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ご覧いただきありがとうございます。本日二回目。
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お次は……私は周りを見渡した。
「レオ」
その言葉でレオが私の足にころんと寝ころび、膝枕で甘えだした。
「ボクはマリ姉ちゃんのなんなんだろね?」
「あ、うっ……」
伝えにくい……多分レオはそう言うと私が照れてしまうと分かって言ってるのだろう。こう見えてもレオはモモさん達より年上らしい。昔はどこかの村で神様のように崇められていたという白虎様、まあ神獣ってやつだ……
「レオは、私の……弟ってことでいいのかな?」
「うーん、そうだね。ボクは弟だから……こうして甘えてもいいんだよね?」
こうして嬉しそうに頭をすりすりとこすり付けてくるレオを優しく撫でる。嬉しそうにしているので弟ということで良いのだろう。
レオは本当はもっと大きな青年の姿もできるらしいけど……でも私の中でレオはずっとこのレオなのだ。いつも私に甘えてくるが、敵対するものは土魔法をつかった岩の棘でザクザクと倒していく……
そんなことを考えていると、後ろ抱きにしているモモさんの横からダイとユズが顔を出し、私の横にぴったりとくっついてくる。
「ふふ。ダイとユズも、私の可愛い弟と妹だよね!」
そう言って私は二人の頬に自分の頬をくっつける。ぷにぷにとした肌が気持ち良い。ダイとユズはコガネさんモモさん夫婦の双子の子供。しっぽが3本に増えた二人は今後の成長も楽しみ。
背はまだ私の方が高いからね!だから私はお姉ちゃんということでいいよね!ダイは水魔法、ユズは樹の魔法と、パパママの力をしっかりと受け継いでいるようだ。
二人はすでに私より強く一対一でも勝てない。そこはほら私は一応支援職だからね……でも妖精ちゃんの力で強くなってるようだし……今ならワンチャン……後で挑戦してみようかな?
そんなほっこりした空気の中、ユキが私のレオが頭をのせていない方の足の上にポスンと座る。いやちょっと重っ……
「ユ、ユキ?ちょっと、重いかな?」
「ぶー!重くなんてないですよねお姉様!なんで私はだめなのですか!みんなばっかずーるーいーでーす!」
仕方ない。甘んじて受け入れよう。ちょっと足が痛いけど肉体強化を使えば大丈夫。ちょうど私もパワーアップしてるしね。そんな感じで膝の上に座るユキを受け入れ「もちろんユキも大事な妹だよ」と頭を撫でた。
神獣と言われるユニコーンで雷魔法を使えるユキ。昨日の戦いでもバシバシ雷を落としていたが……
見た目はダイとユズと同じような幼い姿だけど、その二人と戦っても遜色ない強さを持っている。この中では一番最近仲間になってくれた可愛い女の子。
最初は森の中っではしゃいで足を痛めるとか、天然お姉さんキャラキター!と思いきや、こんなに幼いなりで見た目通りに少し我儘っ子に?まあ可愛いと思える範囲かな?そう言えば年齢聞いてないな?
「そう言えばユキはどれぐらい生きてるの?」
「うーん。私はですね?多分えーと……いっぱいです!」
なるほど。まあそうだよねどのぐらい生きたかなんて……暦も何もないわけだし……人とは違うのだよ。
「私は、姫の忠実な下僕です。何なりとお使いください!」
「我も!我も下僕だ!一生そばにいるからな!どこへでも飛んでゆこうではないか!」
そう言って私の前へ跪くエンと「下僕だ!」といつも言う割には腰に手をあてふんぞり返っているギン。この二人もお兄さん?いや、親戚の世話焼きおじさんっぽいかな?
「二人もよろしくね」
エンが優しく笑う。ギンは子供のような笑顔を見せる。
エンとギンでは、ギンの方が早く出会っている。
竜人国の聖竜様として祀られていたが、色々あって暴走、私にモフられ自らを下僕と称して付き従ってくれる。今回の戦いで初めて見たけど音のブレスのようなものを飛ばし、地面にボコボコと穴を作っていた。
もちろん竜の姿に戻っては、みんなをどこまでも運んでくれるのだからとても頼れる存在。でも何万年も生きているのに言動が子供みたいで、ちょっとだけアホっぽいんだよね……
エンの方は、エルフの里の北西の魔窟の魔物を討伐した帰りに遭遇した大猿の群れのボス。大猿の群れの中でも特に大きかったので心の中では大大猿と呼んでいた。
強力な岩の盾の魔法で攻撃を受け止め、そしてその岩を殴り砕いて飛ばす攻守一体の魔法を使う。
ジロと一騎打ちの末には、敗れた仲間を逃がし潔く自分の命を差し出そうとしたっけ……
モフって回復させた私に仕えてくれるというのはいいのだけど、私のことを『姫』と呼ぶのはいい加減辞めてほしい。代替案が『殿』だからね……とはいえ、本当に家臣のように私を守ろうと頑張ってくれている。
みんな大切な仲間だ。邪神と戦わなければいけない今、それを再度確認したかったのだ。そしてもっともっと仲良くなって私も強くなってあの邪神を倒す!せっかく転生したのだ。絶対に幸せになってやる!
そう思ってついジロを見る……ジロもこちらを見てにっこりと笑う。くっそ可愛い。私はまた顔が火照ってしまうのを感じまた目を逸らしてしまった。
「じゃあ今日は、ハイエルフに会いに行こう!……それはそうとお土産とか持っていった方がいいよね。何がいいかな?」
「うーむ。ハイエルフの情報は中々ないからの。森や山にはないもので、例えば香辛料や装飾品なんかは良いかもしれぬ。まあ分からぬがの」
なるほど……
結局、その日は獣王国と竜人国、ついでに王国の街と繰り出し香辛料は装飾品の他にも、数々のお土産になるようなものを買い込んだ私たち。王国は王政から民主国家へ生まれ変わったけれど、あまり混乱は無いようで、街は賑やかな喧騒に包まれていた。
結局それには夕方過ぎまで時間を使ってしまい、もう遅いからと北へと向かうのは翌日となってしまった。そして翌日……
「さあ行こう!ハイエルフに会いに!」
私たちはギンに乗り込み大空へと飛び立った。
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