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【完結】忌み子だった侯爵家の『捨てら令嬢』は謎スキル『もふり』で獣に『攫わ令嬢』に  作者: 安ころもっち
樹の里アールヴヘイム編

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ご覧いただきありがとうございます。

最後に評価など頂けれは嬉しいです。


翌日、いつものように押し付けられた、やわらかき桃を押しのけ目覚める。


手に残る尊い感触を確認しながら伸びをして体を起こすと、すでにジロ、クロ、ギンが胡坐をかいて話し込んでいたようだ。そして体を起こした私に気づいたジロとギンがこちらにやってくる。


「おはよう」

「おはようマリ姉!よく眠れた?」

「うん。基本どこでも眠れるからね私」

「よかった!」

初めての場所のため心配していらのだろう。


「マリ!早くご飯を食べよう!」

「えっ?どうしたの?朝早くから急に……まあ食べるけど」

「うむ!我は早く食べたいのだがジロがマリが起きるまで駄目だと言うからな!待っておった!」

「そうなんだ。じゃあ着替えてるから、ジロはギンの分も出しといてね」

私は可愛く返事するジロから離れ、衝立の後ろで着替えをする。

本来ギンは食事をしなくてもいいってことだったのだが、すっかり食べることを楽しんでいるようだった。まあ際限なく食べちゃうからね。ジロも色々考えて制限しようとしてるのかな?


「ギンは食べすぎ!これで我慢する!マリ姉のがなくなっちゃう!」

「ま、まだまだいっぱいあるハズではないか!もう少しぐらい出しても良いではないか!」

喧嘩している二人を見て、何か違ってたっぽいと思い直した。


「喧嘩しないの。ギンもいくら際限なく食べれるからって沢山食べたら喜びも薄れちゃうよ。たまに食べるから美味しいんだから」

「そ、そうなのか?じゃあ……今日はこれで我慢する!」

渋々納得したと思われるギンを放置してジロからいつものスープとパンを貰う。変わらないこの朝食が好き。次から次へと色々なことが怒るから、せめて朝だけはこうして日常でありたい。

まだ少しだけ寝ぼけた体を、温かいスープを飲みながら目覚めさせていく。


「今日は魔窟へと行くのじゃろ?」

モモさんの声を聞いた私はさっきまで寝ていたベットを見る。そして全裸でこれから下着を身につけようとしながら、ダイとユズを脱がせにかかっているモモさんを見てしまう。思わず加えたパンを噴き出しそうになった。


「モモさん!まずは着替え終わってからにしてください!」

「ん?なんじゃ?」

咥えていたパンを口から離し、私がかけた言葉に、パンツ履きかけのモモさんがそのまま動きを止め仁王立ちでこちらを向く。どうやら声を掛けたのは逆効果だったようだ。


「おかしなマリネエじゃ。よし!ダイもユズも早く服を着るのじゃぞ!」

言葉を失った私は、脳内で「モモさんもすぐ服を着てください」と思っていた。そして相変わらず他の面々は何も反応を示さないので、もう言わないけことにしようと心に決めた。


その後、モモさん達も食事をおえ、さらに遅れて起きてきたレオと、どこからか戻ってきたクロとコガネさんも交え、魔窟へと赴く準備を始める。

準備と言ってもシャクラさんのところへの挨拶と、サマエルさんに具体的に魔窟があるで予想される場所の確認などをしただけである。それと10分ほどハルちゃんと戯れることにも時間にも費やしていた。

サマエルさんに「姉妹みたいだ」と言われたので少し恥ずかしくなったが、まあ年も近いしいいんじゃないかな?と開き直った。


結局、魔窟にはシャクラさんと息子のラクタさん、サマエルさんが参加することになった。


ワイワイと話をしながら、というか私に近づくシャクラさんをジロとレオでけん制しながら里の北西へと歩く。途中で魔窟から溢れたであろう大蛇などを討伐しつつ、途中でワイバーンなどもやってきたのでまとめて討伐する。

シャクラさんたち三人は改めてジロたちの戦力に驚いていた。


普段はワイバーンなどは、複数の警備隊所属のエルフにより撃退して退ける程度である。たまに討伐にも成功するが、こんなにあっさりと狩れるものではないとサマエルさんが力説していた。

そしてしばらく歩いたその先に、木々の間に無理やりねじ込まれたような、大きく盛り上がった洞窟を発見した。ここが……魔窟!今、私は多分キラキラした瞳を向けているだろう。

テンションが上がってしまった私は、隣にいるジロをバシバシと叩きながら「ジロ!洞窟!あれが魔窟だよね!凄いよね!」などと話しかけていた。ジロはそれを聞きながらニコニコしながら「よかったねー」と頭を撫でてくれる。

なんだか子ども扱いされてるような気がして、恥ずかしくなったとこで無事正気に戻った私は、その洞窟を注意深く窺ってた。


そしてその洞窟から大猿が一体顔を出す。きょろきょろと周りを見渡し、私たちの方を見ると突然叫び出し突撃してきた。もちろんその大猿はクロにより切り刻まれてゆく。

他のみんなも攻撃を繰り出したが、今回はクロが一番乗りだったので少しだけこちらを見ながらドヤっていた。

私はクロに近寄り頭を撫でると「ふん!」とそっぽを向いてしまったが、その場は動かず撫でられていたので、やはりクロも嬉しいのかもしれない。このツンデレめ。


「どうやらここで間違いないようじゃの」

「そうだね。じゃあ中に入ってみる?」

遂に魔窟へと足を踏み入れる!また私のテンションが上がりそうだ。


「先に僕が入ってみるね」

「ボクも行くよ!」

ジロがいち早く前に出るとその後ろからレオもついてゆく。そしてそれに合わせてギンも「うんうん」と言いながら追いかけていった。

お読みいただきありがとうございます。明日は12時、17時と2回更新となります。

期待してる! もっと読みたい! 読んでやってもいいよ!

そんな方は下の☆☆☆☆☆を押してい頂けると嬉しいです!

もちろんブクマやコメント、レビューなどもいただけると飛び上がって喜びます。

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