに優しい気持ちを籠める「妖精ちゃん、ご飯ですよー」つい声が出てしまったので、アッシュールさんが小さく噴き出してしまう。

それで私の心は大いに乱され、ドバリとオーラが放出された。後悔しても後のフェステバルが開催され「宴じゃー!」と叫んだかは知らないが、妖精ちゃんたちはどっかへ飛んで行ってしまった……


「もう!アッシュールさんも酷いです!」

私は顔を真っ赤にしながら頬を膨らませ抗議したが、その私の声は、大量放出されたオーラを見てさらにお腹を抱えて笑い出した彼女には、届いていないようだった。

その事で私の心の平静を保つのが難しくなり、しばらくふて寝したのは許してほしいと思う。ジロに会いたい……


私は上を向いて寝ころびながら、昨日別れてから会っていないジロたちの顔を思い浮かべる。

ジロたちの方も、息子さんの二人に「修行をつけるよう言ってある」と教えてくれた。

「終わるまで会えない。だから必死でやりなさい」とのことだった。私はどうやらジロやモモさん達にそうとう依存していたのだろう。つらい……


そりゃそうだ。12までこの世界では孤独に生きてきた。唯一の支えだったはずの姉には裏切られた。私にはジロたちしかいなかったのだ。そんなこんなでちょっと泣いた。

朝昼晩と、ジロが用意してくれたであろう食事をアダドさんが運んでくれた。それだけが楽しみになっていた。絶対に早くマスターしてジロたちをモフってやる!そう思い直して昼食を胃に流し込んだ。


「アッシュールさん!また修行お願いします!」

「ふふふ。元気出たわね。また面白いもの見れそうで嬉しいわ」

くっ……これもメンタルの修行ということですね。からかわれている、ということではないですね?信じていいんですよね?


私は歯を食いしなりながら手のひらにオーラを放出する修行を続けた。

妖精ちゃんたちが居なくなった部屋の中で……

お読みいただきありがとうございます。明日も17時更新となります。

期待してる! もっと読みたい! 読んでやってもいいよ!

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