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再会?邂逅?


 力の初使用と共に記憶が戻った。

 全部かは分からないけど、少なくても『とう』と交わした会話は思い出した。

――これがとうの力?

 なんか天変地異とか起こせそうに無い感じなんだけど?

 あ?でも、この傭兵崩れ驚いた顔?になってる気がするから力ってのは使ってるのか。

 

「小僧!・・・テメーは何なんだ!?」


 無視する。答える義務も必要もない。

 1歩下がる傭兵崩れ。

 すると陰になってて見えなかったが、森から、お父さん・ルドルと猟師・夜徳が駆け付けた所だったみたいだ。

 でも、僕が力を発動させたからか固まって動けないでいた。

 お父さんや夜徳さんにも効くなら、力は発動してるんだろうけど・・・思ってたよりずっと小さい力だな。

 

「よ~、お・ひ・さー♡」


 夢を思い出して直ぐだったから久し振りとは思えなかったけど、とうが現れた。

 しかもご丁寧に時間を止めた様だ。


「男がハート付けるなよ、キショイだけだから」


「お!暫く合わない内に言うようになったなー。しかし・・・ぷっ」


「なんだよ?」


「ぷぷぷ・・・チンチクリン」


 大爆笑していやがる、なんか腹立つぞ。


「こちとら10歳だ、チンチクリンなのはしょうがないだろ!、で、何か用があったんじゃないの?」


「いやなにな、力の初使用だろ?様子を見に来てみたんだよ」


「そか、んじゃ聞くけど、この力は思ってたより小さい気がするんだけど?」


「それはなー、お前がまだまだ成長段階だからだ、心身共にな。成長しきれば・・・今の倍以上は大きくなるな」


「倍?成長しても倍なの?」


 倍でも天変地異なんか起こせそうにないけど?

 担がれたか?


「何の訓練もしないで今のままならな。11属性の使い方も知らないのに万物を操る力が手に入る訳ないだろ?考えが甘すぎだ!甘すぎて虫歯になるってもんだぜ!まぁ、そのままでも対人では敵う奴は居ないけどな」


 そりゃそうか、遊び方の分からない玩具で遊べって言われても遊べないのと同じか。

 最強とか頂点には興味無いけど、何か有った時に使えないんじゃ困るから多少は使えないと不味いよね?

 どうすりゃいいんだろ?


「どうすれば良いんだ?訓練って」


「手っ取り早いのは魔術を使えるようになれ、それで8属性は問題無い。残り3属性は、3属性自体が何だか教えないから、ひ・み・つ♡」


「だから!キショイって!!」


「はははははははははっはは。とりあえず、そいつを無力化しろ。本題はそれからだ」


「様子見とか言っといて他に有るじゃないか(笑)」


「まぁな(笑)その時まで、また消えとくわ」


 そう言うと消えていった。

 完全に消えると時間が動き出した。

 と、同時に僕は動いた。

 傭兵崩れの後ろに移動し両足の太腿に刃落ちのショートソードで1撃づつ打ち込み両大腿骨を折った。

 いきなり目の前から僕が消えて両脚に激痛が走った傭兵崩れは倒れ崩れたが理由わけがわからず痛みも忘れて呆気に取られていた。

 なんかね、動きが凄い遅く見えたんだ、まだ時間が止まってるのかな?って思える程に。

 しかも、闘気法を使ってないのに簡単に骨を折れてビックリしてるんだけど?

 対人なら敵うのは居ないってこうゆう理由か。


 僕が動いたのを見て、お父さんと夜徳さんも動いた。

 うぉ!お父さん速い!傭兵崩れの仲間が気が付く頃には棒を打つ動作に入ってる。

 夜徳さんは、すでに反対側の仲間2人の両足を射抜いてるし。

 しっかり修練を積んだ人って凄過ぎだな。

 お父さん達は無力化した傭兵崩れ達を何かの薬?で動けない様にしている。

 僕の出る幕はなさそうなので、皆の方を見た。

 剛義も尚華のお父さんも目覚めていた、そして皆怯えている?何で?

 

 僕は剛義も心配だけど、蒼麗お姉ちゃんと尚華ちゃんの方に向かった。

 すると、いつも元気な蒼麗お姉ちゃんが青ざめている、尚華ちゃんに至っては涙を流しながら首を振っている。

 

「お姉ちゃん、頑張ってみたよ」


「う、うん・・・そうだね・・・」


「尚華ちゃん、もう、だい・・・」


「ぃゃ・・・いや!来ないで!来ないでー!!」


 泣きながら頭を抱え込み小刻みどころか大いに震えている。

 え?なに?僕の事?・・・何で?


「じゃーん、その時が来たので呼ばれてないけどジャジャジャジャーン♪」


「・・・いや・・・ジャジャジャジャーンじゃなくて。僕、ちっと落ち込んでるんだけど?」


「はっはっはーだからやってみたんだが?」


「テンションアップの効果なし」


「おま・・・やっぱ言う様になったな(笑)俺としてはその方が良いな。でな、その娘の反応だけどな」


「何でなのか分かるの?」


「勿論だ、お前の発動した力のせいだ。その力は全てを増幅させる力だ。属性値・筋力・五感・感情何かをな」


「・・・それで何でこうなるの?」


「それはな、制御出来て無いからだ。その娘がそうなったのは、お前が放った敵意・害意・殺意とかがその娘にも伝わったからだな」


「僕は尚華ちゃんには、そんなものを向けてないよ?」


「制御出来てないからって言ったろ?制御出来てないから関係のない奴等にまで等しく伝わっちまうんだ。分かるか?お前の意識を向けたい相手だけじゃなく全方位に放ってるんだ」


「それってダメじゃん!制御?・・・どう訓練すれば出来るようになるんだ?」


「いや、制御は訓練じゃ無理。各属性の守護者・司る者から加護と祝福を受けなければ制御は出来ねーな」


「その人達はどこに居る?制御出来なきゃ、この力はこのまんまじゃ疫病神以外の何物でもないじゃないか?」


「場所は自分で探せ、優遇はしないって言ったろ?その代りと言っちゃ何だが2つ用意した。1つは、次からは厄介な部分を制御してくれる奴等が来てくれる。1つは、覚えてるか?各属性トップの11人、あいつ等も今この世界に生まれてる。お前と違って転生な。そいつ等は、その力の耐性が少しはあるからな、だから、その娘みたいな反応はしない・・・と思う、ビビって固まるかもしれないけどな」


「それってどうゆう意味?」


「制御できるようになるまでボッチにならないって事だ。し・か・も!だ、お前が元の年齢になるまでに最低2人は出会う様に運命ってのをいじっといた。力を使いたくないから引き籠られても面白くないからよー」


「まずは、その人達を探せと?」


「探さなくても出会うと思うぞ?強い力同士は引き合うもんだしな。それに、もう出会ってるかもしれないぞ?」


 正直、引き籠りたい。

 これでまだ半分以下の威力なんだよな?

 発動条件も分からない力を分からない内に発動して周りをビビらせるなんて恐怖の大王じゃないか。

 

「1つききたいんだけど、この力の発動条件ってどうなってるの?」


「まだ言って無かったか?わりーわりー。その力はな、負の感情が極端に高ぶったり、周りが見えなくなるほどに集中したりすると発動する。今回は集中の方で発動したな」


「すると、必要以上に集中したり、感情の揺れ動きを少なくすれば発動しない?」


「集中の方はそうだな、感情の方は自分でも抑えきれない程のって事だから、今まで通りでいいんじゃないか?お前は呑気な方だし冗談も通じる方だしな」


「そか・・・先に言っておいて欲しかったな・・・」


「はっはっはー、記憶が無かった奴が何をいう!(笑)」


「そうだけどさ・・・」


「今回はこれ位だ、まだ何か忘れてる気がするから、また来るな。じゃーなー」


 そう言うと今度は瞬時に消えた。

 とうの事は嫌いじゃないし、何故か知らないけど話してて面白いけど・・・適当過ぎるだろ!

 困った奴だ・・・

 

「ジン君、ちょっといいかい?」


 いつの間にかに夜徳さんが背後に来ていた。

 何だろう?

 力の事・・・だよなやっぱり。


「蒼麗、お前は尚華ちゃん達を家にまで送ってきなさい。剛義君は軽傷みたいだからルドルの家に寄ってレイさんに手当してもらってから、薬を貰って尚華ちゃんの所まで届けてくれるかい?」


「うん、わかった」

「まだちょっとクラクラするけど、それ位なら大丈夫」


 そう言うと早速行動を始めた2人。

 何だろう?

 自分の力が及ぼす結果を知ったからか、2人が僕からすぐにでも離れたくてしょうがないって思っている様に思えてしまう。

 この2人は・・・11人の適性者じゃないのかな?尚華ちゃん程は怯えて無かったから、ちょっと期待したんだけどな・・・

 んじゃ

 お父さんと夜徳さんが適性者?

 

『大人には今のお前の力は短時間しか効かないからなー』


 とうの声だけ聞こえた、何でもアリだな(笑)

 16歳までまだ時間あるし、きっと出会うよね?出会ってもらわないと引き籠るからいいけど。


「それじゃ、ジン君は私とルドルの所へ来てもらえるかな?」


「・・・はい」


 トボトボと夜徳の横を歩きながら、お父さんの所へ向かってる途中で・・・

 それはやって来た。


 上空から緑色をした巨大な竜が・・・

 東の海の方から滑るように移動してくる青色の巨大な竜が・・・


「「なっ!?」」


 絶句する大人2人。

 そりゃするよなー、伝承にある風竜王・水竜王に瓜二つだもの。

 

 竜達は近くまで来ると・・・僕をジッと見てるのかな?

 何か・・・色々有り過ぎて疲れて来たよ。



 

 

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