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ご覧いただきありがとうございます。本日より最終『マリの日常編』となります。
最後に評価など頂けれは嬉しいです。
女神の空間から戻った私は目を開く……
「おおマリネエ!目が覚めたかの?」
目の前には……大きなモモ越しに見えるモモさんの顔……心配そうに私をのぞき込んでいる。
「みんなは無事?」
私は体を起こしながらみんなの無事を確認しようと頭を上げたのだが、ズキズキと頭が痛み思わず顔をゆがめる。
「これ、あまり無理をするでない!みんな無事じゃ安心せい」
モモさんの言葉に安堵して再び起こしていた体をモモさんにゆだねる。どうやら私はモモさんに膝枕をされていたようだ。再度感じる後頭部の心地よい感触。そして私のお腹に添えられるモモさんの優しい手のひら……
すごく心地よいです。もう一回寝ていいですか?
私は疲れた体を休めるためにもう一度目をつぶった。
「んがっ」
そんな私の鼻はつままれ、無様にも声をあげた私はもう一度目を開けた。
「おはようございますモモさん」
私は鼻をつままれたままの可笑しな声で、忘れていた朝の挨拶を発した。
「うむ。そろそろゆっくりと起きるが良い。……とは言っても、もう夕方じゃがな」
「うぇ?」
私はモモさんの言葉に変な声を発しながら再び体を起こした。今度は頭痛はしなかったのでさっきのは本当にいきなり起きたせいなのだろう。でもゆっくり体を慣らしておかなきゃね。
「もうそんな時間なんだね。でもみんなが無事なら良かった」
起き上がった時に感じたモモさんのモモの感触が残る頬をそっと撫でながら、私はホッと胸をなでおろす。
「うむ。あの邪神、ケロスじゃったか?あれが消えた後、そのままマリネエは目を覚まさなんだ。と言ってもワラワも気を失っておったからの。アッシュールに聞いたのじゃが……」
「また、アトちゃんのところに呼ばれてたんだよね」
「うむ。そうだったのじゃな」
私の言葉に何やら考えながら私を抱きしめ直すモモさん。
「ではもう決着はついた、と言うことで良いのじゃな?」
「そうみたい。あとあのケデス?それと中にいたあの男の人も一緒に……結局アトちゃんの従者として修行をするんだって」
「なるほどの……」
私はモモさんの肌に安心しながらも、何時までもこうしてはいられない、と一度大きく息を吐きやっと起きることを決意した。
「よし!じゃあ起きなきゃね。お腹もすいたし」
そう言った途端にグーとお腹が返事をした。レスポンス早いよね君。
「そのようじゃな。じゃが無理はするでないぞ」
そう言いながら、私を立たせてくれるモモさんと手をつなぎ小屋の外に出る。
すでに戦闘の痕跡はない……というか綺麗に整備され、さらに広くなった敷地に食事の用意、というより宴会でもやるかの如く大きなテーブルや椅子、それとあれは多分石窯?ビザでも焼くのかな?なんか色々豪華になってるよね。
戦闘の痕跡ぐらいはみんなで、というかレオがちゃちゃっと直しちゃうかな?って思ってたけど予想外に戦闘でなぎ倒された木々の分、広げられたスペースに色々増えている設備?
見知らぬ小屋もいくつか建っている。これはひとつひとつ検証が必要かもしれない。
そしてもう一つ。今回の戦いで多分みんなパワーアップしたんだろうということも思い出す。みんな激しいバトルの後はいつもパワーアップしてたからね。どこぞの戦闘民族かな?
手始めに隣にいるモモさんに「じゃあ失礼して……」と声をかけ覗き視る。
なるほどね。15尾……ってことは、私はモモさんのしっぽを確認する。6本の尾の先が分かれている。すごいよね。このまま全部の尾が分かれたら次はどうなるんだろう?3つに分かれるのかな?
そんなことを考えながら周りを見渡すと、遠くでユキと遊んでいるダイとユズが見えた。なるほどなるほど。二人とも5尾から7尾になっている。成長したね……私絶対敵わなくなっちゃった奴だ。
そしてコガネさんも発見したので迷わず視ると……18!18尾きた!
「モモさん!コガネさんが遂に18尾に!これは、これはマックスと言っていいですか!それともさらに分かれちゃうんですか?」
「また可笑しなテンションになりおって……じゃがあれ以上はワラワも分からん。そもそもが9尾以降についても言い伝えで聞いた程度じゃからな……じゃがまあ……もしかしたらまだその先もあるやもしれるのう」
私は今、伝説の一部を垣間見ているのかもしれない!そう思ってフンスと鼻息を荒くしていた。
そして感じる嫌な予感……
「お姉様ーーーー!」
「させるかー!」
いつかの様にユキの声と『ドドド』という勢いのある足音を聞いた私は、即座に身構え全身全霊で肉体強化を発動して衝撃に備えた。そして突っ込んでくるユキを確認し……
「がはっ!」
私はトラックか何かに撥ねられたような衝撃を受けて宙を舞った。
その後、「ぐえっ」という無様な声を上げながら落下した私だったがあまりダメージは受けていないようだった。肉体強化のレベルアップを感じる。そして起き上がった私の視界には頭を両手で抑えてうずくまっているユキが見えた。
恐らく隣に立ちユキを睨んでいるモモさんにゲンコツでも落とされたのだろう。まあ、自業自得ということで。ユキはもう少し成長してほしいのだけど……
ケガはないなと自分の体を確かめながら立ち上がり、そんなユキたちを見ていた私は背後からふわりと優しく抱きしめられる。
突然のことに心臓が跳ねる。大好きなジロの匂いがする。
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