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凍てつく世界で待ち続ける少女

凍てつく世界の冷たい花

作者: リィズ・ブランディシュカ



 すべてが凍てつく氷の世界、そこに一つの花が咲いていた。


 しかし、花は凍らない。


 いつでも、温かくて。光を放っていた。


 だからその花は、冷たく凍えた世界では、貴重な存在だった。


「動物さん達、どうか私のこの光で暖をとって」


 多くの動物が、その花の恩恵をうけるために、集まった。


 けれど、ある日一匹の動物が、その花をひとりじめしてしまった。


 そのため、花の恩恵を受けられなくなった動物たちは、凍えながら過ごさなければならなかった。


 だから、ひとりじめされてしまった花は、自分を持ち去った動物にお願いした。


「私がいなくなったことで、多くの動物さん達が困っているはず」


 しかし、花のお願いは聞き届けられる事が無かった。


 動物は、決してその花を手放そうとしなかった。


 そのうち、とても冷たい風が吹いて、動物たちの命が一つずつ消えていった。


 それでも花が返されることはなかったため、とうとう全ての動物が死に絶えてしまった。


 その花と、独占した動物以外は。


 その事を知った花は、自らの心を凍らせた。


 もう光らない。温かくならない。


 生き残っていた動物も凍え、永久の眠りについた。


 氷の世界で、その花は凍えたまま生き続ける。


 いつかその心をとかすものがあらわれるまで。


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