4ー18 世界竜の力
「それで二人とも何の用だい?」
「あの、私たち二人も戦えるようになりたいんです」
「...うーん。そうだな、それを僕に言われるのは違うけど、うん。分かった、やろう」
どうやらこの、ルリアと、ヨルが力を付けたいって言って僕に言って来るんだけど、正直言って僕の力は大きい物を動かしたり、大規模な効果があるだけで、局所的な強さは無いんだよね。それこそ空じゃないから。
だとしてもこんな真剣な顔をされたらやっぱりあれを教えようかな。出来るか分からないけど、空が機械竜にいた時の記憶を探るとおそらく同じような術式で武具を使ってる見たいだから出来るかもしれない。ただ、これを使うのにはリスクがあるので先にそれを説明しないとね。
「これから教えるのは、僕の主な攻撃方法だ。それの副次的な効果を与えることが出来るけど」
この二人の戦闘スタイルを知らないとどうとも言えないな。おそらくヨルは魔力が使えないことから考えると身体能力に割り切った能力とか。ルリアだったら、魔法を使えたり、刀を使ったり出来る見たいだからどっちも近接よりだけど、ルリアの方が魔剣士っぽいね。反対にヨルは竜人族の力を組み合わせて戦うけど、刀が主軸のスタイル。
「それじゃあ二人には、一度あの状態になってもらいます」
「分かった!」
「分かりました」
そう言うと、二人が変身?いや変身ではないか。とにかく服装が変わると、日式と、虚式の状態になった。おそらくだけど今はこっちの状態でないと二人時使えないかなと思うから。直接戦闘に関わるかと言われると違うけど。
「覚えてもらうのは鑑定です」
「何が出来るの?!」
「相手の強さが分かるとかですか?」
「うん、概ね合ってるけどちょっと違う」
試しに権能を使ってみようかな。最近は誰にも見せてなかったけど、これは本当に単純で、相手の『弱点』が分かる。自分の強さ、環境、立地、場所全く関係なく、相手を倒すための方法が見える。それを突けばほぼ大体の敵には勝てるっていう物だけど、これはそう単純じゃないからね。
「剣&杖」
守がそう言うと、守のの手には、黒い剣がそこにはあった。黒い刀身に、鍔のところには幾何学的な模様が施されていた。刀身からは魔力が流れ出ているのが分かるほどだった。魔力が物質化すると、九つの球体が現れると守の背中にそれらが守を中心に周り始める。
「うん、取り敢えず、教えたいけど最初に戦っておこうか、最近戦ってないから腕が鈍らないようにね」
「分かった!」
「分かりました」
そう言うと、二人は、両方とも刀を抜くと、僕と同じように『剣&杖』を起動する。そして、それで戦闘態勢に入ると、僕はそれぞれの星を交差させたりなるべくこれがなんなのか教えず戦って行く。権能が関わって来るから心配だけど、唯一魔力がいらない物だからなんとか覚えて欲しい。
戦ってかつことも大事だけど、一番は自分が怪我をしないこと、って、これは毎回家族のみんなにも言ってることだな。
「それじゃあやろうか」
「「はい!!」」
そう言うと真っ先にやって来たのは、ヨルだった。流石身体能力が高いだけあって一瞬で間合いを詰めて来た。だけど、早いだけで制御できてないと、力のゴリ押しでやっちゃうと高い技術力を持ってる人に簡単に負けてしまうから注意。
そして、その間に、ルリアちゃんが、火魔法で支援すると、それを剣で掻き消すと、驚いた顔をしながら、次に動揺した瞬間に僕は剣を軸に背後に回る。それをヨルちゃんが動きを魔道王シリーズのレプリカの能力で止めようとして来るけど、一蹴する。
「うん、これくらいなら本気で来ていいよ」
「ん!?ムカついた!ヨルお姉ちゃんやるよ!」
「うん、今の言葉後悔させてやる」
ちょっとだけ待ってみようかな、もう『解析』も済んでるし、あとは僕も術式を練って一応の対策と、隙を開けておこうか。
「日式・紅蓮閻魔!!」
「虚式・死地魔垰!!」
地面を燃え尽くすような威力の魔法を使用しようとしてるのか。うん、これくらいなら上に飛ばせば問題無いね。それに、僕は大雑把なところあるからこれぐらいかな?
「上に上がれ!」
そう言うと、黒い爆発しながら舞う炎と、暗い闇色の剣技が全て上に打ち上げられると、二人は口を開けたまま立ちすくんでいた。
「え?今片手で弾いた?!」
「...つ、強すぎる」
「...あ、ごめん、教えようと思ってたことやるの忘れてた」
「え、そう言う問題じゃない」
そう言う問題じゃないって、さっきの全力の攻撃を片手で払い退けたことだよね?いつも弟たちに言われてることじゃないよね。うん、絶対そうだ。
それにしたって、これで弾けるけど、実際は竜燐を使ってるから、かなり凄い部類だと思う。王魔との戦いでも、二人でなら一体はいけるんんじゃないかな?
「うん、やっぱり二人には別々の技を覚えてもらいます」
「ルリアには解析を、ヨルには脈動を覚えてもらいます」
解析の簡単な説明をすると、数値化された何かが出るような物じゃなくて、直感的に相手の隙だったり、それが罠だったり、致命的な一撃を浴びせるタイミングが分かる能力的なやつ。
脈動は、この星にいるなら使えるんだけど、足元から星のエネルギーを身体に纏わせて、シンプルに攻撃力や防御力を上げるって言う、厳密には違うけど。
ルリアちゃんは、割と直感的な動きが見られたから、解析を使えば、今の手札でどうやれば格上にも勝てるか分かるようになってる。それに、これは刀とも相性がいいし、他にも魔術だったり、魔法を使うにしても色々補助になる。
ヨルちゃんは、割と動きを考えてたり、魔力が編めない変わりに、身体能力の伸びがすごいから、竜化出来るようになれば、更に脈動を使って力を付けることが出来ると思う。
「覚えるのはいいけど、先に一発当てる!!」
「うん!!」
「...うん、ならもうちょっとやって見ようか」
二人が連携をもう一度取るんだろうなと思いながら、二人の動きを見ていると、二人とも刀を空に向かって掲げると、二人の背から太陽と月が現れ、一気に魔力が増大して行くのを感じる。二人の背からはルリアには、夏の太陽のように暑く、近くにいるだけで段々と焼けるような暑さを。ヨルからは月のように冷んやりとまるで冬の月のような冷気を発する。
これはひょっとして、あの魔導王が作ったんだろうなと内心思いながらも準備が出来るまで待っていると、ヨルが両腕両足を竜の状態にする。竜化させた部分からも魔力を感じると、少しだけ身構える。
少しの懐かしさを感じながら僕はこの子たちが成長したら楽しみだなと内心思っていた。
「日式・天照」
「虚式・月詠」
「さあ!こい!!」
そう言うと、二人は『怪我しないでね』と二人口を合わせて言うと、さっきまでの魔力が刀身に集まり、さらに身体能力も強化されて、機動力がさっきと違い格段に上がっていた。
二人はしかも、チームワークを無くして、隙があったらそこを狙うことを徹底していた。成長したルリアの刀術に驚きながらも、剣で弾き、距離を取ると、ヨルが翼で急旋回して、そのまま竜化した腕で殴って来ると、剣先で空気の膜を作るとヨルの身体を回転させると、今度はルリアの魔法が上から降って来る。
それをブレスで弾き飛ばすと、煙幕が出たタイミングで同時攻撃。それを考えてギリギリまで引きつけると、僕とヨルの位置を交代させて、ルリアの攻撃が向くようにして。
「え?」
ヨルの位置と僕の場所を変えると、二人の攻撃がぶつかる。その隙に二人に大岩をぶつけ続ける。すると、次第に岩に切り込みが入ると、斬撃が飛んで来る。それを横目に地脈から魔法を使う。
「世界魔法・世界弾」
地脈からのエネルギーを借り、その白色の球がルリアとヨルを襲う。二人とも盾を取り出して防いでいる。
「正面だけじゃないよ!!」
魔法を展開しながら進んで行くと、無差別の魔法攻撃が飛んで来ると、それを全て剣で弾いて行く。するとヨルが背後から刀を振る気配を感じると、上に飛び、着弾しながらも剣で刀を宙に上げる。
「ここだ!虚式・輪舞無化」
「おっと、これはマズイ」
空中に逃げようとすると、上からルリアの攻撃が来ると、剣を上に投げて剣自体にダメージを与えると、そのまま別の白い剣を取り出す。おそらく魔力の収束している予想からあれは魔法が使えないエリアになってるんだなと思いつつ、内心かなり魔導王の遺産をきちんと使いこなしてるなと思った。
「日式・閻魔玉!!」
どうやらその隙に合わせて完全に合わせて来たみたいだ。翼を広げて勢いを殺すとそのまま壁にぶつかると黒い剣を引き寄せると分裂させる。
「原初剣・ルイファンド」
剣の力で剣を分解すると、黒い剣が粒子状になり、9本の剣が出来ると、それを飛ばしてあらゆる魔法を切り裂く。そして、10本目の今手に持っている剣を振ると全方位から同時に剣での攻撃を浴びせる。
「ルリア!」
「お姉ちゃん前見て!!」
「ッ?!」
急に剣が分解したかと思って僕の剣を見ていてもしょうがないよ。さてとこれはどう動いているか分かるかな?
ヨルは片腕しかないのにも関わらず、全ての攻撃を耐える。だけど僕の本領はこっちなんだよね。
「この剣厄介過ぎる!」
「あの剣おそらくだけど二つタイプがある。自分で操作している時と、あの9本の剣が現れて剣を振った時に切りつけて来るときがある」
おっと、こんな早い段階でこれに気づくのか。素晴らしい観察眼だと思うけど、言っただろ?本気で来いって。
二人が一度集まった瞬間に地面に足を着くと、急に身体が地面からまるで吹き飛ばされたような形になる。僕は弟たちのように器用じゃないんだ。そう難しいことはしてないよ!
「ガハっ!」
「魔法?!」
やっぱり二人とも驚いてるみたいだね。まだ僕は簡単な魔法しか使ってないよ。それに忘れてもらっちゃいけないことがあるんじゃない?
「世界魔法・重力増加域」
「反転魔法・アース!」
すぐに術式を理解して対処して来るのはいいけど、そんなに付きっきりになってると足元を掬われるよ。
「お姉ちゃん!」
そう思って世界魔法を使うと、不可視の攻撃をその刀で切り裂く。それに内心こんなにも成長が早いのかと思いながら今度は分解を止めてヨルの下まで向かう。
「ここからは小細工無しで行こうかな?」
「それでお願いします!守さん!」
ちょっとこれ以上は周りに被害がデカ過ぎるから、やることは単純で行こう。世界結界でガチガチに固めておく。小細工は完全に無しだよ。
「竜眼解放!」
「おっと本気だね!」
竜化した状態で、更に意識的に竜眼を使うってことは反射能力と対処速度を上げて他のことにも目を付けるってことだよね。うん、正しいけど、これじゃあ王魔を倒せないよ。
眼光が変わったことを把握すると、僕はただ単純に道順に地面にあった砂をサラサラっとかけるだけでそれすら目に一瞬当て嵌まってしまう。目で追った瞬間に、遠隔操作している一本の剣でルリアの反転を解除させると、そのまま剣を振る動作をした状態で尻尾だ竜の状態にするとそのまま尻尾に持たせていた剣で喉元を狙う。
「竜眼は見え過ぎるからね。一瞬の隙でも見せたらダメだよ。ヨルは竜と人間の戦い方がなってない」
「...はい。参りました」
刀を地面に置き、虚式を解除すると、黒い羽衣が取れると、そのまま疲れたのか地面に倒れる。それを世界結界で完全に封印する。
すると、復活したのかルリアが魔法を再び浴びせて来るが、残った剣で全て完全に封じ込める。そして背後から魔法の衝撃で体勢を完全に崩す。遠隔操作型の剣で地面に打ち付ける。
「カハッ!」
「どうする?もう終わるかい?」
「..まだ、まだ、やれる!!」
そう言って刀に炎を纏わせてこちらに来て転移魔法で移動し、僕の背後に出るが、魔力の隠蔽がなってないのですぐに対処する。竜の翼だけで台風を生み出すとそれをルリアの魔法にぶつける。そして背後に回る。
「か、かい、り」
「ん?」
それを聞くと僕は瞬時にその空間から離れた。周囲の周りの魔力がまるで消えるようにしてその空間だけまるで何も存在していないかのようにそこだけ認識出来なくなる。すぐに『解析』と『鑑定』を使うと僕はニヤッと笑った。
「いや、これは嬉しい誤算かも」
台風が瞬間的に消されたとはいえ、指定空間だけ出来るのか。だけどやっぱり危険だね。全身血塗れで、かなり無理をしているのがすぐに分かった。
「うん。これでお試しは終わり。ちょっと待ってよ、すぐに回復させるから」
世界魔法を使って、『乖離』を使って、ダメージを『乖離』して、慎重に再生と回復を担う『代謝』を使う。完全に傷と体力が戻るのを確認すると僕は一度手を止める。
「思ってたより連携が取れてたけど、もう少し細かくしても良かったかもね」
「まあでも『乖離』を使えるようになったのは大きな収穫かな」
「たまたま出ただけ」
たまたまで使えるもんじゃないないんだけどねそれ。それに、若干だけど、魔力を持っていないヨルがやっぱり竜人族なこともあって相性がいいかもしれない。一つだけじゃバランス悪いね、それに二人とも素直だからすぐに覚えられるだろう。
「うん、ルリアには、『乖離』と『解析』で、ヨルは『脈動』と『掌握』かな。それ以外は難しそうだ」
「え?!まだあるの?!」
「片手で最大出力の力を軽く捻られただけで終わるの無理すぎる」
大丈夫だって、あの超不器用な僕の弟でもできたんだ。昔は誰よりも出来ないとか言ってた癖に人よりも何倍も努力して、ついに『乖離』は覚えてたな。おっと、これ以上考え過ぎると話しが脱線するので戻そう。
少しだけ説明を入れると、『乖離』、『分析』、『脈動』、『掌握』この中で僕が使ったのは『分析」、『掌握』だけだ。なんで二つしか使わないのとなるかもしれないけど、これに関しては全く理由はない。実力を見るだけなら今の彼女たちにはこれだけで充分だからだ。
まず、『乖離』これはかなり解釈的に考えると、なんでも切れる。空間ごと切れるのが問題だけど、普通の何にもない剣で切るより強い。『分析』と、『脈動』は説明を入れたから省く。
ここで僕が使っていたのが『掌握』。『掌握』は、さっき魔法を全部弾き返した時に使ってた物で、これも基本的にそれが自分のであると思ったら簡単に方向を曲げたり、戦況の把握、相手の大体の動きの察知なんかが簡単に出来る。
「守さん強過ぎる」
「うん、空の方はもっと多彩だったけど、こっちはシンプルって感じ」
「まあ、ということでこれから君たち二人、いや、今はいいか」
二人がキョトンとした表情でこっちを見て来ると『なんでもないよ』と笑顔で返して、早速二人にどうすれば習得させられるのか考えていた。
「取り敢えず今日はおしまい。ゆっくり休んで」
「うん、疲れたー」
「疲れたー全力出したの久しぶり」
二人が訓練場で寝そべっているのを横目に去ろうとすると、急に耳鳴りが聞こえる。一応世界魔法で作った結界の維持はしつつゆっくりと『解析』して行く。これは、もしかして別の世界からなのか。信号を受け取り、それを『鑑定』で理解する。
「座標と、これは、」
その瞬間に僕はすぐに世界魔法を使って、まだ見せていない権能を一つ使用すると、瞬間的に竜化しながら遥か空に来ていた。そしてすぐに全力で魔法を構築する。世界竜の能力を全力で引き出すために、自分の身体を『掌握』、『乖離』で別世界へのゲートをこじ開けて、言われた座標を『鑑定』で理解して、世界竜の能力で『乖離』を魔法に込める。
「世界魔法・異世界射撃」
次元の穴を開けて、異世界へと通じる道を広げると、身体を『代謝』で変形させて、尻尾を使ってライフルを形作る。それは世界竜の白い鱗で覆われた筒のような形にからは、高密度に圧縮された一つの不可視の弾丸がそのゲートを通る。
ゲートに入った瞬間に空間がグニっと歪むと、ゲートが壊れて、すぐに元の景色に戻るとその瞬間に世界竜の身体が遥か彼方まで吹き飛ぶ。
「ぅぅぅ!!どこまで吹っ飛ぶんだ僕」
取り敢えず言われた通りにはしたけどこれを使うってことがどういうことか分かるよな空。だから絶対に当たるけど、必ず魔神を倒せ。




