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夏のホラー参加作品

夢のつづき


地下鉄のホームの前に滑り込んで来た2両編成の電車に乗る。


電車の中を見回してこの電車に乗っているのは僕1人と知った。


乗客は僕1人で運転士も車掌も乗っていない。


少子化の影響で首都圏の電車は全てコンピューター制御の無人電車。


遊び疲れていた僕は座席にもたれ掛かり目を瞑る。


家がある駅は終点だから降りそこなう心配は無い。


終点に着いても寝ていたら駅員さんに起こして貰えるだろうしね。


「痛て!」


座席から落ちて目を覚ます。


腕時計を見たら乗車してから5分も経っていない。


結構寝ていたと思うんだけどな?


終点まであと30分以上ある、音楽でも聴いて過ごそうとスマホを取り出す。


あれ? スマホに表示されている時刻を見て首を傾げた。


腕時計の時間とスマホの時間が違っているから。


どちらかが故障しているのかな?


どちらが真っ当な時刻を表示しているのか確かめるため僕は数を数えた。


「1秒、2秒、3秒、………………………………299秒、300秒、と」


300まで数えて腕時計とスマホを見る。


ええ!? 腕時計は5秒しか進んでいないし、スマホは15分も進んでいる。


な、何故?


そういえば目を覚ましてから1度も駅に止まってないな。


この路線の駅は時間にして4~5分間隔で次の駅に到着する筈なのに。


電車の外に目をやる。


赤茶けたレンガを積み上げたような壁が次々と後ろに流れて行く。


この路線のトンネルの壁はコンクリートで覆われ灰色の筈。


僕は扉の横に設置されている運行司令室に通じるボタンを押した。


でも何度押しても通じない。


怖くなった僕は扉やボタンを乱打する。











「…………起きてください。


終点ですよ。


お客さん起きてください」


身体を揺すられ僕は目を覚ました。


え、さっきの出来事は夢?


「ごめんなさい、降ります」


駅員さんに詫びを言い電車から降りる。


腕時計とスマホを見ると同じ時間を表示していた。


あー良かった、夢を見ていたんだな。


駅の外に出てから両腕を上に伸ばし背伸びしながら空を見上げ、僕は固まった。


夜空に月が3ツ並んでいたから。


僕は…………まだ…………夢を見ているのか?





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