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【完結】忌み子だった侯爵家の『捨てら令嬢』は謎スキル『もふり』で獣に『攫わ令嬢』に  作者: 安ころもっち
エーリュシオン竜人国編

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最後に評価など頂けれは嬉しいです。


「そう言えば、この上にいらっしゃるのが聖竜様なんですよね?」

最後のこのタイミングで一番気になっていたことを聞いてみる。。


「そうですね。有史以来この場にとどまり、この国をお守りいただいている聖竜様です」

有史以来という言葉に驚く私。


「有史以来ですか。どのぐらいの年月なんでしょう」

「どうなんでしょうかね。伝わっているのは数万年前、とだけ……」

「そ、そんなに昔ですか……」

驚きすぎて返答に困る。


「しかし聖竜様も最近はご様子がすぐれないようで……少し心配をしております。もちろん何事もないとは思っているんですが……」

「そう、なんですか」


私は気になって根掘り葉掘り聞いてしまう。

聖竜様は数十年前まではただひたすら寝息をたて、穏やかな表情でお眠りになっていとか……聖竜様は何かを食べるわけでもなく、ただ空気中の魔素を吸収して生きているらしい。

ただ最近は時折顔をゆがめ唸っていたり、白銀に輝く背面の毛並みもどことなくくすんでいるのだとか……私が見た背中や頭に毛並み……綺麗ではあったのだがあれがくすんでいるというのであれば、どんだけ光輝いていたのだろうか気になった。


とは言え、聖竜様に何かあることはないだろう。と言ったナヌークさんの言葉に安堵した私は、案内された一室でしばしの休憩をする。外に出るのも面倒なので、ジロから適当に食べ物を出してもらうとそれをお腹に流し込んだ。

その後は皆でベットにごろりと寝ころんだ。まずは旅の疲れを癒そう。いや大した疲れてはいないのだが、数日ぶりのベットだ。私はモモさんのモモにうずくまり、早々に眠りについた。


◆◇◆◇◆


「ここは……どこ?」

気づけば私は真っ白な空間でふわふわと漂っていた。


「おまえは……だれだ?」

目の前にスーっと現れた細身の男性は、その白くて長い髪をかき上げながら、私にそう尋ねる。……できれば服を着てほしい。何も身につけていないその男は鍛え抜かれた腹筋を見せびらかしているようだった。

最近は見慣れてきたイケてるメンズな上裸姿……それでも見知らぬ男性の肌を見ることに、若干の背徳感を感じるのは許してほしい。というかこれ私の夢だよね……私は欲求不満なのか?私まだ12だよ?前世入れても24だけど……まあ、仕方ないのかな?


それでもその男性の下半身は、残念ながら白い靄のようなものにつつまれ何も見えない。


「なにが残念だ」私はセルフでつっこむとその男性に「あなたこそだれ?」と尋ねてみる。


「私は……アマル・ディア・エーリュシオン……」

エーリュシオン?この国の創始者と関係ある?王族の人?


「お前はなんだ?」

「あ、ごめんなさい。私はマリアント。それ以外の名前はもう捨ててしまったの。マリ……でもいいよ……」

私は、不意に思い出してしまった過去のことを少し悲しさを感じた。


「マリ……お前は私の……なんだろうな……」

「なんなんでしょうね?」

私に言われても分からない。あなたこそ誰だと聞きたい。まあ多分この上に寝ているであろう聖竜様をモデルにイメージしてしまった私の妄想なのであろう。


そこで私の意識は顔から感じる重圧に一旦途切れ、どうやら現実へと引き戻されたようだった。


◆◇◆◇◆


「お、重い……」

私は手さぐりで顔に押し付けられている物体を押し戻した。柔らかい。予想通りのモモさんのモモであった。もう何度同じことをしているのだろうか。毎朝そう思っているのだが、やはりこの安心感には代えられない。


譲れないモモがそこにある!


私は朝からガッツポーズで拳を握り締め目を開けたのだが、その姿をジロが嬉しそうに笑顔で見ていたのでそっと手を下ろし、布団を顔からかぶる。ジロから「えっ起きないのマリ姉!」と肩をゆすられるが、まだしばらくは起きないことを決めた。


今日は少し寝坊してからゆっくりと拠点づくりを始めよう。なーにまだ焦る時ではない。そう思いながら気づけばお昼まで寝ていた私。同じくベットの上に丸まって寝ていたダイとユズを見て、まあいいかと安堵した。


手早く服を着替えて体をほぐすように動かしていた時、部屋の扉が開き、いなくなっていたジロたちが入ってきた。レディの寝ている部屋に入るのならノックぐらいしてほしい!と思ったが、今まで一度もそんなこと言わなかったし、あまり考えてもいなかった。

多少着替えを見られたところで、真っ裸を見られるわけでもなければ少し恥ずかしい程度で済むはずだ。みんな魔物なんだし……大丈夫!なはず。


「マリ姉!獲物いっぱい獲ってきたけどどうする?捌いて朝食にする?それてとも売って何か新しいの買って食べる?」

尻尾がふわふわと左右に動いているジロが、私に縋り付きながら確認したので私も「どれぐらい獲ったの?」と確認する。


「うーんと、いっぱい!」

「まあ、しばらく食料には困らん程度には獲れたぞ」

ジロの言葉をクロが補足していた。珍しくクロも一緒に狩りに出ていたようだ。最近クロは布作りに頑張ってもらっていたからね。でもたまには体動かしたいのかな?


「そうなんだ。ありがとう。じゃあ少し売ってそれで何か食べに出ようかな?」

折角新しいところに来たのだから色々食べてみたい。そう思っての提案に皆も賛成したようで、まだ寝ていたダイとユズをモモさんが起こすと、みんなで街へと出掛けていった。


「何があるのか楽しみだね」

食い気を全開にした私も、そしてみんなも、ワクワクが止まらないと笑顔を見せていた。


お読みいただきありがとうございます。明日は12時、17時と2回更新となります。

期待してる! もっと読みたい! 読んでやってもいいよ!

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