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最後に評価など頂けれは嬉しいです。


ふわふわとした浮遊感に包まれながら寝ている私。

ぼーっとした意識の中、みんなのことを思い出す。何がどうなったんだっけ?なんたらっていう貴族が来て……そしてみんなが黒いオーラを纏ってて……いやぞれは私がやったことか。それで……

そして私の体から黒いオーラが噴き出して私を覆う。周りが見えなくない。いや元から何もない空間にいたはず?いや違う。近くにはジロがいる。クロも、コガネさんもモモさんも。レオもダイもユズもいる。

ジロの仲間の5匹の狼は無事だったのだろうか?無事逃げることができたのかな?あれ?どうなったんだっけ?みんなが赤い目をして……あっ!だめ!


私は周りに現れたみんながあの貴族に襲い掛かる光景をみて止めようと手を伸ばした……


「あっ!」


目の前には、ジロとレオの顔があった。


「マリ姉!」

「マリ姉ちゃん!」


私はどうやら寝ていたようで、上半身を起こして右手を前に突き出している。その空を切った手を恥ずかしくなってそっとひっこめた。


「マリ姉、大丈夫?」

「うっうん。それよりみんなは大丈夫だった?ケガとかしてない?ごめんね迷惑かけて……」


思ったことを全部口にする。


「みんな大丈夫だよ!でもマリ姉はほんとに大丈夫?もう2日も目を覚まさなかったから……」

「えっ?そんなに?でもまあ私は元気みたいよ。でもみんな無事だったんだね。良かった……」


そしてほっとした時、私の正直なお腹が『ぐぅ』と食事を要求してしまった。恥ずかしくてうつむいた。


「お腹すいたよね!これ食べてて!あとみんな呼んでくるね!レオはマリ姉みてて!」

「うんわかった!」


ジロは収納から果物が入った篭をとりだし、走って洞窟の入り口の方へ行ってしまった。レオは私の横に座り、腕を搦めてなにやらフフフンと歌っている。


「レオにもいっぱい心配かけちゃったね」


そう言ってなでると嬉しそうに笑顔で頬を染めていた。


「そうだ!みんなね、なんかパワーアップしたみだいだよ!僕も魔法の威力がすごく上がってた!」

「そ、そうなんだ」


私のあの力でパワーアップしちゃった影響かな?そう考えると少し心配になる。そんなことを考えていると、少しの足音とガヤガヤした話し声が聞こえ、ジロと一緒に、他のみんなもこちらに向かってきていた。

そしてモモさんがジロを追い抜きこちらへ飛んできた。


「わっ!ちょっ……」


押し倒された私はびっくりしてつぶった目を開けると、そこには涙を流すモモさんの顔があった。


「マリネエ……すまなかったの……ワチらだけでは守れんやった……」

「モモさん……」


私はモモさんを強く抱きしめた。だめだ、泣きそう。


「モモさんもありがとう。ケガはない?」


落ち着いた私はモモさんの胸に顔をうずめながら思いを伝えると「大丈夫じゃ」と小さく返事が返ってきた。私も「よかった」と自然と声に出ていた。

暫くその温かさと柔らかさを堪能すると、モモさんから手を離して今どんな状況になっているかを確認した。


幸い、みんなはケガ一つなく、というかケガしたところは全て回復したということだった。私の黒いオーラに包まれてからみんな我を忘れた感覚になって、でもうっすらと覚えているような、そんな感じだったらしい。

それぞれは「だめ」と口にした私の言葉にいつもの意識が回復し、そして後でケガが全部治っていることにも気が付いたらしい。私はホッとしたのと同時に、あの力は使わない方が良いと思うことをみんなに話してみた。


「でもいざという時にはいいんじゃない?マリ姉がケガするよりずっといい」

「でも次があれば、今度はワラワが全力で守るから大丈夫じゃ!」


ジロは明るい笑顔で、モモさんはまだ赤い頬を笑顔に変えて、応えてくれた。


「さっきも言ったけど僕もすごく強くなったから!大丈夫だよ!」


レオは鼻息が聞こえてきそうだ。


「でもいざって時に使えるかどうか調べるのもいいんじゃねーか?」

「うむ。そうだの」


クロとコガネさんが言った言葉に納得してしまう自分がいる。でもどうやったら使えるのだろうか?あの時は本当に不安で暗い気持ちの中、みんなを守りたいという気持ちが強かった。そして再び自己主張するお腹。

私はまだ手付かずだった篭からリンゴのようなものを取ると齧り付いた。恥ずかしい。


「まずはお腹を満たしてからだね。色々やってみようねマリ姉」

「そうだ。その間に話しておこうか」


私は、次々と篭の果物を胃に流し込みながら、ジロたちの説明を聞いていた。

この数日で、クロたちはどの洞窟の周りに罠を仕掛けていたという。レオが深い穴を掘ってクロが粘着力のある糸でそこをふさぎ、そして葉っぱで隠すという罠。そんなのを周りを取り囲むように作ってあるという。

あとは人が通ってクロの糸が切れると、モモさんの茨の木がばちーんとなる罠もあるらしい。なにそれ怖い。


その話にモモさんはフフンとのけぞっていた。「あのしなりを調整するには苦労したのじゃ」と……

そしてあの力と並行して私も魔法の訓練をした方が良いとも言っていた。たしかにスキルとは別に魔法は練習したらできるようになるらしいけど……はたして私にできるだろうか?不安は募る。


とりあえず2~3日は無理をせずに安静に、と言いつつ、モモさんが体内にある魔力の感じ方、動かし方を説明してくれたのでしばらくはそれをうまく操れるようにしようと決意した。

無理はするなと釘は刺されたけどね。

お読みいただきありがとうございます。明日も17時更新となります。

期待してる! もっと読みたい! 読んでやってもいいよ!

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