3-11後悔はもういらない
空が黒い魔物と戦っている間にセシルは星鉄炉にいた。
星鉄炉には叩かれた星の一部がこの広いのか狭いのかわからない空間で飛び交うそれはまるで
欠片が踊っているような感覚を覚えさせる程だった。
そんななかで一人セシルはある希望を創っていた。
「ふーこれ硬いわね!」
そう言うとセシルは神獣の覚醒後の素材を叩いて薄く伸ばそうとすると悪態をつく。
実際神獣の素材を武器にしようとしてりうため普通の炉ではダメだミスリルの炉でもヒイロカネの炉でもダメで星を媒介にした炉でないとまず溶けないし形状すら変わらない。
だがこの星を核とした炉でもかなりの難航をしていた。
なにせただの神獣の素材ならよかったのだが今回の相手は神ではなくそれを創った本人を倒すというものだからそんじゃそこら辺にある物では倒せない。
ゆえに使うしかないのだが一つ問題があった。
「硬すぎて使えない!」
セシルは素材を叩きながら怒っていた。
本番と言われて渡された素材では難なく出来たのに対していざ今回が本番ですと言われて出来るかと思っていたら硬すぎて出来ないなんて。
「ムカツクー!出来ない自分に対して!」
そうは言ってもどうすればいいのだろうか。
炉はおそらく大丈夫、なら足りないのは、
「私の技術か?」
セシルは考えこんでいるが燃料は自分のため刻一刻と自分の肉体が消えていっていることに気がつく。
それでも時間がない。
どうすればいいのだろうこの残された時間で一体どうすれば今の自分を越えられる。
発想がない創作性がない完成形は浮かんでいる。
けどこれを再現しようにもまず足りないなにかが致命的に足りていない。
「流石にまだキツかったかなセシルお嬢さん」
セシルは突然声をかけられるそして後ろを振り向くと白いフードを被った少年?がいた。
「どういうこと」
そうセシルが聞き返すと白いフードを被った少年?がフードをあげると顔が見える。
白い髪にまるで吸い込まれるような銀色の眼。
そして少しだけ赤みがかかった眉毛。
一度みれば青少年に見えるだろうが実際は人間ではないのでそれにはあてはまらない。
「なにしがない元神さ」
「時神?」
時神と言われた少年は驚いた顔を見せるがすぐに言葉を綴る。
「どうしてわかったか聞いてみても?」
「あなたにはこの眼で見えない」
「そうか、まあいいや君は僕のこと知らないけど僕は君のことを知っているよ」
セシルが少し離れようと後ろにバックステップしようと下がろうとするとその後ろから頬を撫でられる。
セシルは驚いていたなにせ今目の前にいる時神は何も詠唱もなく魔力を使った痕跡すらなかったからだ。
「わかった僕と君とでは戦力差が違うしそもそもとして僕は君を殺しに来たわけではないよ」
「むしろその手伝いに来た」
そう言うと時神は空間に手を突っ込むと何か取り出す。
空間に少しヒビが入るがすぐに星が再生させる。
「今の君ならこれを託してもいいだろう」
「これは?」
「これは僕が神だった時の僕の眼だ」
そうさっき取り出したのは自分の身体の一部であった自分の眼だった。
セシルは凄い顔をしていたまるでレモンの酸っぱさを最大限顔に出した時の表情だ。
「いやこれを直接君の眼につけないよ流石にまあちょっと考えたけど」
「それでそれをどうするの」
「僕の権能の一部を君に託す」
そう言うと自分の眼を引き抜いて自分の眼をつける。
「ああ大丈夫これスペアあるから」
そして自分の眼にどこからか現れた透明なナイフで切り取ると銀色の球体が手の平に現れる。
それに透明なナイフでスッと裂くと中から透明なピースが出てくる。
それを手に持つとセシルに渡そうとする。
「ウゲ、これ大丈夫な奴ですか?」
「大丈夫大丈夫普通の人だったら頭の処理追い付かなくて頭吹き飛ぶけど君だったら大丈夫だよ」
「胡散臭い、けど今はこれしかない」
そうセシルは言うとそれを掴み自分の眼に入れる。
すると意外と抵抗なく眼の中に入っていった。
「おおこれは凄い一部とはいえ暴走すらしないなんてまあいいやさてと扱い方はわかるかい」
「う、頭が、割れそう」
今セシルの頭では未来眼が進化し時神眼に進化していた。
そのせいか綺麗だった眼には色が消え銀色と黒いと黒い所しかなくなっていた。
そして今セシルに起こっていることは実際に未来に行っている訳ではないが未来を体感する。
つまり自分の未来の技術を現代の自分の肉体に覚えさせることが出来る。
「いいかいセシルお嬢さん一旦眼を閉じて今欲しい物を見るんだ」
「今欲しい物、」
セシルは今自分が欲しい物を視る。
未来の自分が持っている技術をその身に宿す為に。
自分に今必要なものは!
セシルは目を瞑りながら意識を未来に向ける。
今よりも高度な技術を!
「さてここからは時間との戦いだぞ」
「さてと鍵の解錠Ⅲ」
時神はぶら下がっていた鍵を左手に持つとセシルに向かって鍵を向ける。
そうするとセシルの周りの時間が止まる。
「ふうこれでどうなるかは君ら次第だね」
時神は床に倒れるように床につく。
すると前を向くと少し微笑む。
そしてまたフードを被ろうとすると鍵が壊れる。
「流石に限界だったか」
そう言うと時神は鎌を引っ張り出してどこかへ消えていった。
その頃セシルは未来に触れていた。
未来の自分は今よりも背が大きくて今よりも年をとっていた。
だけどなぜか目を見ていると後悔にまみれたような人の顔をしてまた剣を叩いていた。
その剣は私が打ったどの武器よりも鋭く頑丈で
誰かを思って作ったということがわかるようだった。
『これで最後、』
そう言うと持っていたハンマーを投げ捨てるとその場で立ち尽くす。
完成した剣は黒色の剣だったが時間が少し経つと銀色の輝きを放ちながら鞘に入れられる。
『こんなの今さら作れたって、もう、遅い』
未来の自分は今まで作ってきた武器の中でも最高傑作だった。
鞘から抜き刀身を太陽に掲げると叩き上げた星鉄の欠片が見える。
そしてゆっくりと振って見ると星の欠片が飛び出る。
そしてそのまま塔に向かって一旦納刀して軽く振って切ってみると。
音をたてずにそのまま倒れていく。
『これなら、ここも』
なぜか未来の自分は星鉄炉を出るとある場所に向かっていた。
そこは以前星霊王が封印されていた場所だった。
そこには墓石が4つ置かれていた。
星霊王 精霊王 ユグドラシル 空
そこには名前が彫られていた。
これはいったいと思っていると未来の自分が魔法で水を出して墓石に水をかける。
『皆私、遂に完成したよ』
未来のセシルは墓石の前で刀を持ちながら膝を付いて嘆くように地面にひれ伏していた。
『完成するの遅くなってごめん、ごめんなさい』
未来のセシルはどうしようもない後悔から泣いていた。
その時代では星霊王や精霊王、ユグドラシル、
空は死んでいた。
神核は潰され死体は星に還り魂は1万年という長い月日により完全に壊れてしまった。
勇者が到来し黒い魔物に敗れ、魔神四天王にも敗北し結果セシルだけが残った。
生き残った空が最後の魔力を使いこの塔の動力と浮力をなんとかもたせセシルを星鉄炉に閉じ込めることによって生きながらさせていた。
その瞬間に見たのは全員の神核が握り潰される瞬間だった。
最初に勇者を倒した所まではよかった、
だけど、その後に聖女が来て塔の庭や施設や神殿を破壊していった。
それに対抗するために皆は懸命に戦ったユグドラシルなんかは覚醒したけど一瞬にして胴体から真っ二つに切られていた。
星霊王達は精霊と協力していたが上位精霊達や大精霊達は魔力を搾り吸い取られ全員がその聖女の魔力となった。
そしてその魔力を解放しかけたその時に空がピトと一緒に現れて後もう一歩の所を魔神四天王の一人であるレゼアに邪魔をされ倒された。
「これが未来の私」
セシルは未来の自分に抱き抱えるように抱き締めた。
『え?誰かいるの』
そう言うと未来のセシルは膝をついたまま首だけを動かして辺りを見ていた。
だが周りを見ているが誰もいないので立ち上がって見ると小さかった時の自分がいた。
細い身体に立派な角と鍛冶で焦げた黒い髪。
それにその服は間違いなくかつての自分だった。
「多分今思ってることで会ってるよ」
『え、それじゃあ本当に』
「うん」
余程驚いているのか自分の手を自分の口元に持ってきて口を隠していた。
その目には涙が浮かんでいた。
「え、ちょっと泣かないで」
『ごめんなさい私あの時失敗しちゃったの』
「う、あのねここに来た理由はね未来の私の技術を私に教えて欲しいの」
『私の?わかった』
未来のセシルが言うと詠唱を始める。
『私は流れをつくる者、ある時は破壊を導く者
継承の術は我が手にいまこそ継承しよう』
そう詠唱していると未来のセシルが星鉄炉に入っていた時のようになる。
「まさか?!」
『ごめんなさいこんなこと言えた義理はないのだけれど」
「わかったはあなたの思いも持って行くわ」
未来のセシルが光になり現代のセシルの中に入っていくと頭の中に高速で情報が継承される。
頭の中に今まで培ってきた経験が身体中を駆け巡る。
「スゴいこれが未来の私の力」
そう言うと強制的に現代に戻されそうになるセシルは少しだけ抵抗する。
目の前にある皆のお墓に向かって。
「大丈夫絶対皆のこと守って見せる、だから安心してね皆絶対私頑張って間に合わせるから」
そう言うと元の時間軸に戻される。
目が覚めるとそこは星鉄炉の側だった。
私は腕まくりをして一回大きな声をお腹から出す。
「頑張るぞー!!よし!」
顔を両手で叩き気合いを入れる。
未来の自分のおかげで前よりも素材のことがわかる。
1個言っておくと実際にはあと一つだけ打てばいい。
なんでかと言うと未来からの自分からプレゼントだそうでもらっちゃいました。
「さてとやりますか!」
「精錬魔法千手観音小手」
そう言うとセシルの背中の辺りから無数の手が出てくる。
するとその文炉が増え素材の精錬の時間短縮をする。
「鍛冶魔法豊かなる素材」
あんなに硬かった素材がハンマーで叩き易くなっていた。
そしてこのハンマーには幻想級の付与魔法と補助魔法の永続の魔法がかかっているため半持続的に作業をすることが可能になった。
さらに未来の自分と交わることによってセシルは進化していた。
白い角はさらに立派になり黒い髪はさらに漆黒のように染まり焼け焦げていた場所には炎のような赤色があったそして身長も前よりも伸びていた。
「せいっ!」
ガンと音がなるとちゃんとした星の欠片が出るそれがまた燃料となって炉を暖める材料になる。
そしてそのまま叩き続ける付与魔法を限界まで付与し刀身になる所に魔力伝導性と神力伝導性を上げるためにフェニックスの涙を流し込むすると黒い刀身に青白い線が入るとそこに覚醒素材を粉末状にした物をフェンリルの爪で綺麗に
なぞるように着けていく。
すると辺りから魔力がどんどん吸われていく。
「スゴいこれ!」
今は魔法回路を組み立てている所で魔法回路をしっかり繋げないとただの魔剣レベル位にしかならないそこで使うのが青竜の髭を使う。
今度は動力源から送るパイプの役割をする青竜の髭を使うこれで外部からの干渉を完全に防ぐことが出来る。
青竜の髭を細く管のようにして八岐大蛇の酸で溶かして固める。
それをすることでパイプの役割をする回路が出来上がる。
そこに少し空間を開けて工房から持って来ていた瓶を取り出す。
それには魔道王の魔法回路と魔術回路が入っていた。
それは昔魔道王がこの刀を作る時に渡された物だ。
だがそれを取り出そうとすると何かが落ちる。
「これは誰の回路だろう」
考えてみるが全くわからないがもらった知識によればどうやらソラの回路らしい。
私はその二つの回路を結び付けると意外なことに合体して一つになったのだ。
「こんなこと、ありえない、、だけど手を止めている暇はない!」
そう言うとまた作業に移る。
今度は回路が安定している間に月の核を加工しなきゃいけない。
月の核なのでとにかく冷たい。
反対に太陽の核はちゃんと魔法で防御しながらじゃないと手が一瞬で蒸発するというかシンプルに消滅までする。
月の核は冷たいので炉の温度でなんとか誤魔化せているが正直ニブルヘイム位寒い行ったことないけど。
そして作業に戻ったセシルは月の核を一旦叩いて伸ばすのではなく一回溶かして月にある不純物を徹底的に取り出す。。
やり方は凄く単純でフェニックスの炎を浴びせ続けることによって段々と暖まってくる。
するとすぐにセシルはハンマーで叩く。
叩いていると冷気が少しづつ出てくるがそれでも構わず作業を進める。
「超越動力付与」
作業を進めついに月の蒼い光が反射するような
色を放ちながらユラユラと浮き始める。
そしてそれに重ねて付与をかける。
それには膨大な魔力と尋常ではない集中力が必要であった。
なぜなら器に耐えられない物に限界まで水を注げばどこからか漏れでてしまう。
それでは意味を成さないなので付与をかけなるべく負荷を減らし伝導性を維持する動力源にする。
「月の動力完成!」
すると刀の柄の部分に小さいまるで核をいれるための場所があった。
そしてそこに嵌め込むと刀に魔力が満ちていることがわかる。
だけど一つだけ問題があった。
これは作った本人ですらもう触れることができないのだ。
だがこれで刀自体は完成した完成した刀には星霊がチラチラとこちらを伺っているようだ。
するとセシルは手を振ってこっちに来るように
諭すと星霊が刀身に興味がありそうに見て回っていた。
「ふふ楽しそう、ね、、、、」
そう言うとセシルは倒れそうになるが。
「おっとまだ君が倒れられるとだいぶ困るし何より約束を違えるのは僕の美学に反するからね今回は貸しだよ空」
そう言うと消えかかっていたセシルに魔力が集まってセシルの存在感が濃くなる。
「どういうこと」
「いや君には僕の権能の一部を上げてるんだ勝手に死なれちゃ困るのは僕の方なんだ」
時神が急に現れセシルを抱き上げ魔力を込める。
するとセシルが元の姿に戻っていく。
だが魔力量が少なくなったせいかまた小さくなってしまった。
「まあ、ありがとう」
セシルは照れくさそうに言う。
すると時神はフードを上げ急に後ろを振り向き
鎌で何かを弾く。
「おっとこれは法神じゃないか」
「貴様を殺すこの裏切り者が貴様がいるだけで虫唾が走る」
急に現れたのは荒々しい格好をした厳罰そうな
男がいた。
現れた男は法を司る神、創神と兄妹の関係だ。
法を司るだけあってか個人でこの世の法則やとにかく法に関することならなんでも出来る。
次回で多分3章終わりです。
4章もいま制作中です。
それともう少しで4000pvいきますこれからも頑張ります。




