けいこの体操服
僕がけいこを好きになったのは、中学二年の時だった。彼女とは別のクラスだったが、渡り廊下などですれ違うたびにいつも彼女を目で追っていた。中学の時は彼女が全てだった。彼女を見るために中学校へ通っているようなものだったし、彼女を一日の中で一目でも見ることができたならその日は満点の日だった。でも、ある時から、やはり見るだけでは満たされない自分に気づいた。彼女のことをもっと知りたい、彼女に触れたい、彼女に愛されたい、彼女と一生一緒にいたい。本気でそう思ってた。今考えると笑っちゃうけれど、中学生の僕にとっては中学校という世界が全てだったから仕方ない。同じクラスに彼女と友達の子がいたことが、彼女と僕の関係を少し近づけた。メアドをその友達に聞いたのだ。その子からは少しけいこのことが好きなんでしょとからかわれたりした。でもそれもなんか子心地よかった。それから、僕は彼女にメールを送るようになった。彼女は返信を一日に一件でもしてくれれば良い方だった。彼女からのメールの文章は全て暗記した。その文字に彼女の息遣いや、感情の起伏が現れているような気がして、彼女の匂いを嗅ぎたかったんだ。彼女は僕のことを嫌ってはいないようだったが、好きでもないようだった。一度だけ、彼女とその友達を含めた僕たち三人でブックオフへ行ったことがあった。僕は自転車を歩きながら引いていた。僕は彼女と友達のすぐ後ろについて歩いた。彼女はダウンにジーパンというカジュアルな服装だった。その時僕は確かに彼女のお尻を見ていた。そのジーパンにうっすら浮かび上がるお尻のラインを見ていた。僕はどきりとした。これが性の全てだと思った。ドキドキする胸とともに自転車を引いた。あれがけいこに対する性の目覚めだったのは間違いない。それから僕はとんでもないことをする。彼女の苗字が入った体操着を制服屋さんで買ったのだ。もちろん彼女と僕は違う苗字だが、僕は制服屋さんで彼女の名字を言い、彼女の名字が入っている体操服を買ったということだ。僕は嬉しさのあまり全力で家に帰り、その体操服を着た。僕は体操服の彼女が大好きだった。彼女の背中から見えたブラジャーが透けているのを見たときなどは、とんでもなく喜びにあふれた気持ちになった。僕は変態だったんだと家に帰り、その体操服を着たとき思った。僕は変態だ。変態変態変態変態変態変態。思春期の性はとんでもなく凶暴で歪で曲がりやすい。しかし、僕はその体操服を着ると彼女になったような気がした。もちろん彼女の柔らかく小さな胸の膨らみはない。ただ硬くなるペニスを触り声を上げるだけ。その歪な愛は愛と言えるのか。今でも僕は彼女が好きだが、これは愛なのか。性愛、肉欲なのか。嗚呼どっちだろう!!