表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら機械竜でした少女に助けられたので恩を返そうと思う。   作者: 改宗
第4章竜人族の国と楽園の崩壊
61/64

4-16 竜たちの世界へ



 一方その頃、守や、アイラスたちがイチャついている間に空や、エヒナ、朱雀、カバリオ、ホロは竜や、かつての神獣たちが住まう楽園アヴァロンに来ていた。しかし、その風景はあまりに伝説に聞く緑豊かな大地で、澄んだ水の周りには精霊が住んでいるそんな世界だったはずだが、辺りにはそんなことはなく、まるで地獄のような木々が燃え、大地は黒く焼けこげており、空を見上げるが立ち込める煙などの影響で太陽すら見ることは出来なくなっていた。



「兄ちゃんこれ」

「..言うな。それで、ネツァフこれはどうなってる」

「...実は」


 いくつかの国を滅ぼした後に、その後、魔道王が実はあっちの世界にいないことを知った魔道王の遺産(マジックエンペラー)たちは、ネツァフを含め、かつて主人であった魔道王グレイブがどこにいるのか調べていると、こっちの世界に辿り着いたらしい。その時まではまだこうはなっていなかった。


 だが、問題はすぐに起こった。空から突如現れるのは、魔道王の魔力を身に宿した獣達だった。五つの黒い獣が現れると、不思議に思った竜達を次々と倒して行く。そして、近くにいたフェンリルたちも応戦するが簡単にやられてしまう。周辺調査を行なっていた古竜ですらもまるで赤子のように扱われ、次の瞬間には喰われていた。そして、彼らの棲家に侵攻を開始すると、たちまちこの世界を襲うようになって行った。


「ちょっと待て、竜王、竜帝、竜神はどうした?」

「..もう喰われてほとんど残っていない。竜王は炎王竜と、水王竜ぐらいしか残っていない。竜帝は、お前の眷属が数匹だ」


 俺の()()は、いないはずだ。それに、いたとして、どうしても俺の記憶にないんだ。最近おかしいぞ。段々と皆とズレが生じていて、会話もたまに、いや、そんなことはない。だって、ティアや、兄貴も何も言ってこない。それに、そんなことなら、カバリオやホロが俺に言うはずだろ。


「俺の眷属はどこにいる?」

『お呼びですか?世界樹竜(シェムハザ)様!!』

「うぁあ?!なんだお前?!」


 急に現れたのはこの焼ける大地で、突如として現れた身体が完全に木になっている樹竜だった。しかも結構高齢っぽい気がする。下手したら古竜レベルなんじゃないか?しかし、俺はこいつを知らない。だが僅かに繋がりのような細いパスのような物は感じとれる。


『失礼いたしました。私は樹木竜エルガーテの一体、エンドーラと申します。そちらの御仁たちは』

「私が言っていた現状この世界を救える者たちです」

『...それは、誠ですか?あれを目にしても同じことが言えますかな?』


 エンドーラが指差す場所にそれはあった。世界が黒く染まるその中心部には禍々しいほどの色を放つ、世界に聳え立つ一つの柱がそこにはあった。周りにはおそらく竜すら赤子当然に扱う王魔と同等の力を持つ者が周りを飛びまるでそれを守っているようだった。一番上には紫色の水晶があり、そこの色が段々と上がっては下がってを繰り返し、約半分と言ったところか、水晶に何かが溜まっていた。


「空、あれって」

「ああ、あの時代にあった魔神創造機。あれがマックスになった瞬間にこの世界にいないはずの魔神が降臨する。そして、絶対に碌なことにならない」


 事態はかなり深刻だ。あれを破壊するとなるとこっちも相当な戦力を注ぎ込む必要がある。しかも、今は兄貴の力を経由して来てるからいられるが、あれを破壊するとなると。


「駄竜できますかあれを破壊することは」

「..出来るが、碌なことにならない。どちらにしても」


 あれがもしも破壊出来たとしても、おそらくこれだけの被害は今見えてるところだけじゃないだろう。それに、あのティアの領のところで戦ったあの黒いスライムとも関係がありそうな感じがするが、一体誰がこんなことを。


「ネツァフ。カバリオを連れて行ってくれ、マルクトなら分かってくれるはずだ。エヒナは、朱雀と、ホロは俺と一緒に、柱の観察だ」

「分かった、でも兄ちゃん。絶対()()は使っちゃダメだよ。いざとなったら僕たちも行くから」

「そうだよ!兄ちゃんいっつも勝手に自分でなんとかしようとするんだから」



 弟たちに説教されつつ、一旦事態を整理してみる。ネツァフの話だと、敵はおそらく別の魔神で、しかも、この世界を()()()()()魔神で、しかも、魔神が神獣レベルの魔物を創造することが出来る点で、一つの仮説が出た。だが、これはまだ言うべきじゃない。


 その後、俺たちは一旦別れると、俺とホロはあの柱を目指して、空を飛ぶ。ホロを乗せるために、更に巨大化すると、俺はあの王魔に似た魔物?に感知されると、そのまま襲ってくる。


「ッ!やっぱそうだよな!」

「爆裂魔法・煙弾、雷魔法・雷帝の雷(ケルヴァーン)!!」


 ホロには結界魔法で敵の攻撃だけ弾かせると、柱の侵攻状態を知るために解析魔法を使う。それを使用すると目には、それが映り出された。


魔神の繭: 名称不明


進攻値:58%/100パーセント


 解析結果を見る感じだと大体六割ってところか、いつこうなってるのか分からないが、とにかく急いだ方がいい。防御の方はカバリオやホロに任せれば全然なんとかなる。だが、一つ気がかりなのが、竜たちがまるであの日のようにやられているという点だ。


かなり嫌な予感がする。前の星刻の塔(オリオン)での戦闘での勇者召喚。あれが気になる。もしかしたらあいつらが来てるのか?だとしても魔神を孵化させることになんのメリットが。


「兄ちゃん!変異体だ!」

「分かった!真風魔法・台風弾(ストームバレット)!」


 真風魔法で試しに柱にもダメージを入れて見ると、柱にいたあの王魔とも違う魔物を倒すために総勢120個の台風を圧縮させた球を放つ。それが直撃すると全身を切り刻み、下に落ちて行く。そして、柱を倒すために一旦ホロを結界魔法で空中に固定すると、身体を変形させ、剣を持ちやすいようにする。


「幻想魔法・幻想幻武幻影刀!」


 一本のデカい大太刀を幻想幻武で作り出すと、両手で握る。そして、ホロの補助魔法で、攻撃で鋭さを挙上げると、身体強化と、肉体強化を使用することで、更に向上。更に身体を元の身体のサイズよりも少し低めになるが力が逃げない範囲で、大太刀を握る。鞘を握り、周囲の王魔が来てもいいように、完全自動で、撃ち落とす魔法を周囲に広げる。


 柱自体に直接幻想魔法で干渉しつつ防御力を下げると、奥義を使う。全身に幻想の力を纏わせると、自分の刀に乗せる。イメージは人の状態での抜刀。動きのイメージは神速で、かつ、一撃。


「空の太刀・奥義・真蓬」


 するっと柱に太刀の剣先が入ると、そのまま一閃入る。すると、そこから紫色の瘴気や、大量の魔神の血液みたいな物が出てくると、すぐに聖魔法で浄化しつつ、結界を張って、それを中に転移し続ける。そうでないとダメだ。


「兄ちゃん!」

「すまねえ。少しだけ喰らっちまったが侵攻度はそれ程高くねえ。それよりもホロお前大丈夫か?」

「うん、僕は兄ちゃんと、自分の結界でなんとか」


 良かった。取り敢えず切った感覚としては、やっぱり従来の魔神の繭と一緒で、切っても切っても再生しやがる、それに地中に根を張って、まるで星自体に毒を流し込んで、星命力を根こそぎ奪おうってか?ちと冗談悪いぜ。こんなところで本気なんか出せるかよ。


「仙術・黙眼、幻想魔法・世界樹竜x5」


 仙術の黙眼で、俺が目を閉じない限りこいつの侵攻度は上がらねえが、他のサポートに回ることが出来ない。だから、分身を送り込む。使える属性は限られるがなんとかしてくれるはずだ。それに、残りの奴らを一旦退避させるにはあそこしかねえし。


「ホロ!お前は転移魔法で朱雀とかのところに送るからエヒナの言うこと聞いて他の魔物たちを守ってくれ!」

「分かった。兄ちゃん無理しないで」

「おう!行ってこい!」


 そう言うと俺が朱雀たちの魔力を頼りに転移させると、そのまま背後に来る敵を見つめる。そこにいたのは、あの女だった。こっちを見るなりまるでゲテモノを見るような目で見てくるこの世で一番嫌いな女が。


「あれれ?もしかしてそんな()()に時間かけてるんじゃないでしょうね」

「..五月蝿え、ネナはどうした。お前が来てるのおかしいだろう」


 現れたのは、あの星で最古の吸血鬼で、しかも神祖じゃなくて、始祖で、全ての吸血鬼の始まりで俺たちとは違うちゃんとした純血の古代種。星が誕生してから人間と共に産まれた亜神と呼ばれる一体だ。他にもいるらしいが俺はあったことはない。


 って、そんなことはどうでもいいが、問題はどうしてこいつがここに来れてる?しかも単独だろこいつ。


「いい加減死んで欲しいわ」

「..五月蝿え。俺はお前が嫌いだが、そんなことに構ってる余裕はねえんだよ!」

「うるさいわ。本当負け犬の分際で」


 そう言うと、柱の周りにいた王魔たちが攻撃を開始すると、その原初の赤である赤い瞳でそれを見ただけで内部から爆発し、紫色の血が流れる。そうして嬉しそうに飲み込んで行くと、肌着になり始めるとそのまま高々に笑い出す。黒い髪が揺れると、周りに地鳴りが発生する。


「あんたとは昔協力関係だったけど、今回は違うから、ネナがそう言ってれもネヴァは違うから」

「お前!」

「勘違いしないで、お前がさっさと死ねばそれで私はいい」

「ああ。なら好きに動け」


 そう言うと一瞬で消えると、俺の頭の上に踵落としをすると俺は地面に竜の状態で地面にのめり込む。その瞬間に『やっぱりこいつクソだ』と思いながら敢えて影に潜ませていたもう一体の俺で黙眼と結界に管理を任せてたからなんとかなった。


「..死ね。それだけよ私が言えることは」

「誰がお前の力なんか借りるかよ」


 そう言うと完全にどこかに行くのが見えると、そのまま結界の保持と、分身と共に精度を上げて、完全に血が効力を失うまで、聖魔法と、浄化魔法、光魔法で、浄化し続ける。闇魔法で周囲を保護し、侵食されないように俺も闇魔法を身に幻想魔法の上から纏う。


「カバリオ、ホロそっちは任せたぞ」


***


 

 空が一人で結界を維持している間に、カバリオたちは残った全員で生き残りの竜や、フェンリルたちを連れて来ていた。覚醒状態になったカバリオの下に竜たちを庇うようにして歩きながら、竜王、竜帝、竜神を探して行く。


『エヒナさんは他の竜たちのこと知ってるんですか?』

「ううん。全然知らない。それに、きっとその時私眠ってたから色々あって」

『朱雀、エヒナ、ネツァフ。周りを確認して、竜の魔力反応があるよ!』


 カバリオからそれを聞いた三人は辺りを見渡すと、そのまま竜の遺骸の上に立っている人物を見つける。そしてその下には炎王竜がいた。火が風前の灯火となり、剣を持った男がそこには座っていた。


「あの魔力と、異質な気配は?!」


 そうネツァフが言うと、炎王竜にトドメを刺そうとうとする黒い外套を着た男が大剣を持って突き刺そうとする。


「真雷魔法・落雷」

剣状態(アブソリュート)起動」

『真土魔法・大地の腕』


 エヒナの落雷と、ネツァフが剣状態になると、剣の能力を行使して、相手の能力を封じ、カバリオの攻撃で、動きを完全にセーブする。そして、その隙にネツァフが相手を切り刻むと、その間に朱雀が炎王竜の治癒に当たっていた。


『き、貴様は、朱雀か、..は、は、他の者はどうなった?』

『....分かりません。ただ、ネツァフさんが言っていることが確かならこの世界にはもう、ほとんど』

『あの邪神剣を扱う男は何者だ』

『勇者じゃないんですね?』

『分からん。だが、奴らは強い』


 奴らと言っているので、おそらく複数人いるはずとにかく炎王竜さんを治癒して、すぐに下がらないと、エヒナさんが前線の指揮をしてくれてるけど、私はこの生き残った竜や、フェンリルの眷属たちをなんとかして守らないと行けない。それに、奴らって。


『奴らとは』

「朱雀さん!後ろ!!」

『?!朱華・蓮華!!』


 反射的に身体を燃やし、炎王竜に与えた自分の火を元に転移すると、そこにはまるで隕石でも降って来たかのような大きさの穴が空いていた。直前で魔力反応を感じて動くことができたけど、正直言ってギリギリだった。


「今の避けるとはなー。魔物の癖にちゃんとしてるじゃねえか」

『やっぱり勇者!!』

「あん?勇者って俺らのこと言ってんか、そうかもしれねえな!!」


 そう言うと黒い外套を着た男が禍々しい剣を振ると、周りから紫色の雷が『ピシッ』と電撃音を鳴らして周りでチカチカと光る。それを見るとすぐに魔力反応が上から来るのが分かると、すぐに蓮華で身体を炎に変えて、姿を消すと、翼で男の脇腹を裂く。


「裂かれるまで反応できなかった。お前面白いなー」

『お前何かに負けない。前の世界では役に立たなかったけど、こっちの世界なら負けない!』

「裏雷魔法・紫紫電」


 そう言うと、刀身に更に電気を流し込むと、フェンリル様がやっていた動きと酷似する。それを見ると一瞬だけ反応が遅れて、その瞬間には翼に傷が入っていた。そして、その後はスピードによってのゴリ押しで、私は自分にダメージあるかどうか関係なく『朱華・黎火』で、対象が燃え尽きても消えることのない、オレンジ色の炎を大量に出すと、そのまま放射する。


 今は、この男を倒すことに集中しろ、決して、裏の魔法を使用できるからと言って、あの神獣の皆さんと関係があるわけじゃないんだから。それに、空さんに帰って来てもらったら絶対に褒めてもらう。あの後から来た女なんかに。


「熱い!熱い!なんだこれ!全然消えねえ!』

『朱華・雀絃』


 炎の矢を形成して、それを弓で射るような体制になると、そのままそれを複製し、一斉に射る。途中で燃えながらでも切られるけど、関係無しに物量で倒しに行く。それをやっている間に蓮華で、左腕を切断すると、電撃が伝わるよりも早く駆け抜け、一瞬でその腕も燃やす。仮に勇者だったらあの状態でも再生出来るやつがいる。だから、最善を尽くすべき。


「朱雀ってことは四霊だよなー。食っても不味そうだー。うーん。殺してポイっ!」


 火をおそらくあの剣か、スキルと呼ばれる少し私たちと違った能力を持つ人で、おそらくあっちの人間の特性なのかもしれない。ただ前者の可能性の方が高い気がする。


「熱い!熱い!だーけどーこの邪剣ならなんとかなりまーす!!」

『朱、グゥへぇあ』

「どうだ!邪天剣ネビウスの力は!」


 一瞬で炎が解かれると、次の瞬間に私は自分の翼が切られていることに気づいた。しかも全く目に見えなかった。しかも朱華を使うよりも早く使用出来て、かつ、ネビウスということは、神天剣ネビウス。天を司る、かつて神々が使っていた一振りであれは封印されたはずじゃ。しかも中の神は既に空さんたちが。


「うん。お前ならいいだろうー」

『邪神剣解放・邪天剣』

『朱華・黎華!!』


 炎で翼を形成すると、そのまま翼を広げて、気配を消すとそのまま黎火で押し切る。更に魔力を込めると、そのまま物量で押す。相手は邪神剣持ちの相手、ここでこいつまであっちの世界に渡らせると、あっちの世界が大変なことになる。


「ごめんね。今来た」

「エヒナさん!」

「もう一人邪神剣の使い手がいてそっちを倒しておいた」

「..相手は裏魔法の使い手です」

「...それは確か?」


 エヒナさんも応戦してくれると話しながら現状を聞いた。とにかく勇者でないことは分かったけど、おそらくあっちの世界にある何かの実験の可能性があると言ってくれたけど、正直言って理解できなかった。あれは、裏魔法はそんな人間が扱える程度の物じゃない。代償が一番重い魔法、それが裏魔法。


『エヒナさん。気を付けて、そいつ邪剣持ちでネビウス使いです』

「神剣って、確か」

「あれーよそ見する余裕あるのかー」


 そう言うとエヒナさんも海槍を手に取ると、男の攻撃を片手で簡単にいなす。そして、雷撃を喰らわせると、そのまま突きを目に少しだけ見える速度で男の腹を貫く。ガードしようとしていたところを貫かれると、男は驚愕の表情を浮かべる。


「グハァ!なんだこの槍。俺から雷を喰ってるー?!」

「裏魔法なんかに負ける訳ないでしょ?それの発案者誰だと思ってるの?」

『朱華・蓮土』


 エヒナさんが作ってくれたチャンスを無駄にせず会話で動きを制限して、海槍が刺さっている状態で、その下から更に火を追加して両足を燃やして行く。部分焼きに注視して、今回は消そうとしたら位置を変える能力を持たせた。


「エグいことするわね。朱雀あなた」

『そうですか?いつもこうやってましたけど』

「..あなたは敵に回さない方が良さそうね」

「危ないなー。死にかけたじゃねーかー」


 私とエヒナさんはすぐに攻撃を再会するが、その瞬間に剣で切られると、お互いの魔法が切られ、上から真っ黒な大剣が落ちてくるとそれをエヒナさんが海槍で軌道をずらすと、すぐに攻撃してくる。


「邪神剣解放・ネビウス」

「神剣の力?!」


 エヒナさんが焦った表情になると、すぐにその手に持っていた槍で地面を叩くと地中から水が集まると周囲にまるで結界のようになり、私たちを囲む。そしてその周りを電気で補強すると、段々と、水を囲むような形でバチバチと音を鳴らしながら邪神剣のまだ解放段階の攻撃を撃ち落していた。その際に出る毒があり、それから守るため雷で撃ち落としているのが分かった。


『エヒナさん相手は』

「ええ。正真正銘扱える人間よ。しかも、詠唱付き」

『朱華・永火』


 それを聞いて私も更に迎撃するために邪神剣を持っている敵に攻撃を仕掛ける。永火で攻撃し、詠唱を止める。すると、段々と黒く剣が輝くと、天に剣を高く上げると、天候が変わりだす。そして、上から大量の雷が降り出すと、結界を破り私たちを直撃する。


「ッツ!」

『朱華・礫火』


 エヒナさんが結界をすぐに貼り直そうとすると、男は笑顔になって、そのままこっちに走ってくると単純な炎の霊法を使うと、数で押し切る。姿が変わっているのが見えると一瞬で黒い大剣の腹で私とエヒナさんを結果外に飛ばすと、しばらくそのまま飛ばされる。受け身も取れず、かなりの魔力を持っていかれていることに気づく。


 このままだとどっちもやられかねない。それに、他にも邪神剣使いがいるんだとしたらもう、これ以上は。


「よく頑張った。こっからは任せろ」

「空?!」

『空さん?!』


 空から降りて来たのは真っ黒な黒い竜だった。以前よりも黒くなっている気がしたけど、それでも空さんが来てくれて助かった。でも、あの柱に対処しているのはじゃあ一体。


「あれ?ホロは来てなかったか?」

「ホロにはもう一人の邪神剣使いと戦ってもらってる」

『空さん!」


 空さんが現れるとすぐに、背中から槍と大剣を取り出すと攻撃を受け続ける。高速のやり取りなのにも関わらず男は笑顔でそれを捌き切っていた。しかし、相手はあの空さんで、途中からかなり相手は傷を負っていた。


「空、気をつけて!そいつ邪神剣使い!」

「それは、マズいな」

「お前が世界樹竜か!」


 そう言うと、邪神剣を完全に解放した状態で空さんに切り掛かると、空さんは黒い盾で防ぐと、そのまま魔法剣を作り出し、完全に攻撃を封殺する。ネビウスの落雷や権能を駆使しても転移魔法や、時間魔法でずらし、魔法の攻撃で一気に叩く。


「空の太刀・絶空!」

「ネビウス俺を守れ!」


 空さんが攻撃しようとしたタイミングですぐに人型になると、そのまま竜の腕の状態で相手の左腕を切り落とす。そして次の攻撃に移ろうとすると攻撃を止めると、何もないところから天使の槍が突き刺さる。そして、引き抜くこはせずにそのまま天使を一掃すると、槍を何本も取り出し、打ち出す。


「これはダメだー」

「これでさっさと消えろ」


 そう言うと一気に男の槍が突き刺さると、そこから更に落雷や、鎌鼬での攻撃、爆発などが炸裂すると、そこには邪神剣しか残されたいなかった。そして、空さんが元の形態に戻ると邪神剣を手に取ると、邪神の要素を全て喰らう。すると、真っ黒だった大剣が普通サイズの剣に戻り空さんが結界を作るとそれを空間魔法の空間に入れている。


「神剣って入るんだ」

「乖離で能力を一時的に抑えてるだけ」

『..それって』


 朱雀が何かを言おうとすると途端にその世界にいた全生物が感じた甚大な量の魔力を。それが動くと、世界に穴が空くような感覚に襲われる。


「なんだこの魔力は、神でも来るってのか?」

『..神あいつらがまた来るの?』

「大丈夫だ。俺がいる」


 そう空さんが言うと、途端にあの柱がぐらりと揺れるのを見ると本体の空さんが総攻撃を始めたのが分かった。一人で魔法をぶつけ続けると、段々とヒビが入っていく。


 やっぱり凄いな空さん。神獣様たちの中でもかなり多くの魔法が使えるとは聞いたけど、七属性以外の古代魔法系統まで扱えるなんて、でも、あんなに魔法を使っているけど、明らかに威力が足りていないそんな気がした。


『空さんと一緒にあの柱を倒しましょう!』

「無理よ。少なくともあの柱は神獣でないと折れない」

『..私だって四霊なのに』

「あれは、そういう物じゃないの。魔神の繭。あの中に魔神が一体この星のエネルギーを吸い尽くした瞬間にこの世界に誕生するの」


 あれが、魔神の繭。確かに凄い魔力量。まるで過去に戦ったことのある神々と既に同じぐらいの魔力量がある。あれが確かに顕現すれば今の私たちの力では勝てない。空さんが頑張っておそらく今各地で竜やフェンリル達を探しては安全な場所に避難させているはず私たちも向かわないいけない。


「あの土王竜(ベヒーモス)様助けていただきありがとうございます。四霊の朱雀様も、幻獣のエヒナ様も」

『いいんだよ。魔道王の皆んな国民なんだから。それにごめんね急に押し込んじゃって』

「いえ、いいんです。お陰で私たちは生きてますから」


 そう言うと竜たちに竜が住む区域や、フェンリルが住む領域を教えてもらうと、私たちは空さんの背中に乗してもらうと、竜たちの住む竜の里を目指していた。


「失礼しました。私。北の赤竜の一人ラバダと申します」

「我は、炎王竜と申す。まさか世界竜の弟君の背に竜王たる我が乗ることになるとは」

『いいんだ。とにかく早めに着きてえが、全員の回復が先だ。回復、再生、浄化・混合魔法・堕天使の癒し』



 そう空が唱えると全員の傷を癒し、カバリオたち、竜、フェンリルたちにも治療すると、そのまま空を飛び、竜の里に向かう。そこにあるのは竜の理想郷だった場所。この世界に人はおらず、かつ、外敵もいない。唯一あっても、小さな小競り合いだけで、比較的穏やかであった。しかし、欲望の魔人の襲来、邪神剣使いの出現で大きく平和が乱されることとなる。


 長年戦っていなかったのもあってか、竜たちは以前程の力を出せなくなっていた。肉を喰らうのではなく、魔力を主とすると、自然にそうなって行った。フェンリルたちもそうで、雷王狼(フェンリル)の眷属たちもかつてほど強くはなかった。


 他の種族もいたが、そちらはそちらで戦争などやっていたりしたが、主に神獣の眷属たちは見守るだけとなった。時には動くが、基本的には静観。余程の理由がなければ介入はしない。


 そのせいもあってか、世界の歪みに気付けず、それが起こった時には既に遅かった。大量の欲望の魔人、鎖人、邪神剣使い、邪精霊の出現によって、かつての竜たちの楽園は地獄と成り果てた。


 竜族の神である竜神や、神獣の眷属たちも動き出し、幻獣たちも戦うが、敗北のばかりで、相手の目的が分からず、ただ防戦一方というよりも蹂躙であった。竜族は、竜王、竜帝、竜神が、かなりの量を倒したが、それでも叶わず、眷属たちも悉くやられた。


「神獣様の眷属たちで残っているのはフェンリル、竜族の一部、世界樹竜様の眷属だけで、他は全て」

「..そうか。もう少し早く来たかったが」

「そんなことは、他の者も始まりの神獣の一つの柱様が来て喜んでいると思います」

「..そうか。すまねえ」


 空さんがこんなにも申し訳ない顔をするのを久しぶりに見てしまった。滅多に見ることがない表情で、私はついドキリとしてしまう。少しだけ翼が燃えてカバリオさんが『熱ッ?!』と言っていたけどそれは知らない。


「あの、朱、『なんですか?』

「いえ、なんでもないです」

「どうしたの?」

「お前ら一応俺は行けるところまで行ったらホロの回収に向かうから先に話を付けといてくれ」

「分かった。空も魔神の繭を頼むわよ」

 

 そう言うと、竜の里近くに来ると急に急降下すると、ものすごい風圧を感じながら段々と下に行くと、まるで流星のように地面を見渡す。竜たちの楽園、アヴァロン。きっとこんな時じゃなければもっと綺麗だったんだろうなと思うと、今回の首謀者を見つけて絶対に倒すと私は決意を決めたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ