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その剣は詩と共に  作者: ぐんそう
二章 道端に綺麗な花が咲いていたんだ。わかるだろ?それが絶望さ。
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4

「ミィザリィィィィィ!!!」


 かれこれ五回目のシャウト。左肩をガッシリと捕まれている。


「ミィザリ」


ブン!!!


「ごふぅ!!!」


 エリックの角材の振り下ろしが綺麗にきまる。男は地面に倒れていく。何故か花びらが舞っている。


「痛いじゃないですか」


 倒れると同時ににょきっと起き上がる男。エリックは背中に変な汗をかいた。


「いやだって怖かったから」


「左様でございますか。しかしながら、いきなり人を撲殺しようとするのはどうかと思いますよ」


 ハチャメチャなメロディーで肩を掴んだ挙げ句、超至近距離でシャウトするのもどうかと思う。


「そ、そうか。悪かったな。じゃ、じゃあ」


 思ったけれども、エリックは逃げ出したくて仕方がなかった。


「おおっと! お待ち下さい! 」


「な、なんすか? 」


「ここであったのも何かの縁。先ずは自己紹介といきましょう」


「はい? 」


「私の名前はラインハルト・フォン・ローエング」


「それ以上はやめろ。リアルに支障をきたす」


「では、ラインハルトで。愛のまま我が儘に吟遊詩人をやりながら旅をしております」


「あぁ、吟遊詩人? すごいな。よくわからないけど。頑張ってくれ。じゃあな」


「お待ち下さい! 貴方は? 」


(チッ。逃げられないか)


 エリックは腹を括る。


「エリック・スタンフィールドだ。勇者をやっている」


「まじか勇者。いてぇなこいつ」


 ぶん殴りてぇ。


「コホンッ! 付いていったら面白そうだ。ケケケケ(なるほどなるほど。素晴らしき出会いでございますな! これは運命を感じますぞ!! このラインハルト、勇者様の盾となり剣となりましょうぞ!!)」


「おい、本音と建前が逆になってるぞ」


……。


…………。


「息子よ! 」


「違うから。無理矢理すぎんだろ」


「づれでっでくださいよぉーーー」


 ラインハルトが体育座りで泣き出した。



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