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翌日。
何時ものように、モモさんのモモを名残惜しそうに押しのけて起きる。
すでに起床していたジロたちが駆け寄ってくるので、軽くひと撫でしてから仕切りのある部分で着替えを済ませる。
着替え終わってさっきまで寝ていたベットを見ると、モモさんがすでに着替え終わっていた。今はダイとユズを脱がせて着替えの時間のようだ。モモさんがジロたちがいる中でも、気にせず着替えているのはどうなのか?と考えてしまう。
そこはモモさんはもちろん、ジロとかも全然気にしていないようなので、まあいいかと思い直す。
それにしても部屋の外からはバタバタと忙しそうに動いている音がする。やはり今日の協議の準備でみな忙しいのかもしれない。私も多分今日は矢面に立たされるだろうし、しっかりとジロたちの安全安心を伝えようと思う。
ジロが出してくれたパンとスープを受け取り、皆で朝食。このスープは私が好きでかなりの頻度で出してもらってるけど、これどこで買ったやつなんだろう?
「ジロ、このスープってどこで買ったやつ?」
「ん?これ?これは獣人国の露店で売ってるやつだよ。マリ姉が美味しいって言ってくれるから、前にここに泊まって時に毎日いっぱい作ってもらった」
笑顔でそういうジロが、給食で使うのでは?と思う大きな寸胴をドカンと出すと、今はこれが10個ほど入ってると教えてくれた。すぐに取り出せるように定期的にいつも使っている器に入れて、また収納しておくのだとか……
「ジロ……いつもありがとうね」
私が優しくジロの頭を撫でると、そのまま横にくっついて離れなくなるので「ごめんね食べさせて」とその頭を引きはがし食事を再開した。
食事を終え、少し休憩してから王宮を出る。
レレオさんにそろそろ協議の場に行った方が良いか確認したら、ニャルスとピョンロンさんまで付いてきて、みんなで街の南西側のはずれまでやってきた。
途中でギンが「我に乗っていけばよいのだ」と言ってくるがまた騒ぎになるし、そんなに離れていないということなので「また今度ね」と伝えて納得してもらう。
そんなに私を乗せたいのか、と思った私は一瞬、今の状態のギンにまたがり、お馬さんごっこのような様子を想像してしまい顔が赤くなるのを感じていた。
私はいったい何を想像してるのか……
「ん?マリネエどうしたのじゃ?体調がすぐれぬのならすぐに言うのじゃぞ?」
「だ、大丈夫だよモモさん」
私は顔をパタパタさせながら何かと鋭いモモさんに返事を帰す。
「ここが会場になりますよ」
そんな中、ピョンロンさんの言葉に目の前の光景を改めて確認する。
思わず「おお」と声をあげる。
前回とあまり変わらないテーブルや椅子などが並んでいる協議の場。
その後ろには屋根だけのテントのようなものが立てられ、そこには白を基調とした鎧を身にまとった多数の人達が、各々くつろいている様子が見えた。
宗教国という話を聞いていたので、神官のようにもっと大人しめな人たちが来るのかな?と思っていたが、さすが竜種もいるという山道を抜けてきた人たち……いずれもかなりの筋肉質な男たちであるように見えた。
「あそこにいるのが向こうの一番偉い教主ってやつにゃ!国のトップが直接乗り込んできたからには……生きてかえさないにゃ!」
「ちょっとニャルス。物騒なことは言わないでよ。穏便に、ね?」
私の言葉に拳を握り締めファイティングポーズをとっていたニャルスが、ハッとした顔をして両手を下ろす。
「だ、大丈夫にゃ。口で分からせてやるにゃ」
「そ、そうだね」
だいぶ心配になってくる私。まあ最終的にはみんなが私を守ってくれるだろうから、心配はないだろうけど……それで死人とかでたらやだな……私はなんとか協議が無事に終わることを祈った。
そこに、レレオさんとニャナンさん、ニャイダにダルニャがやってきて挨拶をかわす。
「そろそろ始めたいと思う。マリ殿にはすまないが、どうか席について待機をしていてほしい」
「そんな、頭を上げてください。私は自分で蒔いた種だと思ってますから。それに、レレオさんを含めて私を守ってくれる気持ちはとても嬉しいです」
頭を下げるレレオさんに恐縮しながら、早く席に座ってしまおうと協議の場まで歩き出す。
「こちらへ」
そういってピョンロンさんに運がされたのはニャルスの隣の席だった。
レレオさんの両隣にはニャイダとダルニャが、そのニャイダの隣にニャルス、そして私という並びになっている。ダルニャの隣には……見たことのない獣人さんが座っている。
ニャナンさんは複数の獣人たちに守られつつすぐ後ろの席に座っている。
私のすぐ後ろにはモモさんが、その近くにジロたちが待機していた。ダイとユズも緊張した表情で後ろに待機していた。まだ子供だから危なくないかな?と思ったけど、実は私よりすでに強くなっている二人……自分の弱さを痛感している。
獣王国側の準備が整ったのを確認した教国側の人達は、一人、また一人とその休憩場所から出てきて後ろの方に整列する。そしてその中から3人ほど席の方まで歩いてきた。
私たちとは反対側の席の中央に座った強面の男性。さっき言ってた教主様。そしてその後ろには長槍を持ちながら待機している二人の男たち。どうやら席には教主以外は座らないようだ。
いよいよ協議がはじまるようだ。
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