事件(発覚)
冒頭部分、こうゆうの個人的に嫌いです。
必要だから書いたけど、書いていて楽しくない。
西方にて、どこかの国王が差別・偏見の戒めの対象になった話題が過去のものとなってきた年の秋。
天元北部にある自由都市ではハーベストが祝われていた。
この都市は東へ向かえば貴族連盟。
西へ向かえば輝司王国。
北へ向かえばディルザート帝国へと至る位置にある交易の要所であった。
しかし元々は交易都市などでは無く麦を中心とした耕作都市であった。
その名残は今も残しており、都市周辺には多数の村が点在し沢山の穀物・野菜が生産されていた。
今年のハーベストはいつもの年より盛況だった。
春には都市北部にある山々から豊富な雪解け水が流れて来て。
夏にはアラシア内海で発生した雨雲が輝司王国の西にある山脈で勢力を弱め、都市周辺にて栽培に適量の雨をもたらした。
春夏共に水に恵まれ、陽の光を遮る曇り空も少なく気温にも恵まれ、作物が育つに適した日々が続いたのだ。
そんな恵まれた日々が続いた今年は近年稀に見る豊作で人々は大いに喜びハーベストを堪能していた。
しかし、悪事を行う者は如何なる時も居るのだった・・・
ドサンッ!
「痛ったぁー、なにすんのよ!」
「なにすんのと来たか。見りゃわかんだろ?」
そこは、メインストリートから2本ばかし裏に入った道の物置小屋だった。
「目の前に女が居て、他に誰も居ないとくりゃやる事は1つだろ」
言い終わると男は、まだあどけなさの残る少女に歩み寄って行った。
「お、大声を出せば人は来るわよ!」
「聞こえるんならなぁ、出したきゃ出せ、つか出せ!出してもらわないと今一興が乗らねえんだ」
「相変わらず困った性癖をしてるな」
「お前程じゃねえよ」
「分かってねえな。成長途中の身体ってのが一番なんだよ。それにだ、こいつよりはましだ」
「ん?・・・穴ならなんでも良い。代わり映えはしない」
「確かにな、こいつは無節操だからな。ははははははははは。てと、いつも通り俺からで良いか?」
「ああ、騒がしいのは好きじゃない」
「穴ならなんでも良い」
「それじゃあ、お楽しみタイムと行きますか」
「こ、来ないで!イヤッ!イヤァァァァァッ!」
これ以上ないと言う声量で叫ぶが、物置小屋に張られた闇の結界により吸収されてしまい外部に声が漏れることはなかった。
・・・
・・
・
物置小屋には焦点の合っていない目をした少女が1人寝そべっていた。
少女が知りうる凌辱の限りを受け放心していた。
その少女が僅かに意識を戻したのは一番鶏の鳴き声を聞いた時だった。
「・・・帰らなきゃ・・・」
焦燥しきった少女は重い身体を起こし引き摺る様な足取りで歩き去って行った。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
冷たく乾いた北からの風がなりを潜め、南からの暑く湿った風が吹くようになった。
じきに日陰に居ても玉の様な汗をかく季節がやって来る。
暑い季節は多くの動植物が次代を残す為に活発になる、人々もまた収穫の少ない寒い時期を越す為に活発に活動をする。
ジンもまた、休暇中に生家のある村の耕作仕事を手伝ってきていた。
身体中がバキバキする・・・
年々やる事が増えているのは気のせいじゃないよな。
16歳になって体つきが良くなったとは言え、あんなにやるのはどうなんだろう?
僕は剛義と違って力仕事向きじゃないと思うんだけどな。
「ジンくーん!」
蒼麗姉ちゃん?
なんだろう?
姉ちゃんは今日は料理科の方に行く日だと思ったけどな。
「ジン君!ランゲってなんとかならないの!?」
「はい?」
「何度断ってもしつこく誘って来るのんだよ。なんとかならないの!?」
「いや、僕に言われてもなぁ」
「む・・・確かに。じゃあ愚痴聞いて!」
「えっ?」
「ぐ・ち・き・い・てっ!」
聞いてって言われてもなぁ。
これから昼ご飯食べて専科の授業に行くんだよな。
ん~・・・
「ご飯の間なら聞けるけど・・・」
「ダメッ!愚痴が無くなるまで!」
「さすがにそれは・・・」
「私より授業の方が大事だって言うのね?泣いちゃうよ?私」
嘘だっ!
姉ちゃんがそれくらいで泣く訳がない!
でも、盛大に拗ねそうだ。
拗ねた姉ちゃんは厄介な時があるからなぁ。
「ねー、あたしの愚痴も聞いてー」
「私のも聞いて欲しいかな?」
「うわっ!」
コノネさんと尚華ちゃん?
いつの間に、ってよりも、後ろからいきなり声を掛けないで。
「コノネと尚華ちゃんもやっぱり?」
「そうなのー」
「ランゲ君はしつこい」
「だよね、嫌がられてるのを理解してないのかな?」
「分かんないけどー・・・
「してないなら、相当だと思う」
「あー、とりあえず食堂に行かない?美味しい物を食べたら愚痴も減るかも知れないしさ」
今はなんとか話を昼ご飯にそらせたけど・・・
ランゲは何がやりたいんだ?
必須科目の試験は合格してる、だけど専科の授業には出ていない、出ないくせに卒業はしない。
本当に何がやりたいのかが分からない。
毎日毎日女の子に声を掛ける為に来てるとしか思えない。
それだって大半に断られて、たまたま用事が無くて誘いに乗った人も二度と誘いには乗らないそうだし。
しかも何度となく断られているのに、したり顔で誘うみたいだし。
何度もトライすれば乗るとでも思ってるのか?
そもそも今のあいつの誘いに乗る人っているのか?
本当に分かんない。
ナンパしかしないなら、さっさと卒業しちゃった方が良くない?
学外ならランゲの悪評を知る人は少ないはずだし、成功率も高いんじゃないの?
さっさと卒業してくれないかな?
そうじゃないと僕にとばっちりが来て困る。
愚痴を聞くのだってこれで何度目だっけ?
忘れる位に愚痴を聞いてるよ、本当に勘弁して欲しい。
「ジン君は何を食べる?」
「サンドイッチ」
「んじゃ私も♪」
「あたしは・・・Aランチー」
「私は、おにぎりセットで?」
少しは落ち着いたのかな?
「さて・・・本格的に愚痴りますか!」
「「賛成~」」
マジですか・・・
・・・
・・
・
かれこれ2時間は居るんじゃないだろうか・・・そろそろお開きにしてくれないかな?
疲れちゃったよ。
解放してくれないかな?
僕は一言も発して無いんだし居る必要はなくないかな?
と言うか、ウェザ先生が僕を探しに来た時、愚痴じゃなかったよね?
屋台の話をしてたよね?
それなのに・・・
『先生に乙女の悩みを解決できるんですか?』
ってなんなの?
流行りのスイーツの屋台が乙女の悩みなの?
それに、先生も先生だよ。
『お、乙女の悩み?・・・ジン、強く生きるんじゃぞ!』
ってなんなの?
訳が分からない・・・誰か助けてよぉ。
「あっ!ランゲだ」
ん?
本当だ・・・また誰かに声を掛けてるのか。
・・・だよな、乗る人なんてもう居ないって。
「本当に懲りない奴だね」
「うんー、自分を分かってないよねー」
「誘いに乗った子に聞いたんだけど、話が凄く詰まらないんだって」
「あぁ、なんとなく想像つくなぁ・・・
女の子って裏に回ると陰口ばっかりなの?
・・・女性不信になりそうだよ。
ん?
・・・ランゲの奴・・・なんだ?あの表情は・・・醜悪の一言じゃ言い表せない位に歪んでる?
・・・なんなんだ?
「ねぇ、ジン君。ジン君!」
「ん?な、なに?」
「聞いてるの?」
「ごめん、あっち見てて聞いて無かった」
「しょうがないなー」
「ランゲ君を見ていても仕方ないよ?」
「うん」
「でねでね・・・
それから更に2時間程は解放される事は無く、愚痴溢しと言う名を簑に着た女子会に強制参加させられた・・・
〔翌日の昼過ぎ〕
昨日は大変だったけど・・・今日は来ないよね?
昨日の今日でストレスマックスまで蓄積とか有り得ないし。
あっ、ランゲ・・・またやってるのか。
・・・僕には関係ないし、無理矢理どうこうって訳じゃないからから良いか。
「おぉっ!ジン!これから魔術科か?」
「ウェザ先生・・・昨日のは酷いです!助けてくれてもよくないですか?」
「そうは言うがなジンよ、乙女の悩みなぞと言われて反論できる訳がなかろうて」
そうかも知れないけど、僕になら解決出来るのかとか聞いたって良いと思うけどな。
逃げれなかったから、女の子は裏で何を言ってるか分からないから気を付けろ。
そうとしか思えなくなりそうなんだけど?
「ジンくーん!」
げっ!
まさか、またじゃないよね?
「ジン君も魔術科だよね?一緒に行こう♪」
「う、うん」
「儂は無視かっ!?」
「あはははは♪ウェザ先生こんにちは、今日も宜しくお願いします」
「う、うむ」
「でね、ジン君・・・
無視、してるよね?
先生軽く凹んでる様に見えるんだけど、良いのかな?
「そうそう、今日またねランゲが来たの」
げっ!
また愚痴溢しと言う名の女子会を?
「当然断ったけどね、もう誘わないって言ってたんだよ!しかも、これまでの詫びだって言って焼き菓子くれたんだよ。なんか裏が有りそうな気はするんだけど焼き菓子に罪は無いでしょ?」
「まぁね」
「うん、でね、食べたら美味しかったんだ。だからジン君にも食べてもらいたかったから半分残して置いたんだ♪」
・・・なんだろう?
何時にも増して饒舌だな、前にもこんな事があったような・・・
「はい、これ♪」
「う、うん、でもさ、ランゲが知ったら面倒な事にならないかな?」
「?・・・なんで?」
「これは蒼麗姉ちゃんにあげた物だから僕が食べるとイチャモンをさ」
ランゲなら有り得るんだよな。
「これは私が貰った物だから、私がどうしようと私の勝手でしょ?何か言って来たら同じ事を言ってやるから大丈夫だよ」
そうは言っても相手はランゲだしな。
ネチネチ来そうな気がするんだよ。
「ってな訳で、はい♪」
ん?・・・手が赤い?
「あっ!」
手を取ってみると、熱い・・・熱でもある?
あ、顔も赤い・・・
「な、なに?」
「姉ちゃん熱があるよ、しかもあり得ない位に高熱かもしれない。とりあえず医務室に行こう」
「熱?・・・そういえば少しフラフラするかなぁ」
「ちょっと待つのじゃ・・・蒼麗、鎖骨の間を見せてくれんか?」
「え?・・・はい」
何時に無く真剣なウェザ先生の表情を見て、からかったりゴネたりせずに素直に従ったんだけども。
鎖骨の間?
どういう意味だ?
「これはいかん!ジン!早急に医務室に運ぶんだ!儂は教諭の召集を行うので付いては行けん、じゃが直ぐに向かう!」
言い終わると直ぐ様本校舎に向かい走って行っちゃったけども、ヤバイの?
蒼麗姉ちゃんの鎖骨の間には血でも出ているかの様な赤い痣の様なものが出来ている。
痣の周囲は手や顔と同じ位の赤さで、見るからに熱そうなんだ。
いや、今は考察は後だ、ウェザ先生の慌て様は普通じゃない。
急いで医務室に行かないと。
「姉ちゃん!行こう!」
「・・・う・・・ん・・・」
「姉ちゃん?・・・姉ちゃん!?」
恐らく熱に耐えれなくなったんだ、フラフラして意識も朦朧とし始めた。
歩かせるのは無理だ、肩を・・・いや、負ぶる方が早い。
「姉ちゃん、背中に乗って」
「・・・ん・・・ん・・・ん?・・・」
ダメだ、考えるのも儘ならなくなってる。
立って居れてるのが不思議な位なのかも知れない。
「姉ちゃん、抱っこするけど良いよね?」
「・・・ん?・・・ふぁ?・・・ん・・・」
チッ!
後で何を言われるか分からないから了解だけは取りたかったんだけどな・・・
普通の抱っこは無理だな、恥ずかしさは有るけど今は無視だ!
・・・熱い!
お姫様抱っこをしたんだけども、姉ちゃんの身体中が熱い、衣服の上からなのに身体の熱が異常だって分かる。
なんだってんだ?
ほんのちょっと前までは熱が有る様な感じは全くしなかったのに、急激に上昇したよな?
これは病気なのか?
こんな病気が有るなんて聞いた事が無いぞ、一体なんなんだ?
「ジン!」
「剛義!・・・コノネさん?まさかコノネさんも?」
「姉ちゃんもか!?いきなり倒れたのか?」
「いや、無理矢理抱っこした。それより急ごう」
・・・なんだろう?
以前と書き方がまるで違うような気がする。
もう1つの連載の影響なのかな?




