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【完結】忌み子だった侯爵家の『捨てら令嬢』は謎スキル『もふり』で獣に『攫わ令嬢』に  作者: 安ころもっち
アテナイ王国編

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最後に評価など頂けれは嬉しいです。


「マリ姉。誰か来た……罠にはまったみたい」

「えっ……」


その言葉に心臓が跳ねる。まだ……嫌なことが起きてしまうのかと……



「うむ。どうやら数人だけのようじゃな。人ではないやもしれぬ……」


モモさんの言葉に少しだけ心が軽くなった。


「じゃあ僕が見てくるよ」

「俺も行こう。コガネたちは待機していてもいいよ。そいつらもまだ危ないからな」


ジロとクロの言葉にコクリと頷くモモさん。そいつらというのはダイとユズのことであろう。私は急いで立ち上がるとジロたちについていく。


「一応、私もいく!何かあったら心配だし!」

「いや待っててもいいんだよマリ姉」

「そうだそ!マリが危ない目に遭う危険性もあるんだから!」


心配そうに見るジロとクロに私は首を横に振る。


「大丈夫!それに何かあったら助けてくれるんでしょ?二人とも」

「もちろん」

「まあな」


そして三人で音がするという方へ向かって走り出した。私も肉体強化をつかって何とかついていく。きっと二人は加減してるんだろうな。ジロなんてたまに後ろ向きで私を見ながら走っている。それでもついていくのがやっとの私。二人は余裕ありすぎやばい。


「にぎゃー!はなれないいにゃー!」

「くっ!姫様!このっ!」


穴に片足を突っ込んでにゃーにゃ―騒いでいる女性とそれを助けようと引っ張っている男性。その頭にはふわふわした耳、背中にはしっぽが生えていた。これは……獣人さん?そう思った時には、向こうもこちらに気が付いた。


「にゃ!助けてにゃー!捕まったのニャー!蜘蛛にゃ!蜘蛛が居るのにゃ!お腹をジュルジュル吸われて食べられちゃうにゃ!!」

「そ、そこの方!もしよろしければ、助力を!」


ジロがこちらを向いて「どうるすの?」というので「助けてあげて」と伝えると、軽い炎が蜘蛛の糸を溶かしその女性の足が抜ける。そして二人はこちらに駆けてきて……土下座していた。


「ありがとなのにゃ!このご恩は忘れちゃうので3日ぐらいで返したいのにゃ!まずはここから移動するといいのにゃ!これで少し恩を返したと思うにゃ?」

「そ、そうです!ここらにはきっと大きな蜘蛛がいるはず!あのような粘着力のある蜘蛛の糸……相当な大きさと思われます!そのことでどうかご勘弁を……ん?いや何で獣人が魔法を???」


私は漫才か何かを見ている気持ちになりながら首を傾げる男性の獣人を見ていた。


「蜘蛛の心配なら大丈夫かな?あと……この子たちは獣人とはちょっと違うかな?」

「どゆことにゃ?」


獣人の二人が困惑しているようだった。


「その罠しかけたのこっちのクロだから……」

「ああ、俺だ」


クロが少し前に出ると、獣人二人はザッと後ろに飛びのいた。ぷるぷる震えながらこちらを窺っている。


「だ、大丈夫だから。敵意がないなら何もしないし……」

「そうだよ。でもマリ姉ちゃんに何かするなら許さないけどね!」


折角私が優しく伝えたのにレオが後ろから威嚇している。


「後ろの方々は……本当に獣人族ではないのですか?」

「ああ、魔物だな」


男性の方の獣人からの質問にクロが素直に返していた。……が、魔物と言われてもといった様子で理解できていないようだった。


「とりあえず自己紹介でもします?私はマリアント。マリで良いです。一応人間?だよね?私人間だよね?」


何故か若干不安になってしまった私はジロたちに確認する。ジロたちは何を言ってるのか?といった様子で首を傾げる。

そして獣人の二人は怯えながらもこちらを確認して「よろしくにゃ」「よろしくおねがいします」と頭を下げた二人。


「私はニャルメス・マールス。ニャルスでいいにゃ!」

「私はニャイダル・ソール。ニャルス様の従僕です。ニャイダとお呼びください」


猫の獣人さんかな?と思いながら見ているとおもむろにジロが服を脱ぎ、狼の姿に戻る。


『ジロ。狼だ』


それに倣ってクロも戻る。そして自己紹介をしようとしたら二人が「きゃん!」と変な悲鳴を上げたと思ったらさらに遠くまで飛びのいた。


『クロ、だ……そんな逃げんでも、なんもしねーよ』


そしてレオが元の姿に戻り……

自己紹介をする前に二人が駆け寄ってきて地面に頭をこすり付けた。


「白虎様ぁ!お会いにできなすって幸せにてございますですにゃにゃっ!」

「お目通りが叶い光栄にございます!」


突然の二人の態度にレオが口を開けたまま無言になった。


『マリ姉ちゃんこれどうしたらいいかな?』

「い、いいんじゃない?なんだか敬ってるみたいだし……」

『まあいいか。僕はレオ。そっちが何もしないなら僕も何もしない。それだけ分かってればいいよ』


その言葉に獣人の二人はお礼を言いながらさらに頭をこすり付けていた。


「とりあえずモモさん達も心配するだろうし、戻らない?」

「そうだね」


人型に戻ったジロが服を着ながらそう言うので洞窟へと戻る。ニャルスとニャイダもレオの後ろを付いて歩き出す。その目はきらきらと輝いているように見えた。

洞窟へ戻るとコガネさんやモモさん達に簡単に二人を紹介する。


「改めて、私はニャイダ。こちらはニャルメス・マールス様、ニャルス様はディアーナ獣王国の第一皇女様です」

「そうにゃ!パパは国王レレオ・マールスで子供は私一人しかいないのにゃ!ニャイダが私の下僕にゃ!」

「従僕ですよ……姫……」


なんか厄介事の匂いがする。私は二人の紹介を聞いてそう思った。


「で、そんな姫がどうしてこんなところに?」

「それなのですが……」


コガネさんの言葉にニャイダが中心に説明を始めた。正直あまり聞きたくない……

お読みいただきありがとうございます。明日は12時、17時と2回更新となります。

期待してる! もっと読みたい! 読んでやってもいいよ!

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