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鍛冶木工協会にて

こちらで使えないネタを短編として書いていたので投稿が遅れました。

待って居てくれた方々、申し訳ありません。

 お仕置きモードに入りそうだった蒼麗から逃げるように鍛冶木工協会にに向かった剛義とコノネ。

 

「ふぅ・・・ここまで来れば大丈夫よね?あーぶなかったねー、蒼麗ちゃんのお仕置き炸裂してたら今頃・・・」


 ブルブルっと短く震えるコノネ。

 女の子からしても蒼麗のお仕置きは恐怖の対象みたいだ。


「なぁコノネさん、姉ちゃんは女の子にはどんなお仕置きをすんだ?男には目玉が飛び出るかと思う位の拳骨なんだけどさぁ」


「め、目玉が!?そ・・・それも怖いねー。んーと蒼麗ちゃんのお仕置きはね、気が付くと近くに居て『反省したか?』ってずっと呟いてるの」


「そんなもんなの?」


「剛義君!何言ってるの?トイレだろうと、お風呂だろうと、布団の中だろうと、気が付くといるんだよ?」


「げっ!・・・かなりホラーだな」


「でしょー?蒼麗ちゃんってある意味最強なのよねー」


「最凶・・・の間違うじゃ?」


「剛義君!それ、お仕置き対象だよ?」


「む?」


「お互い気を付けよう」


「・・・うむ」


「さて行こっか、こっからだと直ぐだからさ」


 2人は南東地区の内部に向かって歩き出す。

 内部に入って来ると鍛冶と木工の工房やが増えて来た。

 南東地区は協会があるために多いのだろう。

 多くあるためか他との違いを出すために特化して専門で作っている所や、数とスピードを重視している所など様々ある。

 中でも剛義の目を引いたのは装飾品を製造している工房だ。

 剛義の父親の銀は武器や農工具を主に作っているので初めて見る光景なの。

 剛義は武器・農工具を作るのも大胆な技・繊細な技そして即座に判断する決断力が必要な職人技だと思っているが、装飾品を作る上で必要な技は細心の注意力と揺るがぬ集中力なのではないかと思った。

 それは自分に足りていない要素なのではないかと思い始めていた。


「そう言えば剛義君のお父さんって鍛冶屋なんだって?」


「ん?そうだが?武器や農工具を主に作ってるな」


「ふーん、剛義君も卒業したら鍛冶屋になるの?」


「まだ何にも考えてないな。でも何になるにしても鍛冶に関わる事をしたいとは思ってる。でも、ずっと先の話だな。先にやらないといけない事がある」


「へぇ~一応考えてはいるんだ。で、やる事ってなぁに?」


「強くなる事だ。姉ちゃんよりもな、そしてジンに追い付く」


「蒼麗ちゃんより強く!・・・でっかい目標だね」


「目標はでっかく、だ!」


「あはははは、がんはれー。それとさ、ジン君って強そうに見えないんだよなー」


「あいつはな、飄逸としてると言うか、ノホホンとしてると言うか、呑気な感じだからな」


 剛義は今現在ジンに劣る事を認めていた。

 認めた上でジンの強さが何なのかを探った。

 観察と考察の結果、最小限の動きで攻撃を逸らしたり避けたりして相手に攻撃を振り切らせて隙を作り反撃に転ずるじゃないかと思った。

 昔の剛義ならば、受け止めて跳ね返せば隙は作れると言っていただろうが。

 ジンとの稽古で空振りが増えてきた事で気が付いた。

 疲れるのだ。

 空振りが10回位続くと剣が重く感じて来て、20回も続くと全身から汗が吹き出るようになる。

 それに対してジンは汗一つ出ていない。

 そこで心底思い至った。

 武術とは腕力や体力だけではない。

 それ以外の要素も備えていて一流になれるのだと。

 そこに考えの至った剛義は貪欲だった。

 教えを請う事も厭わない気は有ったが、先ずはジンと父親の真似をしてみた。

 やはり最初から上手くいくわけはなかったが、何度も反復していく内に身に付いてきた。

 しかし、どうしても身に付かない物も有った。

 それは集中力。

 人並みの集中力はあるのだけど、それ以上の集中力がなかった。

 剛義には待つと言う事が出来なかった。

 待っている途中でじれてしまって闇雲に攻撃を仕掛けて返り討ちに合うのが常だった。

 本来なら忍耐が無いと言うものなのだが。

 剛義は待つ事に集中出来てないからだ。

 と位置付けていた。

 なので集中力を身に付ける方法を探していたのである。


「うんー、ジン君ってパッと見は昼行燈ひるあんどんな感じがしちゃうよねー」


「その通りだな。でも分からない事とかをあいつに聞くと分かり易く教えてくれたりするんだよな」


「そーだね。さっきの仲介屋の話も、なんか分かり易かったよね」


「だな」


「ジン君って第一印象で損する人みたいねー」


「かもしれないな、でも、あいつは目立つのが嫌だと言ってるから、それで良いんじゃないか?」


「そーなんだ?あっ!!通り過ぎちゃった!あそこが協会よー」


 コノネが指を指す先には、石造りで3階建ての質実剛健を形にしたような鍛冶木工協会に相応しい建物が・・・

 建ってはいなかった。

 建っていたのは。

 少なく見積もっても築年数は100年以上のくたびれた木造の平屋だった。

 敷地面積は、この辺りでも指折りの広さを持っているので大きな建物ではあるが・・・

 見た目が見すぼらしかった。

 お世辞を言っても跳ね返される程に。

 戸惑いを隠せない剛義を余所にコノネは建物の入り口に向かっている。


「どーしたのー?早くおいでよー」


「お、おぅ」


 催促されて急ぎ建物の中に入ると・・・

 中は、新築か?と思うほど綺麗な内装をしていた。


「あら、コノネちゃんいらっしゃい」


「はーい♪いらっしゃいましたー」


「そっちの子は見ない顔ね?お友達?」


「はい、蒼麗ちゃんの幼馴染でーす」


「初めまして、剛義と言います。今年度から学校に通うことになりました」


「それじゃここは始めて来たのかしら?」


「はい、初めてです」


「あれー?剛義君のお父さん鍛冶師でしょー?付いて来た事はなかったの?」


「うむ、村からここまで9時間は掛かるからな」


「ん~、蒼麗ちゃんの幼馴染って事は・・・銀さんの息子さんかな?」


「えっ?あっ!はい、そうです」


「そっかそっか、ちょうど銀さん作の最後の1本がさっき売れたのよ。ほら、あれよ」


 受付の人が指差す方の壁には所狭しと刀・剣・斧・鉈・鎌・鍬などが飾られていた。

 雑多に飾られている所を見ると。

 製作者別に並べられている様だ。

 製作者の名前などは付随していないのに、不思議とそれが父親の作った物だと直ぐに分かった。

 それは、ソードブレイカーだった。

 片刃で肉厚な刀身で刀の背は短く太い櫛状になっている特殊なサーベルの一種だ。

 そのソードブレイカーは実用一点張りで飾りけなどなかった。

 だからなのか?

 それが父親の作だと分かったのは。

 他の物はゴテゴテに装飾された物から、鍔や柄頭などにちょっとした装飾が施されていて作者が誰なのか分かるようになったものばかりだった。


「銀さんの作った物はね質が良いから直ぐに売れちゃうのよ。意匠なんかも無いでしょう?それも売れる一因なのかもね」


「ほぇ~・・・剛義君のお父さんって凄いんだね!」


「そうみたいだな。・・・知らなかった」


「そうね、銀さんはペラペラ自慢する人じゃないと思うからね。それで、コノネちゃんは今日は何をしに来たの?」


「えっとねー、100gの硬銀のインゴットを5個買いに来たの」


「100gは今は在庫が無いわね、500gじゃだめなの?」


 などとやり取りをしている2人を余所に剛義は装飾品を陳列してある方に行った。

 装飾品も簡素な物から、ここまでするか?って位に彫刻の施された物まで色々ある。

 手に取って良いのか分からないので、じっくり見ているとコノネがやって来た。


「剛義君は彫金に興味が有るのかな?」


「ん?こう言うのは彫金って言うのか?」


「うん。指輪・腕輪・首飾りに耳飾り、後は冠なんかは彫金の部類になるんだよー」


「そうなんだ、・・・これなんだけど、魔晶が付いてるみたいだけど、なんでだ?」


「それはねー結界を自動発動する機能付きなんだよー」


「そんな物まで作れるのか?凄いな」


「うん、発動魔晶とね銅線で繋がっていてねー備蓄が切れるまで自動発動するの」


「銅線?」


「うん、銅線はね発動魔晶の能力を伝導しやすいんだって、銅以外にも白金とか魔導銀なんかも伝導するんだってよ」


「ふーん・・・なぁ?学校の鍛冶の専科って彫金だけでも教えてくれるのか?」


「ん?うん、教えてくれるよ、あたしもそーだもん」


「そっか」


「剛義君、鍛冶科に来るの?」


「うむ、彫金を学んでみたい」


「そっかそっかー、ちょっと早いけど、ようこそ鍛冶科へ」


「ははははは、確かに早いな」


「ははははははは」


 こうして剛義は魔術科と鍛冶科を専攻する事になった。

 

もちろんこちらがメインで書いていきますが

もしよかったら短編も読んでみて頂けると幸いです。


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