プロローグ
初投稿です!拙い文章ですがどうか最後まで読んでいってください!
俺は佐藤健二。ブラック企業に勤めるサラリーマンだ。手取りも少なく日頃の疲れを癒してくれるような彼女もいない。まぁ簡単に言えば独身の童貞だ。
だがそんな俺にも彼女をつくるチャンスができた。そう、合コンだ!俺は今日、合コンに行くのだ。会場は居酒屋で8時に集合だ。その間、俺は久々の休暇を過ごしていた。
「てかあのブラック企業で有給2日取れたとか本当に奇跡だよな...」
そう言いつつ合コンまでの暇を潰していた。
「ゲームも飽きたなぁ。テレビでもつけるか...」
そう言ってテレビをつけると、いきなり物騒なニュースが目に飛び込んできた。
「速報です。昨夜未明、東京都稲城市で20代男性が首を切られ死亡していました。警察は、これを最近の連続殺人と犯行の内容が酷似していることから、犯人が同一人物と仮定し、捜査を進めています。」
まじで最近物騒だな。これでもう9人ぐらい殺されてるんじゃないか?そう思いつつ俺はチャンネルを変えた。
そうこうしているうちに集合の時刻になっていた。
「やべっ、そろそろ行かないと。」
俺は慌てながら準備をし、居酒屋に向かった。
居酒屋に着くと、同僚2人と美女3人がいた。え?もしかして今日の相手この人達?と一応確認のため同僚に聞くと、他に誰がいるんだ?と言われた。俺は心の底からラッキーと思った。そうしていると、同僚が
「じゃあ乾杯でもしましょうか!」
と言った。
「せーの、乾杯!」
「「「「「乾杯!」」」」」
「じゃあまずは自己紹介からね。まずは俺から。俺は橘龍斗。趣味は旅行です。気安く龍斗って呼んでください。」
こいついきなり嘘言いやがった。うちみたいなブラック企業で旅行なんて行けるわけねぇだろ。女子うけをよくしたいからって...。イケメンだからまだありそうだけどブサイクだったらとっくに見抜かれてるぞ。
「じゃあ次は俺。山本雄大って言います。趣味はドライブです。よく吉沢亮に似てるって言われます。よろしくお願いします。」
こいつも嘘つきやがった!てかドライブってもしかして2年前にレンタカーで近場をまわったことをいってんのか!?いや絶対それだ!だってこいつ車持ってねーもん!吉沢亮に似てんのはほんとだけど!てかこれ俺本当のこと言ったらダメじゃん!俺だけお持ち帰りできなくなっちゃうじゃん!どうしよう!
「じゃあ次俺で...。名前は佐藤健二です。趣味は映画鑑賞です。よろしくお願いします。」
あーやべ、俺も嘘ついちゃった。映画を見るほどの暇ないのに趣味映画鑑賞って言っちゃった。まぁでも映画好きなのはほんとだし?最近見てないってだけで映画は好きだから嘘じゃないよね?でもそんなこと言ったらこいつらも嘘ついてないんだよなぁ...。そんなことを思っていると、美女3人組の自己紹介が始まった。
「じゃあ次は私ね。藤田愛って言います。人の顔をじっと見ることが好きです。よろしくです!」
かわいい。第一に思ったのはそれだった。色白で巨乳、まぁ趣味はちょっと変わってるけど、それに目を瞑ればこの世のモテる要素全てを持っている完璧な子だ。完全に俺のストライクゾーンど真ん中だった。この瞬間、俺はこの子を狙うことを決めた。
「次は私ですね。工藤華と言います。趣味は読書で、最近は東野圭吾さんにハマってます。よろしくお願いします。」
この子は愛ちゃんと違って落ち着いている。清楚で上品な感じだ。胸は慎ましいが他の部分で完全にカバーされている。たしか龍斗はこういう子がタイプだったような気がするな...。
「じゃあ最後は私で!中条彩って言います!趣味はスポーツ全般です!よろしくお願いします!」
活発だなぁ。たしかこの子が一番年下なんじゃなかったっけ?庇護欲がそそられるというか...。守りたい感じだなぁ。雄大の好みのタイプはこんな子だった気がする。てか好みかぶんなくてよかったなぁ。もし全員が同じ子を狙ったら醜い争いは避けられないもんなぁ。よし、心置きなく愛ちゃんを狙って行こう。
「ねぇ、愛ちゃんは洋楽の中で誰が好きなの?」
「えーと、最近はメジャーだけどエドシーランにハマってます!」
「そうなんだ。俺もエドシーランは好きだよ。」
「そうなんですか?気が合いますね!」
そうやって楽しく話していると、龍斗が華ちゃんを連れて、
「じゃあ俺たちは先に行くわ。行こう、華ちゃん。」
といい、居酒屋を出て行った。あいつ、上手くやったなぁ。と思っていると、雄大がそれに便乗して、
「じゃあ、俺らも先に行かない?彩ちゃん。」
と言った。あいつ、便乗しやがった!どうしよう、俺もそうしようかな。と悩んでいると愛ちゃんが、
「じゃあ、私たちも行きませんか?」
と誘ってきた。まじか。意外ではないけど肉食系なのか?愛ちゃんは!でも...据え膳食わぬは男の恥!俺はもちろんOKした。
「うん、いいよ。」
俺と愛ちゃんは人気の無い道を歩いていた。勢いでOKしたものの、こういう時ってどうしたらいいんだ?しかも話題も尽きてきたし...。ああ、あるじゃん話題。
「そういえば最近物騒だよね。連続殺人のニュースとかめっちゃあるし。愛ちゃんはそういうの怖くないの?」
「怖くありません。だって...その犯人、私ですから。」
「え?」
俺は気づけば刺されていた。理解できず、倒れながら困惑していた。なぜ自分が刺されているのか、愛ちゃんがなぜ人を殺しているのか、訳がわからなかった。
「どうして...。なぜ人を殺すんだ?」
俺は激痛に耐えながら愛ちゃんに聞いた。すると愛ちゃんは、
「言ったじゃないですか。人の顔を見るのが好きだって。」
まさか...いやでも被害者は首を切られていたらしいからまだ納得できる。まてよ...そしたら雄大たちは無事なのか⁉︎
「ああ、安心してください。あなたの連れは無事ですよ。華ちゃん達は事件となんの関係もないので。」
「そうか...。それなら良かった。」
だが俺もただで死ぬ訳にはいかない。この状況で何か出来ることはないか?と考えていると、
「まぁこれ以上話して何かされても困りますし、さっさと殺しますか。」
やばい。このままじゃ一矢報いることもできずに死んじまうと思った瞬間走馬灯が流れた。思い返せば俺の人生ってろくなことないな...。テスト100点とったのに成績がオール3だったり、部活はどんだけ頑張っても1軍にはなれなかったし、Sラン大学入ったのに就職はサービス残業当たり前のブラック企業だし...。なんでこんなに頑張ってんのに報われないんだろう?合コンも俺だけ貧乏くじひくし。よし、もう来世とかあってら実力を隠そう。頑張らないとかじゃなくて。頑張らないと今世の二の足を踏むことになりそうだからなぁ。まぁ、来世とかあったらの話だけどね。そこまで思ったところで俺の意識は途切れた。