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「そうか……父上は魔の森攻略には赴かんのか……」


王城にある自室で、部下から父である国王の意向を報告された皇太子、グリーンヒル・レイドックは考える。


婚約者であるロズエリアからすでに聞いていた獣人の超人的な力。魔法を封じられてもなおアッサムの私兵も蹴散らしているという圧倒的な力。それを手に入れれば、有史以来の死の森を攻略という快挙……それをなせる力だと確信した。

そもそもがその死の森で悠々自適に生活していうのだ。森の中の魔物ごときに負けるわけはないのだ。結局侯爵どもは無下に扱おうとしたから酷い目に合う。この国のため、民のため、そういって説き伏せるのが良いだろう。

どうやってそれを実現するか……レイドックは己の持てる力を駆使して、取り入る道筋をひたすら考えていた。


「レイドック様~先ほどから難しい顔をしておられますが、私が来た時ぐらいは私だけを見てほしいのです~」

「ああ、そうだな」


目の前で媚びているのは婚約者であるロズエリアであった。短く返した言葉ではあるが、正直相手するのが面倒になってくる。なんて低能な女……侯爵家という親の地位がなければ、妃に迎えるなんて到底考えられないバカ女。

この女の妹は、すでに私が欲している強き力を手中に収めている。なんとかこの女を利用できないものか……聞けば先の訪問で醜態をさらし決別していると聞く。まったく役立たずな……まあいい。いずれ子を産ませて放逐したらいいだろう。

それともこの女への恨みがあるのであれば、それを晴ら機会を与えるエサにしてやろうか?まあそれは向こうの出方次第だ。


そうだ!その妹にも私の子を、いずれ王になれる血筋を与えれば……おまけで強い力も手に入るではないか!そう思いついた時には、心が晴れやかになり、今ならこの目の前の女でも愛せる気がする。

こいつを妾としておいて、妹と共に扱き使ってやれば良いおもちゃになるかもな。


良し!まずは手紙でも書こう。地位も名誉も金も……良い条件を付けて迎え入れよう。敢えて皇太子という地位を出した後にへりくだってやればいいだろう。それだけ大事にしてやる!そう思わせればいいんだ。


それだけで圧倒的武力が手に入る!やってみせよう!皇太子の名に懸けて!

そう思いながら目当ての力を手に入れるため、部下を呼び指示をとばすレイドックであった。


そばにいるロズエリアが、妹マリアントの名を聞くたびに悔しそうに歯噛みしていることは、ロズエリアのことを見向きもしなかった皇太子には、知りえぬ事実であった。


◆◇◆◇◆


僕はジロ。今12才。前世ではマリ姉を守り切れず死んでしまった。

でもすぐにこの世界に生まれることができた。マリ姉もこの世界に一緒に転生してきたことをなんとなく理解できた。少しだけれどマリ姉の気配を今でも感じることができていたから。


最初は非力だったけれど群れには今の自分の親もいた。前世は犬だった自分だが、どうやら今回は狼と呼ばれる種類になっていたことを理解したのは3年ぐらい過ぎたときだろうか?顔つきが全然違うって思い出したからね。

前世の朧気だった部分もしっかりと思い出すことができた。

マリ姉とそしてその家族と暮らす日々。散歩に出かけると綺麗に整頓されている街並みに、美味しいお肉をくれるお店、マリ姉が美味しそうに食べ物を買うお店。そして僕のことを色々いじくりまわして痛いことする変な匂いのするお店。

お家の中ではいつも暖かくてすぐに眠くなっちゃう。でも黒い窓の中の景色はいつまで見てても飽きない。綺麗な風景や美味しそうな食べ物。面白いことをいう人にその人を叩いてるひと。それを笑ってみているちょっと怖い人。


今でもたまに思い出して楽しい気分になっちゃう。


そんな僕も成長するにつれて群れの仲間から色々なことを教えてもらった。

僕も必死に狩りの仕方を教えてもらい、一人前に戦えるようになったら群れから出ることになった。お嫁さん候補の5匹を連れて今の洞窟を発見して拠点とした。もちろん5匹のどの娘とも一緒になる気はなかった。

だって、僕のお嫁さんはマリ姉だけだから……


最初は普通に食べていたお肉も、記憶を完全に取り戻してからはあまりおいしくなくて、試行錯誤してみた。血を抜いてから覚えたての炎魔法であぶってみたら最高に美味しくなった。前世で食べていたドッグフードよりも美味しかった。

森の中では大きな蜘蛛とも仲良くなった。同じように念話で話ができたのでたまに会って綺麗な布をもらったりしていた。収納魔法を覚えたのもそのぐらいだったかな?さらに狐の夫婦と白虎にも会った。それなりに仲良くやれそうだと思った。


そんなある日、なんとなくあの街が気になりたまに近くまで行っていた。そこはマリ姉の気配が少しだけ強く感じる場所だった。でも街の方に行くと人間が攻撃してくるから行かない方が良いと狐の夫婦も言っていた。

それでも何度もその場へいっては行き帰りで他の獣を狩っては洞窟で食べる生活。他のメスも一生懸命お肉を採ってきてくれた。僕は毎日しっかりとお肉を取って力を蓄えより強くなることを求めた。

今度こそ大切なマリ姉を守れるように……


そしてあの日、また街の近くまで行った時、マリ姉の気配が大きくなるのを全身で感じた。とても不安で泣きたくなる感じ。気づけば僕は全速力でその気配を感じる場所へと駆けていった。今行くよマリ姉。


今度こそ……僕が守るよ……

お読みいただきありがとうございます。明日も17時更新となります。

期待してる! もっと読みたい! 読んでやってもいいよ!

そんな方は下の☆☆☆☆☆を押してい頂けると嬉しいです!

もちろんブクマやコメント、レビューなどもいただけると飛び上がって喜びます。

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