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魔術師ウェザ

ウェザのキャラ付けに悩みました



 試験を終えて本校舎近くにあるベンチに座って呆けていた。

 気のせいか昨日今日と呆けている時間が多い様な・・・

 周りに誰も居ないのですよ。

 1月の冷たい風が吹いているだけだ。

 試験?

 あの試験は何かの間違いなんじゃないかな?

 講師の先生にも確認とりたかった位だ。

 ・・・簡単過ぎたのだ。

 語学Ⅰは、カタカナとひらがなの読み書き。

 語学Ⅱは、小学生レベルの漢字の読み書き。

 算学Ⅰは、加算(足し算)と減算(引き算)を2桁まで。

 算学Ⅱは、積算(掛け算)と除算(割り算)を答えが2桁以内まで。

 地産学は、燕楼近辺の地理と産出物と、近隣の都市までの地理と産出物の事を解答する。

 地産学のみ勉強してないと分からない内容だったけど、父さんの本棚から地図を見つけて彼是あれこれと聞いた事が解答だったので苦も無く難も無く解答を書いていけた。

 1科目50問あったけど、あの程度なら5科目全部やるのに1時間も掛からないで終わってしまった。

 終わったは良いんだけど・・・何しよう?

 

「お主、試験はどうしたんじゃ?まだ始まったばかりじゃろう?」


 呆け過ぎて誰かが近寄って来るのに気が付かなかった。

 その人は白髪の短髪で麻の半袖シャツを着てズボンはニッカボッカの様な太股部分はゆったりしていて脛部分はピッタリしている物を履いている長杖を持った筋肉質な人だった。

 杖を持ってるって事は魔術師なのかな?

 でも・・・あの筋肉は魔術師の身体じゃないよな。

 それと、寒く無いのか?

見ているこっちが寒くなりそうなんだけど。


 何かイミフな人に遭遇してしまったなぁ。

 半ば呆けて考えていると。


「見ない顔じゃの、新入生か?・・・ふむ、入学早々試験をボイコットとはやりおるのう」


 ニヤリと笑みを浮かべて感心している。

 この人・・・ヤンチャ系称賛派?

 僕はヤンチャ系じゃないから・・・断じて違うから。

 素直に。


「いえ、全部終わったから教室を出て来たんです」


「なんと!終わったと申すか!出来る方でやりおる奴じゃったか」


「やりおるかどうかは知らないですけど・・・あれ本当に卒業資格試験なんですか?」


「そうじゃ、あの程度出来れば日常生活が楽になるじゃろう?あれ以上を学ぶのは専科じゃのう」


 なるほど、最低限で理解してれば卒業って事なのか。

 

「それよりお主、暇か?」


「えっ?はい、暇してます」


「そうか、なら少し儂に付き合わんか?」


「構いませんが、どこへ?」


「儂の専科棟へじゃ」


「えっと・・・武術ですか?魔術ですか?」


「カッカッカ。お主面白い事を言うのう、杖の武術なぞ聞いた事無いわ」


「でもその杖、父さんの使ってる棒より太いですよ?」


「ほう、お主の父親は棒術を使うのか、・・・所でお主の名は何と申す?儂は魔術科講師のウェザじゃ」


「僕はジンです。今年入学しました」


「なるほど、ジンか。宜しくのう」


「こちらこそ宜しくお願いします」


 魔術科棟は本校舎から直ぐの所に有った、建物自体は2階建てだがウェザが言うには地下は3階まで有るとの事、地下に広い理由としては自分の得意属性を部外者に見られない様に修練するために下に向かって拡張したそうだ。

 得意属性は完全秘匿と言う訳でもなくて、自ら公言するのは自己責任って事で魔術科は関与しないらしい。

 ウェザは僕を連れ立って地下1階にある自室へ招き入れた。


「ここが儂の自室じゃ、それでじゃ、お主に来てもらったのは幾つか聞きたい事があっての」


 何だろう?

 秘密にしておきたい事は幾つか有るけど、それ以外は聞かれても困らないと思うんだ。

 などと考えを巡らせて小首を傾げていると。


「ズバリ聞くが、お主か?風竜王と水竜王と会話をした子と言うのは?」


 あぁそれか。


「そうですけど、何で分かったんですか?」


 でも何で知ってるんだろう?

 普通に不思議だ。

 村から僕の情報が出回って無い限り分かる訳がない。

 その辺りは村が孤立する恐れが有るから村外には秘密にするって事で決まったと聞いていた。 決まる前に村に来ていた人はいないはずだし、何でこの人は知っているんだろう?


「カッカッカ、何で知っているのか不思議だって顔をしとるのう。儂はのう、お主等の捕まえた野盗共から聞いたんじゃ」


 なるほど、そうだった、あいつ等は捕まえたその日に荷馬車に乗せて大人数人で運んだんだった。

 夜中に着いたのに犯罪者移送って事で例外に城門を開けて引き渡しをしたって言っていた。


「ジンって呼ばれてた訳の分からない威圧感のある小僧が2匹のバカデカイ竜と話をしていたと聞いてのう。他にも、棒術使いにやられて薬を盛られたとか、弓で射抜かれたなどと言うのも聞いておったしのう」


 それでか、父さんが棒術を使うって知った後、直ぐ名前を聞いたのは。

 名前が違えば僕の情報を当たり障りない様に聞き出していたのかもな。

 この人の事はまだ良く分からないけど、それくらいは出来そうな感じがする。


「それでの興味を持ったと言うだけじゃ、根掘り葉掘り何か聞きたい訳じゃない。それにのう、お主が本人で無くても個人的に話してみたのう。何やら他と違う雰囲気を持っておるでのう」


 他とは違う雰囲気?

 加護の事かな?

 それとも『とう』の力かな?

 前時代の記憶持ちについてかな?

 心当たりが有り過ぎて分からない。


「ほう、その反応だと心当たりがありそうじゃな。ジン、お主は面白い奴じゃのう。どうじゃ?魔術科に来る気はないか?」


 もちろん魔術科の門を叩くつもりだ。

 『統』は言っていた、魔術の訓練をしなければ力の威力は上がらないと。

 それに剣術と魔術が使えれば無用に力を使わなくても済むかも知れない。

 あんなボッチ確定恐怖の大王能力は使わないに越した事はないのだ。


「そのつもりです、正直なところ他の科に興味あるのが無いので」


 これは本音だ。

 武術は銀さんに習ってるので十分だし、薬草学は父さんに教わってるのが中途半端なのに他から知識などを挟むのは良くないと思う。

 商学・農学・鍛冶・木工などは自分の目指す所とは違うので興味が湧かない。

 僕の目指すのは薬草師と治癒術師だ。

 思うんだけど、薬草と治癒術を併用すれば命が助かったり病気が治る人がもっと増えるんじゃないかって。

 その事を思ってるまんまウェザに伝えてみた。


「ふむ・・・お主の推論は恐らく正しいじゃろう。だがな、助かる人が増えると言うのは戦を起こす原因となるぞい」


「えっ?」


「助かる人が増える事は食い扶持が増えると言う事じゃ、食い扶持が増えれば食料を作る人が、農夫が増えねばならん、農夫の増加は更なる食い扶持の増加、それを繰り返すと農地が足らん様になる、農地を増やすのは簡単にはいかん、人手も予算も時間も掛かる。素直に自国内に農地を増やす方針ならば良いが手っ取り早く農地を増やすならすでにある農地を奪うのが楽じゃからの」


 そうか・・・

 そこまでは考えてなかった。

 助かる人が少し増えると大量に死ぬ出来事が起こる可能性があるのか。

 でも。


「でも、人は愚かではないと思います」


「そうじゃの、愚かでは無いかも知れん、じゃが楽はしたがるぞい」


「それは・・・」


 確かにその通りだ進んで苦の道を歩む人は中々いない。

 ならどうすれば良いんだろう?

 助けれる人を見捨てて置くのは出来そうにない。

 この考え事態を破棄すれば良いのか?

 

「ふむ・・・これはお主が人生を掛けて答えを見つけ出す事なのかもしれんのう」


「人生を掛けて・・・」


「そうじゃ、一朝一夕で答えが見つかる様な簡単な事じゃ無いのう、悩み苦しみ苦悶のの果てに答えが見つかる事じゃ」


 人生を掛けて・・・山あり谷あり艱難辛苦の果てで答えが見つかる・・・

 茨の道どころか針山の道に思える。

 僕に到達できるのかな?

 不安しかない。


「ジン、お主は付いておるぞ」


 何で?難題にしか思えないのだけど。


「その年で人生の目標を見出すなんぞ中々にない事じゃ。それを公表するしないに関わらず進むべき道が有ると言うのは強みじゃ。目標も無くダラダラと毎日を過ごすのはある意味地獄なんじゃぞ」


「・・・そうなんですか?僕にはまだ分かりません」


「カッカッカ、まぁそうじゃろうな。お主はまだまだ若い、それも込みで考えて行くのじゃ」


「そういう物なんですか?」


「そういう物じゃ、儂がお主位の頃は目標も何も無かったわい目標を持った時には、もっと早くこの道に進んでいればと後悔したもんじゃ、じゃからお主は付いておつのじゃ」


「はぁ・・・やっぱり僕にはまだ難しい話ですね」


「カッカッカ、焦るでないまだ始まったばかりじゃ儂の様に後悔する者を目の当たりにして理解できる事じゃろうて。・・・ふむ、話を戻すが魔術科に来るなら属性値測定をやってみんか?」


 僕は自分の属性値を大体把握している。

 でも、身体が成長しきってALL50って言ってたはずだから今の属性値が正確にどれ位なのかは分からない。

 量ってみる価値はあるな。


「はい、量ってみたいです」


 量るには後数人必要だというので他の誰かが来るのを待つ事になった。

 その間ウェザと魔術について色々話した。

 ややこしいのかと思ったが、仕組みは結構簡単だった。

 基本的に魔術の行使は・・・


「先生居るー?」



ウェザはこの後も微妙に性格がが変わっていくかも

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