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【完結】忌み子だった侯爵家の『捨てら令嬢』は謎スキル『もふり』で獣に『攫わ令嬢』に  作者: 安ころもっち
マリの日常編

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ご覧いただきありがとうございます。

最後に評価など頂けれは嬉しいです。


◆ 編み物始めました


お腹が大きくなってきて安静を言い渡された私は暇を持て余していた。


今日も昼食食べ終わると最近始めた編み物を続けた。当然先生はクロである。必死でその教えに従い毛糸を手作りの木の棒針を操り編みまくる。高級品だという長毛な羊種からとれる極細の糸……

最初はクロに出してもらった糸を使った。だがその繊細な糸は私に扱うことは不可能だった。クロだからこそあんなに自由に素早くあっという間に極上の布へと変化させられるのだろう。

それを証拠に彼の作り出した製品はどれも高値で取引されている。今や私達の中で一番の富豪は彼であろう。


余談だがそんなクロはいつの間にか番ができていた。

紹介された奥さんもうっとりするような毛並みをしていた。もうクロと出会ったあの頃のようにその姿で気絶することなどない。逆にその毛を必死でモフって堪能するまでになった。

当然その翌日には美麗な女性へと変わっていったのだが、それはそれでクロは喜んでくれていた。これでもこいつも強くなれると……魔物の判断基準はやはり強さなのか。


それはさておき、すでに3か月は頑張っている私はそれなりに綺麗な布を編み込むことに成功している。何十枚も生み出したその成果は、今は床を拭いたり靴の汚れを払ったりすることに使われている。

いや普段から使ってる布がクロ作だからね……逆に使ってもらわないと貯まる一方だから……


でも子供が大きくなるぐらいには、クロに近い質を作れるようになって、子供たちにママの作ったハンカチで顔を拭いてほしい……今のところ「ママのはゴワゴワしてる!」と言われる未来しか見えないのが悲しい。


幸い、比較的うまくいった最新作はジロとかレオとかエンとかユキが大事に使ってくれている。他の人にも渡したが、まるで子供が何かの記念日に一生懸命作った何かを渡された時のような微妙に温かい笑顔を向けられることになった。

全員大事にしまってあるのだとか。それ以来、プレゼントではなく適当に使ってと雑巾代わりに使われることを前提に作っていった。いつの日かを夢見て日々努力を続けていく。


クロはそんな私を厳しくも温かく指導してくれている。

「そこは違う。そこと、ここと、そこ。それとここを押えながら……」

いや私の手は二本なので無理です。


考えてみたらクロも人化してても作れるのになんでそんな……と思ったのだが、クロクラスになると空中に浮かんでいる間に全て編み終わっているから押さえる必要はないのだとか……もう普通の人間には無理なんだと思う。


その話を聞いてから、ゆっくりだけど自分なりの最高を目指そう。少しだけ心が軽くなった気がした。

そんな毎日を送りながら、日増しに大きくなっているお腹を抱え、毎日を楽しんでいた。つわりなど一切ないのは火竜様の加護のおかげなのかもしれない。子供をつれていつかまた会いに行きたい気もするが……

子供達にも長時間の遊びを強要されたら、と思うとまあ大分先で良いかな?と思った。


◆ う、うまれるー!


私は今、痛むお腹を抱えている。


「いたっ!いたーい!いたたたっ、ジロー痛いよー」

「マリ姉!どうしようモモ!マリ姉が死んじゃう!そうだ肉!お肉を食べれば回復するかも!」

「えーい!もう外で待っておれ!まったくオスは邪魔にしかならん!マリネエもマリネエじゃ!こんなの邪神の一撃に比べたらなんということもないじゃろ!」

「そんなこと言ったってー!」

私は痛むお腹をさする。そして狼狽えていたジロは不安な顔をしながら部屋の外へと出ていった。


この日のために色々情報を調べてくれたモモさんに全てを委ねながら、迫りくる腹痛に耐えていた。言いようのない痛み。回復魔法を使っても、白いオーラで自らを包んでも全く治まらない……


「ほれ!しっかり腹に力を入れい!もうちょっとじゃ!」

「んんんんん!」

私は出すもん出したらスッキリするのだと頑張った。本当に色々なものが出ちゃって困ると思いながらも踏ん張った。なんだがメリメリとこじ開けられるような痛みに耐え、そして急にスッと痛みが消える。


あまりに急な喪失感に、赤ちゃんがいなくなっちゃった!と思い下を向く。ああ!いる!そこにいる!私はモモさんが大事そうに抱えるまだ小さなしわくちゃな赤ちゃんを見ながら、止まらない涙を流し続け安堵した。

そしてまた激しい腹痛に見舞われる!そうだ!双子だった!忘れてた痛みに体を震わせての第二ラウンド……私は力尽きる寸前になっていたが、どうやら無事生き残ったようだ。


二度目の股下の喪失感を感じ、安堵して眠りに落ちようとする私に、モモさんから双子を手渡された……もう、死んでもいい。二人とも元気に泣いている。壊れないように大事に大事に抱きしめる。

そして私はそこで眠りについた。


そして目を覚まし、飛び起きた。


すでに私は疲労感もなく元気いっぱいになった体で誰もいなくなった部屋を飛び出した。

そして部屋の外には、集まっているみんなに囲まれている私の赤ちゃ「ぎゃっ!」


私はモモさんにタックルのような勢いで抱き上げられて部屋へと押し戻された。


「なんて格好で出てきておるのだ!ワラワなら気にせんのだがマリネエは後悔するのであろう!」

「へ?」

言われて気づく。私は今、裸に白い肌気を一枚羽織っているだけ……しかも前ははだけて全て丸見えな恰好で……みんなの前へと躍り出たのだ……


私は声にならない悲鳴を上げながらモモさんへと抱き着いた。


そんなこともあったが、あれから子供達もすくすく成長し、楽しい日々を送っている。


私は今、この世界で幸せを感じて生きている!

私の、私たちの物語はこれからだ!

この後、最後のお話。

最後だけは手動でUPさせて頂きます。次作の宣伝をちょっとだけ絡めた2年後のお話です。お楽しみいただければ幸いです。


評価、ブクマやコメント、レビューなどもいただけると飛び上がって喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。

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