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【完結】忌み子だった侯爵家の『捨てら令嬢』は謎スキル『もふり』で獣に『攫わ令嬢』に  作者: 安ころもっち
安息と混沌の神編

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ご覧いただきありがとうございます。

本日より『安息と混沌の神編』がスタートとなります。

最後に評価など頂けれは嬉しいです。


Side:???


「かなりすげースキルも溜まってきたな」

俺は焼け野原になった周りを見渡した。これで俺は3つの村を滅ぼしたことになる。もちろん有用なスキルを奪うためだ。この俺の強奪のスキルで……


俺はこの帝国でも裕福な家、ゼピュロス侯爵家に生まれた。バックスと名付けられた俺は、最初は何もわからなかった。恵まれた環境で両親も使用人も俺を可愛がってくれたと思う。


だが5才の時にふと思い出した。

自分の前世、地球で暮らしたあの日々を……


俺は前世では赤城康弘として、貧乏な家に生まれ常に金に困った生活を強いられていた。クソみたいな親に何かあれば殴られる日々。

そんな俺も小さい頃から何をやるにしても上手くいかない人生だった。周りから常に見下されているような気がして、人の目が怖かった。


だから中学校卒業と同時に家を出て、空き巣を繰り返したりしながら必死に生きてきた。その時代はそこらじゅうにリサイクルショップなんかがあったからな。全国を転々としながらギリギリながら生きていくことはできた。


そして俺が死んだのは20才の頃。偶然入ったその家で犬と子供と鉢合わせして、初めて人を殺した。その事に動揺した俺は、少しだけ周りを見渡し金目のものがないことを確認すると、犬にかまれた手の痛みを堪えながら家を出た。


そして次の瞬間には強い衝撃と共に俺は宙を舞っていた。意識が途切れる前に車が停車する音と、ドアがバタンと閉まる音がしたので車にはねられたのだと分かった。


こんな感じで人生は終わるのか……俺は神を呪った。


そして俺は5才の子供、ゼピュロス・バックスとしての生まれ変わったことを理解した。

その事を認識した時、頭の中に響く声を聞いた。


『やっと目覚めたか。予想以上に時間がかかったが……まあいい』

「なんだ!急に!」

その事の俺は懇願した。ただでさえ生まれ変わったという事実に頭を悩ましていたのに……もしかしてこれは夢か?そんなことまで思ってしまった。

そばにいた侍女が心配そうにこちらを見たので「大丈夫」と手でその場に待っているように合図する。

その侍女から離れ、庭の木陰に移動してからその声との対話を再開する。


「お前は……何だ?」

『俺がこの世界にお前を飛ばしてやったんだ。ありがたく思え!』

「おまえが?……俺に、何をさせようってんだ!」

『何をさせようってことじゃねーよ。好きに生きろ。俺はお前の生きざまが気に入ったんだ。精々暴れてこの世界のクソ女神を困らせてやればいい!』

「暴れたらいいのか?好きに生きていいのか?お前は神じゃ……ないんだな?」

もう何がなんだか分からねー。俺はあれか?頭の中に何かがいる、いわゆる中二病ってやつか?


『俺も神だ。だがこの世界では邪神、と呼んでくれた方が分かりやすいかもな。この世界に混沌を振りまく……好きだろ?お前もそういうの……』

「くっくふ……くはははは!そうか!俺も頭の中に邪神を飼っていたこのか!いいね気に入った!どうしたらいい?どうしたらこの世界をぶちこわせる?」

楽しくなってきた!だが暴れ回るにしても俺は5才の子供だ。どうしたらいい?


『お前にはあのクソ女神が自分の転生者にやろうとしてたスキルを、全て奪ってつけてある。それと俺も一つ力をくれてやる!さあ、叫べよ!ステータスってな!クハハハハ!』

「おいっ!なんだよその恥ずかしいセリフ!そんなこと言えるかよ!」

顔から火が出るほど恥ずかしくなってきた。これが俺の脳内が作り出した妄想だというのならたまらんな……そう思いながらも好奇心には勝てなかった。蚊の鳴くような小さな声で「ステータス」とつぶやいた。

その時邪神が『ぐふっ』と笑った気がしたので益々恥ずかしくなって、顔じゅうに血が集まったような感覚となり気を失うかと思った。


そんな俺の目の前には、漫画のような青い窓が開いていた。


ここには俺のステータスが書いてあった。

力、守、魔、運……そのほかにスキルや称号……本当にこれは夢じゃないのか?


『スキル 鑑定 / アイテムボックス / 強奪』

前の2つは定番のスキルだろう。そしてこの最後の強奪というスキルの響きが俺の心をとらえて離さない。そこに意識を集中するとこのスキルの説明なのか『殺した者のスキルを奪う』という新しい窓が開いた……


「最高じゃねーか……」

思わず口に出して喜んだ。


『称号 転生者 / 邪神の使途』

そんなものも書かれているのか。だがこんなの鑑定で他のやつらに見られたら大変じゃねーか?そう思って確認する。


「おい!称号とかこれやばくねーか?こんなの見られたら一発でアウト、処刑されたりしねーだろうな?」

『安心しろ。この世界で鑑定を使える奴なんてめったにいねーよ。あと12才で洗礼の儀ってのやるがその時は最初の鑑定しかみえねーよ。ここの神官共は未熟だからな。ひとつのスキルしか見えねえんだよ』

俺はその言葉でホッと胸を撫でおろす。折角生まれ変わったのにすぐに殺されちゃーたまんねーからな。


まずはその、12になるまで我慢するか。幸い良い家に生まれたんだ、ゆっくりとこの体が育つのを待てばいい。それから力を付けていけばいい……世界を壊す力をな。

強奪スキルか……いい響きだ。

俺の新たな人生は始まったばかりだ……

お読みいただきありがとうございます。明日も17時更新となります。

期待してる! もっと読みたい! 読んでやってもいいよ!

そんな方は下の☆☆☆☆☆を押してい頂けると嬉しいです!

もちろんブクマやコメント、レビューなどもいただけると飛び上がって喜びます。

読者様のお力が必要なんです!


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