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【完結】忌み子だった侯爵家の『捨てら令嬢』は謎スキル『もふり』で獣に『攫わ令嬢』に  作者: 安ころもっち
ディアーナ獣王国編

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最後に評価など頂けれは嬉しいです。


「やめて!すぐそっちに行くから、その二人は関係ないんだから!早く放してあげて!」


「だめだよマリ姉!」

「ジロは動かないで!大丈夫だから!」

「マリ姉……」


さて、どうしたらいいだろう。まずはこのまま大人しく言うことを聞いて……そんなことを思い、組み敷いていた女性の拘束を解くことを躊躇していた私は、新たに目の前に飛び込んできた光景におどろく。

女の子とその母親を拘束している黒装束の男たちが、いつの間にか背後から近づいてきた同じ黒装束の人達に、首をゴキリとやられ倒れていたのだ。


あまりの一瞬の出来事に私が思考停止していると、組み敷いている女性が喚き散らしながら暴れた出しす。


「えっちょっと、じっとしててよ!」


そこへジロがやってきて収納からロープを取り出すと手早く拘束していった。後は目の前の新たな黒装束たちが、敵なのか味方なのか……それだけが不安であった。

そしてその黒装束の二人の後ろから、スウっと新たな男性が現れた。元からそこにいたのが急に認識できるようになったという感覚である。

そこに現れたすらっと背の高い老年の男性……私もすでに知っている男性であった。


「あっ……えーと、うーんたしか……」

「エドガー・トレモロスです。ご無沙汰してますからね。ご無事で何よりです」

「そうだ!執事の……すいません覚えてなくて……」


すっかり名前を忘れていた私は頬をかく。


「いえいえ。私のようなおいぼれの名など、覚えるに値しませんよ」

「そんなことないです!今度は忘れません!いや違うくて、さっきには忘れてたわけではなくて……」


実際忘れてた私の言い訳は思いつくはずもなく、その声はエドガーさんの「ふぉっふぉっふぉ」という笑い声でかき消されていった。


「この者たちはマリアント様のお母さま、ホーラー家の影の者でして……実は私奴、アールグレイ家からはお暇を頂きましてね。色々とまあ思うところがありまして、ホーラー家の影にも私の子飼いを忍ばせていたのですが……」

「そう、でしたか……」


相変わらずあの家族だった人たちは、私のことを物か何かだと思っているのだろう。私はジロの手を握る自分の手に、少し力が入るのを感じた。


「お世話になったついでに、アールグレイ家とホーラー家の不正の数々をちょこっとだけ、王家に陳情いたしましてね。もう少ししましたら勅命で、両家共々大人しくするように進言がある予定なのですよ」

「えっ?」


面白いイベントを暴露して笑うエドガーさんを見て、私の心がちょっとだけ軽くなったのを感じた。


「ついでに王国内に王家の不満が向くように、少しばかり種を蒔いておきましたからね。あの皇太子の方も少しは大人しくなるでしょう」

「そ、そうなんですね」


さすが元S級冒険者!ってことでいいのかな?


「私も一応騎士爵を持っている身。実はですね、今回のことの褒美に、近くに小さな領土を頂きましてね。

今度こそまじめに、領主というものをやってみようかと思っておりまして……どうでしょうか?一緒にこられませんか?そこなら健やかに過ごすこともできるよう、今度こそ全力でお守りいたします」


ニッコリとした笑顔を向けてくるエドガーさんに心が揺れる。


「素敵な提案ですね。でも私は、ジロたちとまだ見たいものがたくさんあるんです。でもいつか……エドガーさんのところにも遊びに行かせてもらってもいいですか?」

「そうですか。少し残念ですが、その時が来ましたら何なりとお申し付けください……ではまた……」


そう言いながら、エドガーさんの洗練された執事のお辞儀の後、私はエドガーさんの気配が透けるような不思議な感覚に陥り、気づけばエドガーさんも先ほど襲ってきた、影と呼ばれた人たちも消えてしまっていた。


「すごい!僕の鼻でもほとんど感じられないほど気配が消えちゃった!」


ジロの言葉でそう言ったスキルか何かなのだろうと納得した。さすがS級冒険者。


「そうだ!ごめんねマリ姉。僕、変な匂いは感じてたんだけど、言おうと思った時にはもうマリ姉が襲われちゃってて……守れなかったよ……」


耳と尻尾が垂れているジロ。かなり落ち込んでいるらしい。

私はそっとジロを抱きしめて頭を撫でる。ジロにはいつも助けられている。そんなに落ち込んだりしないでほしいな。


「いつも守っていてくれてありがとう。ジロがいるだけで私はいつも、幸せだよ」

「マリ姉~」


私はジロが擦り付ける頬の温かみを感じながら、このまま獣王国にとどまっても良いか考えていた。また私の事で何かが起こってしまい、周りに迷惑をかけてしまうのでは……もうちょっと離れたどこかに行ってひっそりと生きればいいのかな?


「私ももっと強くならなくちゃね……」

「マリ姉はもう十分強いよ」


私のつぶやきに甘やかしで応えてくれるジロ。

私は、なんとか恐怖から戻ってきた女の子と母親に「巻き込んじゃってごめんね」とお詫びを伝え、今度こそ本当にバイバイと手をふって帰路についた。


ジロと一緒に、王宮を目指して走り出す。

くよくよしてても始まらない。まずはみんなに相談しなきゃ。


固い決意を胸に秘め、私は、走るその足に魔力を籠めた。

お読みいただきありがとうございます。明日も17時更新となります。

期待してる! もっと読みたい! 読んでやってもいいよ!

そんな方は下の☆☆☆☆☆を押してい頂けると嬉しいです!

もちろんブクマやコメント、レビューなどもいただけると飛び上がって喜びます。

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