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054-シミュレーション・バトル

あと三話ほどで本章は終わります。

『戦闘シミュレーション構築』

『相手からの対戦申請が届いています』


CVLシステムの声が響き、周囲の様子がまた変化していく。

古い時代のポリゴンのようなデザインの闘技場へと変わっていく。


「クラヴィス、警戒しろよ」

「勿論です」


目の前に立つ、クロノスの2Pカラー....じゃなくて偽物は、沈黙している。

まるで、こちらの様子を窺うように。


「どうしますか?」

「そりゃもちろん......倒すしかないだろ」


クロノスの声が、直に聞こえる。

一緒にいる。

だったら、躊躇する必要なんかない。


「では、私も――――戦います」

「よし来た!」


クロノスが動く。

同時に、偽クロノスも動き出す。


「背面ミサイル発射!」

「おう!」


視界の端をミサイルが通過すると同時に、向こうもミサイルを放つ。

全く同じ軌道で飛んだミサイルは、互いに衝突しあって消滅する。


「なんでだ!?」

「.......ミサイルの軌道が全く同じです、理由は不明」

「どうすりゃいいんだ!?」


と言われても、こちらにもどうすべきかは全くわからない。


「クロノス、集中モードでライフルを!」

「おう!」


ほぼ同時に、向こうがライフルを構えたのが見えた。

射撃音が一回だけ響く。


「! 今度は射線が同じです!」

「......くっそ!」


クロノスがスラスターを噴き出して移動を試みるが、向こうは同じ動きでしっかり付いてくる。


「........まさか、私たちの統計データをもとに動いているのでしょうか?」


関節制御の角度から、スラスターの想定出力までほぼこちらの把握している最頻値と同じだ。

こちらに勝てないのなら、CVLシステムの「ルール」を逆手にとってこちらのコピーを使って逆転しようという気なのだろう。


「クロノス、好きに戦っていいですよ」


なら、クロノスに任せる。

クロノスも軽率なようでいて、こちらと同じ慎重派でもある。


「おう、任せとけ」

「危ない時はサポートします」


最初の訓練の時と一緒だ。

クロノスが動いて、私がサポートする。


「行くぜ行くぜ!」


クロノスはジグザグに動きつつ偽クロノスに接近する。

偽クロノスのライフル射撃は正確だが、CVLシステムによってこの空間はまるで前世のFPSゲームのようなルールに支配されている。

クロノスに対して致命傷になることはない。


「機人平等パンチ!」

「! 斬撃来ます!」


クロノスは拳を振りかぶるが、同時に偽クロノスが剣を抜き放つ。

私の警告を聞いてクロノスは拳を開き、偽クロノスを突き飛ばして反動で後ろに跳ぶ。

空中で体勢を立て直し、スラスターを散発的に噴射して着地した。


「プラズマキャノン、チャージ!」

「ミサイル展開!」


クロノスが左腕のプラズマキャノンを、私がクロノスの背面のミサイル発射口を開く。

私はミサイルを一度に放つのではなく、まず一発、それから2.22秒空けて一発、5.05秒、1.32秒、9.2秒、3.1秒と発射する。

偽クロノスはランダムな発射間隔に戸惑いつつも、投射されたミサイルを正確に撃墜する。

そのせいで、クロノスのプラズマキャノンの発射形態に気付けなかった。


「プラズマ連発だ!」


クロノスはプラズマキャノンから低出力の射撃を数度にわたって放出し、偽クロノスに数発当てる。

偽クロノスはそれに一瞬挙動不審になった直後、盾を構えてプラズマ弾を受け止める。


「クラヴィス、次で終わらせるぞ!」

「ええ!」


クロノスはとある武器を構える。

それは、私の知識によればミストレーザーというものに近かった。


「好きな武器を使えるんだ、思いっきりやらねえとな!」

「.....程々に。互いのデータベースに齟齬がありますから」

「....あいよ」


私の忠告に、クロノスは気落ちしたようにそう言ったのだった。


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