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ラウンジ嬢の世界

作者: 坊ちゃん

サラ


【最初の頃】

彼女との出会いは、一年前(2006年)の僕の誕生日の頃にさかのぼる。

ある地方の飲み屋で働いていた娘だ。最初は他の店で酔っ払って来たせいか、全然彼女の事を覚えていなかった。では、どうして彼女と知り合ったのだろう。それは、一本の間違い電話からだった。サラという名前の別の女の子に用事があって、電話をしたつもりが、レガッタのサラに電話をしてしまった。最初、ちぐはぐな会話をしたよ…!

そのうち、レガッタのサラだという事に気づいた!その時、今度、お店に飲みに行く約束をした…!僕は、記憶の中にサラの事はほとんどなかった。悪友と一緒にいたので、それほど酔っ払って、サラの事に気付かなかった。

最初に会ってから、1ヶ月位してレガッタに行ってみた。二回目の来店だ。サラに会うために…

正直、僕はビックリした。

こんな可愛い女の子だったとは…自分の目が信じられない位、サラは綺麗だった。

僕は人を見る目があると思っていたけれど、最初に気付かなかったので、それも疑わしいだろう。

その時の衝撃はそれまでに経験した事がないものだ。僕は、本当に一生涯愛せる女性に初めて会えたよ…!最初から、インスピレーションがそう言っていた。僕は、それから時ある事にレガッタに飲みに行くようになった。と言っても、毎日通い詰めたのではない。平均すると、月に一、二回レガッタに行ってたよ…。

ただ、毎日、メールのやり取りをしていた。不思議な位、彼女は僕にメールを送ってくれた。1ヶ月もレガッタに行かない時も、メールを送ってくれた。


[今から仕事だよ…ゆうちゃんも頑張ってね〜…]

みたいなメールが多かった。僕が忘れていても、毎日、メールを送ってくれた。彼女は、優しくて思いやりのある女の子だ。

僕は、最初は店のお客さんだから、一生懸命にメールをしているんだろうと思っていた。

彼女も、最初は、そうだったのかもしれない。でも、3ヶ月位たってからだったけど、僕が、携帯電話の料金の支払いが遅れた時、一週間ほど電話が使えなかった。その後、電話が開通してサラに会った時、彼女が涙ぐんで[心配したんだから…もうこのまま会えないかと思った]と語った。僕は、その時、初めて、サラの気持ちに触れた。

僕の事を単なるお客さんと思っていないのかもしれない!

そう思えてきた。でも、サラは、その店の売れっ子で、他のお客さんからもアプローチされているから僕の事を特別に思っているのでもないだろう…と、思っていた。その頃、レガッタには、カラオケがあった。僕は、お店に行くとカラオケばかり歌っていた。特にケツメイシが好きで、

「涙」や

「サクラ」と言った曲が好きでよく歌った。サラも歌が好きらしく、ケツメイシは好きだったそうだ。最初の頃、僕は歌が下手で、なんで下手なのに、カラオケ歌うの?と、別の人に聞かれた事があるが、僕はただ一言、『好きだけん』と言って歌い続けた。最初は、聞くに耐えない声だったのが、徐々に聞けるようになった。

サラは、黙って隣に座ってニコニコしながら聞いてくれた。僕は、よくこんなに下手なのに僕の歌を聞いてくれるな〜と思っていた。

年が明けて、3月にサラが月刊誌のカバーガールに抜擢された。ワイドと言う雑誌だった。その号の中で、サラの彼氏になる人の条件に歌がうまい人、となっていた。

『俺の事じゃないな〜』と、しばらくは思っていた。自分にそんな自信とかなかったし、サラが僕の事を好きかどうかも分からなかった。

でもある時、サラがこう言った。

『ゆうちゃんは、歌がうまいよ…』

えっ?ホント!僕は耳を疑った。サラはもしかしたら、僕の事、好きなのかな〜…何か、徐々にサラの心が僕に向かっていた事を感じた。

でも、どうして彼女と仲良くなるのに時間がかかるのだろう?と、僕はいつも感じていた。


【一年たって】


サラどうしている?


風邪の調子はどう?

もう、だいぶいいかな?

無理したらダメだよ

僕は、さなの全部が好きだよ…!

君の怒った顔もいとおしい…

でも、君が泣いた時は、たまらなかった。

胸が刺されたような気持ちだったよ…君の泣き声が今でも耳に焼き付いて離れない…

あの時は、本当にゴメン…(泣)

どんな事があっても、君と一緒にいたい。



サラとの事は、一年間を通して、いろんな事があった。サラはいつも、微笑みを浮かべながら僕の事を見てくれていた。

サナは自由を愛する女の子であり、思いやりのある子だった。

僕はある時、飲んだ勢いで、彼女の腕を握って離そうとしない事があった。

彼女と話す時間がもっと欲しいと思っただけの事だった。

でも、彼女からしたら、僕の力が強く怖かったらしい。

その時の彼女の声 『私を自由にして。

束縛するのは止めて!』と言うものだった。

僕はその言葉にハッとした。

いつの間にか知らないうちに彼女の心を抑えつけようとしている自分がいたのだ。

彼女を愛していると思っていたのが、いつの間にか束縛に変わっていたのだ。

僕はしばらくの間は、ア然としていたが、冷静になって自分を見つけるようにしていった。

本当に彼女の事を愛しているのだろうか?それとも、彼女を単に自分のものにしようと思っているだけの事だろうか?ジェラシーという言葉が初めて浮かび上がって来た。

僕は、人に対して嫉妬すると言う事など無縁だと思っていた。しかし、ここに来て、自分にもそうした感情があるのだと言う事に気付いた。人に対してはジェラシーなどいけないと批判しておきながら、自分でそうした感情を持っているのだ。反面教師だ。まったく持って迷惑な話で、サラを苦しめていた。僕はいったいどうしたらいいのだろうと真剣に考えたのだ。


 心の声


言葉の端々に

君の心の声が響いてくる

えがおの奥にある

君の心の悲しみは

誰が知っているのだろう


ちょっとしたしぐさ

君の瞳の中に

お茶目な少女の姿

君の心の喜びを

誰が知っているのだろう


7月の雨は

時に酷く全てを流していく

喜びも悲しみも全てを

さらっていく濁流のように

とめどなく涙が流れて仕方ない


君の心の中にある悲しみも

僕の心の中にある憂いも

全てを流せ

濁流のように涙と共に

全てを流せ


君の笑顔を取り戻せるように

君の瞳がキラキラと輝いて

涙が宝石となって

天空に輝くように



サラとは、その後、僕の友人の啓二の取り成しもあって徐々に関係が元に戻っていった。

しかし、今回の事で、自分の気づいていない点がある事を知った。

それは、酒が入ると強引な所があるということだ。

僕は普段は、酒を飲むと笑い上戸になり、酔っ払ってしまうとそのまま寝てしまう人間だと思っていた。

しかし、本当の姿がここに現れたのだ。

僕はサラが以前、聞いた事の中に、サラの以前の恋人が暴力的な人だったらしい。サラが言うには、最初は普通の人だったと言う。しかし、後に強引になって行ったのだろう。だから、そのトラウマが彼女の中に残っていて、なかなかそこから脱皮出来ないでいたのだ。それが、以前から気になっていた瞳の奥にある沈んだ光の原因だったのか?・・・


サラが僕と接する時に、フト感じる視線がある。その視線の先にある言葉はいつもこうだ。

「祐ちゃん、私を助けて・・・私の心の中のトラウマを取ってください!」

僕は、彼女の心の叫びをどれ程真剣に受け止めていたのだろうか?

僕は、自分の都合のいい恋の感情におぼれていたのではなかろうか?




 自分を見失ったとき(byゆーちゃん)


人は自分の見たいものを見る

信じたいものを信じる


風の匂い

水の輝き

火の炎


弓は張っているといつかは切れる

たまには緩めることも必要だ


君の事を愛している

好きだよって

いつも都合のいい言葉だよね・・・

心にもない事をまた言っている

と、つぶやく君の心の声が聞こえる


船乗りが常に知っておきたいものに

天候と潮

暗礁を含む海岸の地形


・・・に加えて

自分の位置


天空の星空が輝く

いつも変わらないのは北極星

一緒にいるのはカシオペアと七つ星


星空を見て自分の位置を

知る方法がある


君も自分がわからなくなった時

星空に尋ねて見るがいい

きっと、自分と自分の位置を

知る事が出来る


その時には

星座図を持った僕が

君のそばにいるから・・・


泣き出しそうになっている

君の顔を見るたびに

僕は胸を痛め努めて笑う

君が笑えるように

オドケテ見せる



サラの仕事の時間と僕の仕事の時間は正反対なので、すれ違いになる事が多い。

彼女は、夜の仕事なので昼間仕事をしている僕とは住んでいる世界も違うし、やっていることも大きく違う。でも、言えることは、人間は基本的に求めていることは、同じと言うことだ。腹が減ったらご飯を食べたいし、のどが渇いたら水が欲しくなる。セックスも必要を感じることがあるだろうし、休息も必要なときがある。

彼女はいわゆるラウンジ嬢だ。

東京では、キャバクラと呼ばれているが、ここはラウンジと呼ばれるようだ。

ラウンジ嬢は、それなりのプライドを持って、仕事をしている。それは、他の風俗と違って、お客様にお酒を注いだり会話をしたりするけれど、決して体を売ったりしないというい事だ。中には、枕営業をする者もいるとの事だが、多くのラウンジ嬢は、体を売ったりしないでサービス業としてのプライドを持つ。サラは、そうしたプライドをしっかり持っていた。

彼女とは、手を握ったり肩に手を回したりすることはあったが、キスやそれ以上の関係をもった事がなかった。それでもサラと一緒に映画に行ったり、デートをするようになると、親しみが互いに強くなってきたように思う。

初めて、彼女と映画に行った時のことは、今でも忘れることは出来ない。土曜日の午後3時頃まで、美容院にかかっていたサラと会った時、彼女の素直な顔を見ながら、何かしら、心が救われていく気持ちがしていた。

一緒にいるだけで、幸せな気持ちになり、互いに見つめあったりする事が多かった。映画館のチケットを購入するとき、

「ご夫婦の方は割引があります。」と、受付の人に言われたときは、

「えっ」と、思ったが、

「いいじゃない。夫婦でも・・・」

と、彼女が言った時は、ビックリだった。冗談だったのだろうけど、普段は冗談を言わない子だから、ちょっとは嬉しかったのは、僕が単純だからだろうか?



 イメージの世界(byゆーちゃん)


シャボン玉の向こうに見える空は

虹色で輝いているの?

洗剤のほのかな香りの中で

君の笑顔が見える

「そっと吹いてね

シャボン玉を壊さないでね」

サラが甘い声で僕に話しかける


君の優しさが伝わってくるよ

僕はにこっと微笑み

君にウィンクする


恋はシャボン玉のよう

恋ははかなく消えていくもの

そう思っていると

サラが声をかける


「祐ちゃん

心配しないでいいよ

サラは大丈夫だよ・・・」

「ありがとうサラ・・・」


僕は再びにこっとして

君に答える


恋が愛に脱皮する時に

七色の虹の輝きのように

愛は不死鳥へと変わる


その時

二人を乗せて時の旅行が始まる

サラと僕を乗せて・・・



あるとき、次のようなメールを送った。


サラちゃんには、どれだけこちらが、押したらいいか分からない。

君が、以前の彼氏にレイプされているから、僕はいつも悩んでいるよ…

君だけじゃないんだぞ…悩んでいるのは…

何か、自分が積極的に動いても君がどう受け止めるだろうって、いつも悩む。

どうしたらいいの?

教えてください。サラちゃん。

と言う内容だった。

彼女は、元彼からレイプされていたらしい。

彼氏だからレイプと言うのは違うと思う人がいるだろうか?どんなに彼氏、彼女であっても本人が望んでいないのに強引に性的欲求を果たそうとするならば、それはレイプである。夫婦であってもレイプは成立する。サラの場合がどのような状況であったかは分からないし、それ以上聞こうとも思わない。しかし、彼女がそのことで暴力に対して、すごく敏感だし、少しでもそうした態度が見えたら、貝のように心を閉ざしてしまう事を僕は感じていた。

どうしたらいいんだろう?僕は、常々悩んでいた。風に聞いても風は知らん振りだ。雨に聞いても、雨音が規則正しく繰り返すばかり。

その答えを得ようにも、どこにも答えはなかった。そんな事が、続いていた。

さなとは、毎日電話で話をしたり、メールでやり取りをしていた。一年経った時の事である。僕は、自分の気持ちをどうしてもさなに伝えたい衝動に駆られた。それは、サラとケンカして二週間程してからだった。サラを夕食に誘い、彼女と居酒屋で食事をした時である。僕はかねてからの自分の気持ちを誠心誠意伝えた。それは、以下のような事である。


『一年間、僕と付き合ってくれてありがとう!いろんな事があったよね。でも、今言える事は、サラと出会えて本当に良かった。そして、一年前よりもずっとずっと君の事が好きになっている。僕は、君と遊び半分で付き合っているんじゃない。本気で付き合いたい。将来、結婚する事を前提にこれから付き合って欲しい。これからもよろしくね…』


『うん。私も、これからもよろしく』

さなもこのように返答してくれた。さなは、人あたりが良く、優しい女の子だが、心が強い所がある。だから、嫌だったら絶対に嫌と言う子だ。

サラに自分の気持ちを打ち明けて握手をした時、サラは、どんな気持ちでいたのだろう。『わかった』と言って、手を握った時、本当にサラも同じ気持ちだったのだろうか?僕は時々、女の子の気持ちが分からなくなる…

時々、サラを強く抱きたいと思う事がある。彼女と仲良くなればなる程、一緒にいる時間が欲しい。しかし、昼と夜が逆なので、なかなか自分の時間と合わせる事が出来ない。しかも、最近、風邪をこじらせて体調不良だと言うのだ。僕はジレンマに陥りながらも、彼女と会う時間を見いだそうと努力した。




同じ時間を持てたら(byゆーちゃん)


二人の同じ時間を持てたら

どんなに素敵なことだろうね

いつも時間のすれ違い

君と僕の時間がどれだけ合うか

いつも気にしながら生きている


でもね

君と一緒のときは

とても幸せだよ

君といる一日は

他の所で過ごす千日に勝るよ




えくぼ (by ゆーちゃん)


君のえくぼは可愛いよね

にこっと笑ったときのえくぼが

君のほっぺに表れる

僕はね

君が笑った笑顔が好きだよ

君の笑顔の向こうにある

何かを僕は見つけようとしている


君の夢は何かな

チルチルとミチルのように

青い鳥を探しに行こうか?

でも幸せは身近な所に

あるのかもね!


君のえくぼは僕を

何度も救ってきたよ

これからも、

えくぼが可愛いサラで

いてくださいね!




【啓二とひろこ】

僕の友だちに啓二とひろこがいる。

二人は恋人同士だ。

この二人を結びつけたのは、サラである。

啓二が交通事故に遭って、まだ、首の調子が悪かったときに、どうしてもレガッタに行きたいので、一緒に行こうと言う。

僕は、サラと同伴して行くので啓二と一緒に同伴できる女の子を紹介して欲しいと言う。そこで、サラに相談して誰か啓二に合う女の子がいないかなって言った。そうすると、ひろこがいいよ!と言うので、誰だったかな?と、思ったら、以前、ヘルプで付いた女の子で、『芋水』って言った子だよ!と言う。

あぁ、あの子!僕はそう思った。芋焼酎の水割りの事を『芋水』と言うらしい。僕と啓二は笑い転げて、あー、あの子!あの子だったらいいかもね!って、サラに言った。

4人でフェスタの前で待ち合わせをし、確か、焼き鳥屋に行ったと思う。それからが、啓二とひろこの付き合いの始まりだった。

ひろこは、はっきりものをいうタイプの子だ。啓二もよくおしゃべりをする奴で、時々啓二とひろこは、口論をするときがあった。でも、お互い、間違っていたことに『ゴメンネ』と言えるのもハッキリしている。

啓二は面白い奴で、いつもニコニコしていた。

ただ、親から受け継いだ血がそうさせるのか、時として恐ろしい性格が出る事がある。と言うのは、啓二の父親は他界しているが、暴力団の組長をしていたと言うのだ。しかもこの地方では名の通るほどの人で、その父親の血を引いていると言う。啓二の性格を止める事が出来るのは、ひろこか、サラ、それと男では僕ぐらいしかいなかった。

あるとき、こんな事があった。啓二がひろこを追いかけて、東京に上ったときの事である。ひろこが新宿の駅の近くを歩いていたとき、若い男がひろこに声をかけ、遊んでいこうと言うのだ。その男がひろこの肩に手をかけたときに、遠くで見ていた啓二があっという間に近づいてきて、

「何するとか!」と、怒鳴り、その男の髪の毛を鷲づかみにし、そのまま顔を地面にたたきつけ、挙句に、空ビールビンを割って、頭に刺したのである。ひろこを守ろうとするあまりの行為だったが、あまりの残虐さにひろこも引いてしまったのだ。

「啓二君、やめて!」と言うひろこの言葉で、啓二も我に返り、

「ひろこ、逃げるぞ!」と言って、ひろこの手を取り、その場を立ち去っていった。あっという間の白昼の出来事だった。

ひろこは、新宿あたりを歩いていると、かなり目立っていた。東京の女の子たちよりは、可愛くて、魅力的だったからだ。それで、何人もの若い男たちから声をかけられている。その都度、上手に断りながら、東京の街を歩いていた。啓二は、ひろこの事が心配で、ひろこが東京に遊びに行くと言って、一人で上京したとき、電話で何度も、

「ひろこ、大丈夫か?」と言う言葉を口にしていた。あまりにもひろこの事を心配して、追いかけるように夜行バスで東京に上っていったのである。僕は、そうした啓二の行動を見て、『こいつは、必ず、ひろこを守ってやるだろうな・・・』と、思っていた。案の定と言うか、やっぱりと言うか、過剰防衛とも言えるほどの事をしてしまったのだ。まぁ、その現場で警官がいなかったのが、少しもの救いか・・・と言うより、東京の人たちは、冷たいもので、近くでケンカをしている人がいても、誰もそれを止めようとしないのだ。知らん顔をして、人々は足早に歩を進めていく。これが、東京の新宿の姿だ。

この新宿暴れん坊事件が起きて、しばらくしてから啓二とひろこが帰って来た。丁度、梅雨が明けると同時に、彼らも気持ちがすっきりとした顔で帰って来た。

東京であった事を聞くと、たくさんの事があったようだ。

ひろこは、最初、東京に行って体験的にキャバクラで働いてみたいと言っていた。

それを啓二が真に受けて、新宿にいる従兄弟の人たちに仕事を世話してもらうように頼んでいた。その従兄弟の人たちと言うのも、ヤクザの組長クラスの人たちだ。だから、組の若い衆などが遠巻きで、東京でのひろこを守りながら、仕事の段取りまでもしていたのである。必死になって、啓二はひろこを守ろうとしていた。しかし、ひろこは自分がそれ程守られているのか知らず、

「東京には遊びに来ただけだから、別に働かなくてもいい・・・」と、言い出した。啓二は、自分の彼女が言った事について、責任を感じていた。昔の習わしに従えば、指を詰める・・・なんて事まで真剣に考えていたのだ。でも、今では、そうした事は、はやらない。ただ、簡単に考えてはいけない事なので、

「ひろこ、東京でどれ程、兄さん達に世話になったか考えろ!」と、ひろこに話したのである。ひろこは、

「ごめんなさい」と、神妙に答えていた。

そんな二人が、家に戻ってきてからは、仲良くしている。東京での出来事は、二人の絆を強くしたのは事実のようだ。そんな二人を見ながら、僕は、サラとの事を考えていた。

「僕とサラとは、ゆっくりだからな・・・いつになったら、本当の恋人同士になれるのかな・・・」と、思っていた。



 時のいたずら(byゆーちゃん)


「早いものが必ずしも勝つのでなく、強いものが必ずしも勝つのでない・・・」

昔、聖書を読んでいた頃に、

こんな言葉が書いてあった。

どんなに早く知り合えても、

なかなか前に進まない僕たち・・・

時のいたずらかな?

タイムマシンに乗って

未来を見てみたいよ

どうなっているのかな?

僕たちの事


彼女に対する思いは募るのに

どうして前に進まないの・・・

気持ちだけが焦って

体が付いていかないよ

どうしたらいいのかな?


何をためらっているのだろう

僕たち・・・




【サラの両親】


サラは、両親が学校関係の人達だ。

父親は、学校で事務の仕事をしており、母親は小学校の先生をしている。

最初、彼女は自分がラウンジ嬢であることを両親には話していなかった。兄と姉がいるので、姉にはその事を話していたが親にはまだ、話をしていなかった。彼女は、休みの日に話をすると言った。どうも僕から見たら、サラは、物事を軽く考えているようにしか思えなかった。ある時、一緒に食事をしながら、彼女に聞いてみた。

「この間、実家に戻って、お母さんに仕事の話をしたんだろう?お母さんは、何と言っていたの?」

「うん、お母さんは、ただうなずくだけで、何も言わなかった」

「そうか…」

僕は彼女に答えながら、現実の厳しさを感じていた。

やはり、親から言わせると、昼間の仕事をしていると思っていたのが一年も親に黙って夜の仕事をしていたとなると、子どもの事が心配になってしまう。

実際、サラは、夜の世界で一生を過ごすような女性ではない。夜の世界では、したたかさやずる賢さがなければ、長続きする事はできない。どんなに彼女が、一生懸命仕事をして、変な男と付き合ったりせず、サービス精神を示しても、周りの者は、そのようには受け止めない。僕は、彼女が陥っているギャップに対するジレンマを少しづつ感じていた。

先にも述べたように、多くのラウンジ嬢は、他の風俗と違って、体を売らないで接待すると言うプライドを持っている。彼女もそうしたプライドを持っていて、それだからこそ母親に自分の仕事の話をしたのだと思う。

しかし、特にサラの両親は、教育関係の仕事をしている事もあって、自分の子どもにそんな事をさせたくないという考えがあったのだろう。彼女が母親に話してから、1ヶ月程して、両親がサラの住んでいるマンションに来ることになった。僕は多分、

「両親は、サラに仕事を辞めさせようとして説得のために来たのだろう…」と思った。

それだったら、サラと約束しているデートが出来なくなる。僕は、困ったものだと思いながら、成り行きを見守るしかなかった。



君の翼に乗せて  by ゆうちゃん


サラ  君は

自由と愛を受けるために

大空高く

飛んでいたね

その翼を広げて

限りなく青い空を

飛んでいたね


サラ  僕は

君の姿を見る度に

君の笑顔 見る度に

いつも救われているのは

僕のほうだと何度も

感じていたよ


※(リピート)

君の瞳  君の笑顔

君の声

すべては自由と愛に続く道

君の翼に乗せて

大空高く飛んで行こうよ…

※(ここまで)


サラ  君は

涙をいっぱいためていたね

誰かが君の

大事なものを

奪い去ろうとしていたのを

力強い羽ばたきで

かわしていたね…


サラ  僕は

君のために何が出来るだろう

君の自由

君の愛

君の宝物を守って

高く高く飛んでいく

君の翼に 乗せて…


※(リピート)


君の翼に乗せて

イカロスのように



【アイスドール】


サラは、アイスドールだ。

誰にでも優しい反面、冷淡であったり冷たい態度を示す事がある。

いつも僕が思うに、優しさと冷淡さは同居しているように思う。不思議な事に、優しい人ほど、冷淡さを表す事がある。また、短気な人は嫌いだと言う人がいるが、短気な人ほど、決断が早かったり、行動力があるように見える。又、薄情な人ほど誰に対してもサービス精神があるのも事実だ。逆に、情が厚い人は、特定の人に偏って温情を示す傾向が強い。

人間関係を考える時に、物事を一面だけで捉えるのではなく、表裏の両面で捉える事は必要だろう。だから、あの人は冷淡だと言われたり、短気だと言われてもその言葉だけで、すべてを判断するのは若すぎる未熟さの表れだ。

自分の若かりし頃、欠点を直そうと一生懸命に他人を指導したことがある。しかし、その欠点が直ったら、今度は良い面が目立たなくなってしまったのだ。おとなしい、何も出来ない人になってしまったのだ。だから、

「欠点があってもけっして、指摘したり直そうとしないほうが良い。」と言うのが、僕の考えだ。

僕は、サラが冷淡なところがあっても、そこを直そうなどとは考えない。むしろ、そうした点を自分が補ってやる事だ。僕は、サラから見たら短気だろう。でもいいではないか。互いに欠点を補う事が出来たらいい。そう思っている。サラの冷淡さも僕は、慈しみを持って可愛く思える。

インターネットでアイスドールという言葉を検索していたら、ある女優の名前が引っかかった。その女優はアイスドールという名前を自分に付けられて、カッコいいとブログで述べていた。

「んーん、なるほど」僕は、そう思いながら、捉え方一つで物事は変わるんだと思った。アイスドールというと、冷たさや冷淡さばかり目立つように思っていたが、どうもそうでないらしい。さらに、アイスドールという言葉を検索してみると白雪姫という言葉が出てきた。白雪姫のストーリーは、ここで述べるまでもないが、簡単に振り返ってみると、あるお城のお妃が自分より美しい白雪姫に嫉妬して毒リンゴを食べさせ、眠りに陥らせる話だ。その白雪姫を助けるのに、通りかかった立派な王子が白雪姫に口づけをすると、喉につかえていた毒リンゴが飛び出して目が覚めるというものだ。その後、二人は結婚する。

ちょうど、サラは白雪姫のような存在かもしれない。レガッタでナンバーワンになったのだけど、他の女の子たちのやっかみを受けて自分を指名してくれる客を奪われていく。事実、彼女と話をしていて、

「元気がないな」と最近思い、聞いてみると、指名客が減っている事を少し落胆していた。僕は、そんな彼女を見ながら、こう言った。

「最初のことを思い出してごらん。自分がどんな動機でこの仕事を始めたのか、そして、自分がどうなりたいのか、原点に戻って考えて見てごらん。そうすると、新たな力がよみがえって来るよ。」

僕の言葉に、サラはしっかりと耳を傾けてくれた。様々な悩みや煩いがあったようだが、サラは、その後、自分を取り戻して、しっかりと仕事をしているようだ。アイスドールの冷静さ、沈着さが、良い面で表れているのかな?と思った。



【撮影会】


サラが水着の撮影会の話をした時、僕はあまり気乗りがしなかった。

というよりは、無表情だったらしく、サラは、『どうして喜んでくれないの?』と、言う事を述べた。

月刊誌のカバーガールをして載ったときは、仕方がないと思っていたのだが、今回は深夜放送の番組の中で、水着姿で海に遊ぶ所を撮るらしい。

どうも、このレガッタというラウンジは、女の子たちを雑誌やテレビに出したがるらしい。

僕は、一般大衆が面白がって自分の彼女を見るのがたまらなくイヤだった。

サラは、本来引っ込み思案でなかなか自分を表現する事が苦手な性格だった。

だから、自分を表現する機会を得たことで、それを精一杯演じていたのだろう。

僕は、彼女が、まだ大人になっていないんだと感じた。

自分が相手にどう映っているのか、相手の感情にどう影響しているのかを読み取る事がまだまだ不十分だと感じた。

あるとき、レガッタに飲みに行って、指名したサラを待っている時に、少し離れた席で、サラが別のお客さんと話をしていた。

そのお客さんの立派なあごひげをサラは手で触りながら、興味深そうに話をしていた。僕が近くにいるのに気づいていなかったのだろうが、彼女のそうした何気ない行為が相手の男性にどんな影響を与えているのか分かっていないみたいだった。また、別の時に、お店が終わってからお客さんの誕生日のパーティに一緒に出かけようとしたこともあった。

『サラは、何を考えているのだろう。男からしたら、スキだらけなのだ。』

僕は、彼女のそうした所を見て、心配する事が多かった。

『他の男に取られるのではないか・・・』

と、だから、海での撮影会の時、啓二と一緒に海までドライブして、彼女を遠巻きに見守ってやろうとした。でも、撮影場所は、結局分からずじまい。くたくたになって帰ってきたよ。

『なー、啓二、お前が撮影場所に行こうと言うから、休みの日が一日潰れてしまったんだぞ!』

啓二は、ひろこの事ばかり考えていたものだから、僕は、どうせ場所も分からないのに・・・と思いつつも、車を走らせて行ったのだ。でも、

『なんで、こんなに秘密厳守にするんだ。かえって、変に思われるぞ!』と、

啓二は、レガッタの店長たちに怒っていた。自由時間がなかなか取れないレガッタの女の子達が、哀れに思えたのも事実だ。そんな状況を啓二は、

『くそー、レガッタグループの店長たちめ!束縛ばかりしやがって・・・今に見ていろ!』と、言ってた。

啓二の事だから、何をしでかすか分からない所があるので心配だ。・・・

そうこうしているうちに、季節は秋風が吹いていた。



秋を感じる時  ( by ゆうちゃん)


季節が変わっていく時に

心の色が変わっていく

何か忘れものをしたような

何か隙間が出来たような

不思議な感覚が湧いてくる

何で埋めたらいいのだろう

風に尋ねても

風は知らん顔

不思議な感覚の中に

秋の足音が近づいてくる

夜のしじまに虫たちが

音色を奏で始める


秋を感じる時…



【恋愛論】


「本当の恋愛をしようね!」僕は、サラにこのように語った事がある。最近の若い人の恋愛を見ていると、もったいないと言うか、将来の事を考えていないと言うか、恋愛に関して本当に考えた事がないように見える。と言うのは、彼氏彼女の関係は、いかに早く肉体関係を持つかにかかっている、という捉え方で、恋愛を考えている。でも、僕が述べる恋愛はそんなものではない。もっと、肉体関係を持つまでに、お互いの気持ちを確かめたり、育んだりする必要があると感じている。その熟成する期間が長ければ長いほど、愛の絆は強まっていく。

それは丁度、ワインの熟成に似ている。一定低温の環境の中で寝かされたワインは、時間が経てば立つほど、味わいを増し、高価なものになっていく。

僕とサラとの恋愛はそんなものだ。サラも

「私は古風な日本女性のタイプだよ」と言った事がある。一年以上かけて、お互いの気持ちを確かめ、大切に育んできた。僕は、サラと一緒にいる時間がいとおしい。そんな中で、発見があったり、感動があったりする。

多分、肉体関係を持っていったら、互いに対する見方は変わっていくのだろう。しかし、今は、ワインの栓を抜くまでの熟成期間だ。

肉体関係が出来れば、新たな発見と共に、失っていくリスクもある。今は、二度と経験できないような純粋な愛を育んでいるのだ。サラには、そうした純粋な愛を育む時間が必要なのだと僕は、感じている。それが、彼女にとってかけがえのない財産になっていくのだろう。僕は、そうした事を考えながら、サラが幸せになってほしいと考えていた。



  疲れた君に(byゆーちゃん)


疲れた君に僕は何をしてあげるのだろう

何も出来ない自分を責め

自分がちっぽけに思えてしまう


君からのメールは来ない

この静けさの中で

僕は自分の小ささに頭をうなだれる


「本当に君を愛するなんて言って

何も出来ないじゃないか」


僕は自分に言いながら

自分はいったい

サラにとって

何だろうか

と、考える。


サラ

元気になってね・・・・


心の思いだけが

何度も繰り返す・・・・



【成瀬美樹】

サラによく似た子で成瀬美樹と言う子がいる。

今、十九歳で、3月3日が誕生日だ。

僕は、成瀬美樹が働いているクラブマーブルに行った。

最初に思っていたのは、美樹がサラと同じようにアイスドールだと思っていた。

しかし、美樹は結構明るくて屈託のない子だった。

僕は、率直に美樹に、今夜は成瀬美樹を誘惑に来た!と言うと、ビックリしながらも結構乗っている様子だった。

自分の住んでいる所も教えるし、携帯番号やメールアドレスも教えてくれた。誘惑するなんて言っても、美樹に性的魅力を感じているのではない。ただ、お友達になれたらいいな・・・くらいの感じだ。僕からしたら完全に娘と同じだし、サラとは全然雰囲気が違っていた。確かに、外見はサラと美樹は似ていても中身は全然違うという風に感じた。

この美樹は、ネイルアートに関心があり、自分が仕事をする時間が遅いのでネールサロンに行く時間があまりないらしい。

そこで僕は、ネールの出張サービスをしている女の子を紹介した。美奈という女の子だ。以前から仕事の関係で知っていた子で、最近、ネールを自宅でしたい子を紹介して欲しいといわれていたのだ。美奈は三十六歳だが、二十代の時には化粧品会社のポスターに載る等、なかなかの美人だ。今、バツイチで中学の男の子を一人持っていた。

成瀬美樹の事を美奈に電話で話したら、

『ねー、どうしてそんなに若い子を知ってるの?』と、美奈が僕に言ったので、

『別に特別な関係じゃないよ。ただ、夜遅くにサラに会いにいこうをレガッタに行ったら、サラの体調が悪くて、休んでいたのでマーブルに行ったよ。そこで、成瀬美加に知り合って、いろいろと聞いた。美奈が、ネールの出張サービスをしているのを思い出して話したよ。』

『ふーん、そうなの?』

何か俺が、浮気心でもありそうな感じで美奈が聞いていた。

美奈は時々、僕に電話してくる。たまに、市内で会わない?と聞いてくる。なかなか僕と彼女の時間が合わなくて、電話で済ませる事が多いが、以前彼女と会って話していたときに、二人目の子どもが欲しいから結婚したいと言うのだ。年齢も三十六と言うことから、子どもが出来る限界の年齢と言う事を考えているみたいだ。

僕には理解しがたいが、一緒になる男との関係より、自分が産もうとする子どもに最初から関心が行ってる。

『そんなことで、結婚とか出来るのかな?』と、僕は思ったが、男と女の違いだろうか、女性は妊娠、出産によって生き方が変わってくるのだろうと、思ったものだ。



【ラウンジの中で】

レガッタに行くと、僕はいつもサラを指名する。以前、啓二と一緒の時は、啓二は、ひろこを指名していた。最近では、僕は一人でサラに会いに行く事が多い。

サラは自分から話をするタイプではなく、黙って聞くタイプだ。

相手の男性に話を合わせてお酒を注いだり、タバコの火を付けたりする役だ。

指名が重なると、なかなかサラと一緒の時間が少なくなる。

まー、シカタガナイと思ってはみるものの、納得できない点も多い。

ラウンジは、クラブと違ってどちらかと言えば、若い男性が多く店に来る。だから、静かにお酒を飲む雰囲気ではない。僕も、あまりにうるさいときは、幻滅を感じる。でも、それもまた仕方がないことだ。以前は、店長を呼んで、説教をしていたこともあるが、もうそうしたことは、辞めた。精神年齢が低いと思われるのがしゃくだからだ。

僕が、ラウンジに行くようになったのは、村松という髭の男がきっかけだった。そいつとはもう付き合いはないが、そいつのお陰で、ラウンジにはまるようになってしまったのだ。

でもそろそろ卒業したいと思っているのも事実だ。

僕も、静かにお酒を飲みたい。その時に、サラが隣に座って一緒にピアノの演奏でも聴きながら談笑をしたいものだ。

サラには、そちらのほうが似合っていると思う。



愛は分かち合うこと

  (By ゆーちゃん)


一つのりんごを二人で食べる 

一杯のコーヒーを二人で飲む


一つの毛布に包まって

寒くないようにしようねって励ましあう 

君がつまずいた時に僕が君を起こす 

僕が倒れそうな時

手を差し伸べて下さい


一つの仕事を役割分担し二人で創る 

議論があっても互いに敬愛する 

慈しみのこもった言葉が二人の会話 


愛は分かち合うこと 


そして

愛は優しいまなざしで見つめ合うこと 




君がおばあさんになったら

 (by ゆーちゃん)


君がおばあさんになった時

時代はどうなっているのだろう

今の君はとっても若い

だから君がおばあさんになる頃って

百年くらい先の事かも・・・


お茶目なおばあちゃん

そんな感じがぴったりの

今の君はとっても可愛いよ

だから君がおばあさんになる頃って

時代がずいぶん変わっていることだろう


人生は目まぐるしい

メリーゴーランドに乗って回り続ける

木馬のように


君が小さな女の子の手を引いて

歩いていく姿が見える


君がおばあさんになったら

僕は君のそばにいてあげる




既製品の缶詰の中で

  (byゆーさん)


マニュアル化時代と言う言葉を聞いて

もっともだと言う人が多い。

何事も、マニュアルに書いてある如く

サービスを行なう。

そのマニュアルにない事を言われたら

固まってしまう。


既製品の缶詰の中で

マニュアル化された製品が作られていく

ラウンジの女の子もマニュアルで動く

お客がタバコを出したら

さっと、胸に差したライターをだす

お客がお酒を飲みながら薄いと言えば

酒を注ぎ足してタンブラーで混ぜる

灰皿の量が増えれば

さっと新しい灰皿に替える

お客がもっともらしい事を言えば、

うん、うん、とうなずいて聞く


すべては、マニュアルどおり

そのマニュアルにないことは

固まってしまう

氷のように・・・


既製品の缶詰の中で

すべては既成化された商品の如く

対応される

挨拶の角度は、三十度

背筋を伸ばして声は、はきはきと・・・

送り出すときは、

VIPのお客であれば最後まで送り、

レギュラーのお客であれば、

店の出口を出た所まで

すべては、マニュアルどおり


「私は、一生懸命やってます」

女の子が叫ぶ

でも、すべてはマニュアルどおり

既製品の缶詰の中で

心に沁みるサービスが消えていく


誰がその責任を負うの?

誰もいない

だって、すべては

マニュアル通りにしたのだから

「私は、何も悪くない。だって、すべてはマニュアルを作った人に責任があるのだから・・・」


ラウンジ嬢の心の呟きが聞こえる






成瀬美樹への詩

       (byゆーさん)


美樹の心の中にある映し鏡は

子供の頃の憧憬

木洩れ日の中

ブランコに揺られて

二人はしゃいでいた


時の魔法の中で

タイムスリップした

あどけない君の微笑が

僕の心に突き刺さる


「いつか会った事があるよね」

君は最初、僕に言った

「君と僕とは、ずーっと昔から

知り合っていたのかもしれないね」

僕は美樹に言った


誰もがそうした経験をするものだ

と思いつつも

美樹に親しみを覚える


時の魔法の中で

タイムスリップした

あどけない君の微笑が

僕の心に突き刺さる



  見極めよ

       (byゆーさん)


本物の目を持ったライオンは

狩猟の時が訪れるのを草陰でじっと待つ

大空高く舞い上がるコンドルは

風が舞い上がる時を見極める

獲物が近くまで来るのを待つクロコダイルは

じっと自分の時が来る事を待つ


すべてのものには、その時がある

その時を見極めたものだけが

その世界で成し遂げる


栄光を手にするものがいる

同時に、栄光を捨てて

自ら虐げられた道を選ぶものもいる


栄光と挫折

すべては表裏一体の真理

誰が悟るのだろうか


忠言は耳に痛く

真言は理解しがたし


勝者の影に敗者がおり

栄光の陰に挫折がある

真理の裏に偽りがあり

誉れの裏にへつらいがある

王の威信の下に家臣のたくらみがあり

美しさの裏に蛇のような醜さがある


忠言は耳に痛く

真言は理解しがたし


されどわが言葉は

渇いた地における水の如く

汝の心に注がれん事を

真昼の太陽が照りつけるサバンナの中の

夕凪の涼風の如く

汝の体に注がれん事を望む


すべての事を見極めよ

汝の心のすべてを持ってして

すべての事を見極めよ

汝の魂の目を持ってして

すべてのものを見極めよ


我が愛するものへ



【史跡めぐり】


夏目漱石の本の中に、『草枕』と言うものがある。エッセイのような小説で、時々俳句がでてくる。丁度、僕が書いているサラのような本だ。最近、『草枕』を読んでいて、夏目漱石内坪井旧居に行ってみたいと、思った。漱石が慣れ親しんだ家に触れることにより、何か感じるものがあれば、自分の執筆に拍車が掛かるかもと思った。


漱石は、松山から熊本へ転勤して旧制五高時代に、4年3ヶ月英語の教師としてその勤めを果たす。その頃の思い出が、草枕として後に執筆され、その作品をきっかけに朝日新聞社に入社するきっかけになる。

『三四郎』『二百十日』なども、その地が背景となっている。


夏目漱石の執筆を見るときに、実体験がベースになっていることを挙げる事ができる。

僕も、サラを執筆して実体験をベースに進めていく決意をした。


後日、四時軒にいった。四時軒とは、四季折々を楽しむ所という意味がある。


その四時軒を作った熊本の偉人に横井小楠がいる。かつて、海援隊を作った坂本竜馬が三度、小楠の四時軒を訪れ、世界に羽ばたく日本を作るために明治維新の思想の影響を受けている。


横井小楠の思想は、以下の通りだ。

『国家は富むだけではいけない。また、軍備を増強するだけでもいけない。地球上で一番大切なのは、お互いにその立場を認めあい、お互いがお互いを許す寛容な心がなければならない』と、説いている。


確かに、今に通じるものがある。精神性の高い所には、壮大な将来が開けてくる。事実、明治維新は、無血で江戸時代を終わらせ新しい明治を切り開いた、世界でも特異な革命である。


君も、自分の将来を大きく切り開きたいなら、夢を実現して行きたいのならば、高い精神性を培い、志を持ちたまえ。


夢は実現すると言うナポレオンヒルの人生哲学があるが、高い精神性がなければこれは実現しない。


精神的に未熟であれば、自分の精神を高揚させるものに触れたり、読んだり、精神性の高い人と付き合う事だ!


君は君の人生を切り開いて行け!


それが、強いては君自身だけでなく、君の周りも幸せにするのだから…


僕は、草枕を読みながら、こうした場所に好んで出かけた。そこで思いを馳せ、自分の生き方について見直していた。と言うのは、それまで働いていた新聞社を辞めたからだ。そこの新聞社は、ローカルなミニコミ情報誌を出していた。しかも、政治に関するものだ。当然、給料は少なく、辞めるきっかけになったのが、不当にも勝手に給料を引き下げていたからだ。

「どうして、給料が少ないのですか?」

僕が、納得しないので聞くと、

「今、払えるだけのお金がない」

と言う。

いつもそのような事を平気で言う新聞社の主幹に僕は腹を立て、辞めたのだった。


【桜子】

レガッタの女の子の中で、独特な個性を持つ子が一人いる。それは、桜子だ。彼女は最初この店のマネージャーをしていた。店の収入と支出を管理し、店の日払いをしたり、銀行へ売上金の入金に行ったりしていた。受付の所にいて、店が忙しいときには、お客に付いていた。

ある時、サラのヘルプ役として僕の席に来た。

いろいろと話をする中で、彼女が好きな歌手は、鬼束ちひろだった。

非常にマイナーなイメージの歌詞を歌うシンガーである。

詩を優先し、その歌詞に曲を付けるやり方で作曲をしていく。暗いイメージの中に、きらりと光るセンスの良さがちひろの曲の特徴である。桜子は、そんな鬼束ちひろに共鳴した時期がある。それは、高校を卒業して、彼氏と別れる事になったとき、自分の辛い気持ちを拾い上げてくれたのが、ちひろの曲だった。

僕は、桜子の生き方に共鳴を覚えた。世間一般の常識が分からない女の子が多い中で、彼女は知的な輝きを持っていた。それが、レガッタの中で独特な個性として光っていたのだろう。

ある時、深夜放送のレガッタグループの番組で、『浮気についてどう思うか?』と言う質問に対し、ほとんどの女の子は、他の女性と食事をしたり、会ったりする事が浮気だと、答えていた。サラも、他の女性に気持ちが傾いた時点で浮気だと述べていた。僕から言わせれば、何と、自己中心的な考えだろう、と思った。彼女たちは、結局、男を束縛しようとしているのだ。

その点、桜子は違っていた。

『秘密で自分の責任の下での浮気は、問題ない。』と、言ったのである。僕は、この子は、他の女の子と比べて、大人だな・・・と感じた。外見がどんなに女性として魅力的にしていてもガキンチョばかりなのが、ラウンジ嬢の世界である。

いくら化粧をしても、髪型を整えても、内面が大人でなければ、本当の魅力は出てこない。いくら彼氏が出来て、セックスをしても中身が無いなら、女の仮面を付けてるだけの人間でしかない。だから、昼間働く他の女性で夜の女を馬鹿にする人がいるのだ。

『夜働く飲み屋の女と本当に恋愛することなど出来るの?平気でウソばかり言うじゃない。』

これは、ネールを仕事にしている美奈の言葉である。

僕は、基本的には夜の女性を馬鹿にすることはしない。しかし、昼間働く女性が言うのももっともだと、理解できる。



  ドント・ハート・イーチアザー

            (ゆーさん)

お互いの事が分かっているなんて

言うのはもう止そう

相手の事を心配しているなんて

もったいぶった言い方するのも止めよう


誰でもそっとして欲しいときがある

誰でも一人で静かにしていたいときがある

ドント・ハート・イーチアザー

お互いに傷つけあうのはもう止めよう


君の事を分かっているようで

何も分かっていなかったんだね

君の事を心配するあまり

それが負担になっていたんだね

だから君も声を大にして

僕の欠点を言ったんだね


でも、もうよそう

ドント・ハート・イーチアザー

お互いに傷つけあうのはもう止めよう

ドント・ハート・イーチアザー

相手の欠点を指摘することは

自分の首を絞めるような気持ちさ


僕は君の欠点を指摘するたびに

僕の中の何かが苦しんできた

君に言いたい事を言うたびに

僕自身が打ちひしがれてきた


君が僕の中にいるのかな

だから・・・

ドント・ハート・イーチアザー

お互いに傷つけあうのはもう止めよう


君と本当に仲良くなりたい・・・




【僕の欠点】

いつも思うのだが、僕は時として、相手に対してひどい事を言ってしまう事がある。

自分でどうしてあんなにまで言ってしまうのだろうか?と言うくらい、ひどい事を言うのだ。

特に、相手の事を論理的に言えば言うほど、相手の感情が高ぶってしまう。

その事を利用して、仕事で使う場合もあったが、個人的な事柄ではあまりひどいことは言わないほうが良い。

言うとしても、言い方を気にしていわなければならないと感じる。

特に、サラに対しては、サラは本当に辛抱強いと思う。

でも、僕は、これ以上サラに厳しいことは言わないようにしていく。

サラの事を考えると、サラが繊細で受領能力が低い事を考えれば、なおさらだ。

そっとしてあげる事が、一番のように思える。でも、どうしても言ったほうがいい場合は、言い方に気をつけなければならないだろう。今まで、新聞記者としてやってきて、相手にペンで攻撃することがあったので、言葉の用い方には、十分注意が必要だ。すべては、自分に帰ってくる事を考えなければならないのだ。

ただ、サラに言えば言うほど、自分の中の何かが苦しんできたことも事実だ。心の中に痛みが生じて、それが取れない。サラにはすまないと思う事が多い。こんなんでサラと付き合う事が出来るのだろうか?






MIKI  



MIKIは、ラウンジの女の子で友達になった。屈託の無い子で、サッパリした性格だ。このMIKIに関する事も書くことにする。




【欲望と言う名の列車】

女の本性を書くことは、ご法度かも知らないが、あまりにも女の事を知らなさ過ぎる男性が多いので、ここで論じてみたい。僕も、かつては女の本性を知ることなく、恋に悩み、苦悩する日々を送っていた。しかし、ある事がきっかけで女の本性が分かるようになってきた。

一言で言えば、女は、欲望の塊である。もっと言えば、欲望の塊の上に女と言うぬいぐるみを着ていると言って過言でない。

欲望が強いと言うことは、動物的であり、人間でない。

男は人間であり、女は動物である。

これを、差別だと言う人がいれば、それはそれでよい。

一般的な法律に従えば、差別だろう。しかし、僕はここで、『ご法度かもしれないが、女の本性を書く』と、言ったはずだ。君の彼女に聞いてみたまえ!『女は、欲望の塊か?』と・・・

多分、黙ったまま君の言葉を無視するに違いない。

ただ、その欲望をどのように表すかは、それぞれの女に掛かっている。

ある女は、食欲に走るかもしれない。ある女は性欲に、別の女は、お金を得ることに走るだろう。また、美しさを追求して綺麗だと言われることに快感を覚える女もいることだろう。それらの根底にあるのが、欲望である。男が考える程度の欲望ではない。男からすれば、異常なほどの欲望を女は持っていると言ってよい。それがどう出るかだ。

じゃあ、どうすれば、その女と付き合う事が出来るのだろうか?答えは、簡単である。

『君を満足させるには、どうしたらいいかな』と、さりげなく聞く夜の仕事をしている男たちがいる。彼らは、女性のそうした心理を知っているので、それを利用して巧みに言い寄ってくる。

僕は、恋愛マニュアルを書くつもりはないので、どうしたら女を口説けるかと言うことは、述べようとは思わない。僕も、女の子を口説くことは、下手だし、もっと達人がいるだろう。そういう人たちに、聞けば良い。ただ、女の本質だけでも知っておくことは、読者がヘタを打つ事が無いように助けとなるだろう。

女は、欲望と言う名の列車を進めているようなものだ。その列車をコントロールするのが、男である。だから、自分の感情をコントロールでき、彼女たちの満足する結果にその列車が進むようにしてくれる男に女は惚れるのである。



【MIKIとの出会い】

MIKIとの出会いは、人探しに始まる。

以前、一緒の飲み友達だった奴で飲み屋に借金をしまくったのがいる。

そいつの居所を捜す目的で、調べていた所、MIKIにたどり着いた。MIKIが、その男と付き合っているとの勘違いから始まったことだ。僕は、MIKIが以前の飲み友達Nの彼女だと思ったのだ。そこで、夜遅くに、マーベと言うお店に行くことになった。MIKIは、自由出勤の子で、なかなか捉らなかった。それでも、諦めずに僕はMIKIに会うようにした。

ある晩、MIKIに会えた。

美香は結構明るくて屈託のない子だった。

僕は、率直に、今夜はMIKIを誘惑に来た!と言うと、ビックリしながらも結構乗っている様子だった。

自分の住んでいる所も教えるし、携帯番号やメールアドレスも教えてくれた。誘惑するなんて言っても、MIKIに性的魅力を感じているのではない。ただ、お友達になれたらいいな・・・くらいの感じだ。僕からしたら完全に娘と同じだし、確かに、外見はからしたらすました感じがするが、中身は大人という感じがした。



君のステージ


(byゆーさん)


君はお店に行くときに

どんな事を考えているだろう


君はお客と接するときに

どんな気持ちで向かっているのだろう


君を育てるのは

お店じゃない


君を育てるのは

本当のお客だという事を

知っていたかい?


君はお店が自分を伸ばしてくれると

勘違いをしていたのかい


君はお客の隣につく席が

君のステージ(舞台)だと言う事に

気付いた事があるかい?


上質な客は君が伸びるように

してくれるはずさ


下品な客は君を酔わせ

君のみだらな欲望を

引き出そうとしている


君の本当の客は誰だい?


それは、君を見守ってくれる人だよ


君が本当に美しくなるのを

見守っている人だよ


僕は、女の身包みを着た

肉の塊には興味が無い

それは、化粧をして髪型を整え

スタイルを気にすればよいだろう


でも、本当の美しさは

内面から現れでるもの

その人のさりげない立ち振る舞いや

言葉に、本当の客は喝采を送る


君は、美しくなれ!

そう、もっと君のステージで

輝いておくれ!


僕は、君の本当の客となって

喝采を送り続けるから・・・


だから、君のステージで

キラキラと美しく輝いておくれ!




鏡の世界


 (byゆーさん)


この鏡の向こうに、別世界がある

幻想の世界、ノスタルジア、

夢と快楽に浸った世界、

『自分が自分を輝かせる事が出来る』

女の子は、毎日そう言いながら

自分の化粧をする


鏡を見ながら

自分の幻想を追い求める

スターになった自分に

グラビアモデルになった自分に

大勢の男たちが賞賛を浴びせている


それは、子どもの頃に

願っていた自分

誰からも目を付けられずに

目立たなかった子供の頃


でもきっといつか

スポットライトを浴びる

そう願って鏡を見つめてきた


化粧をしながら鏡を見る

そこに別世界が広がっている


『君は、どんな世界を創るのかな?

鏡の世界は、虚像

右と左が反対になっている

いつ、そのことに気づくのかな?』

誰かがそう言っている


鏡の世界も時には心地よい

時々、遊びに行くのに良いだろう

でもいつかは誰しも

現実の世界に引き戻される


『夜の蝶は、本当の蝶ではない

どんなに美しく着飾っても

それは蝶ではなく蛾だ』

遠くで、静かに語る天使の声がする


そのことに気づいたときに

君は、また一つ脱皮する


それは、本当の美しさへの脱皮だ




【MIKIの性格】

MIKIは、結構明るい子だ。

いつ電話しても楽しそうに話をしてくれる。

多分、僕の事を恋愛の対象としてではなく、楽しい友達と言う感覚かもしれない。でも、それでいいかなって思っている。かわいい女の子だ。どこかで男と付き合っていても、それでもいいやって感じがする。屈託のない笑顔を見ると、何もかもいやな事を忘れてしまう。それがいいのかもしれない。ややもすると考え込んでしまう今の自分からすると、うらやましい限りだ。

MIKIに、携帯バナナの話をした。

若い女の子が、小腹を空かせた時にちょっと食べるのに、バナナをバッグに入れて出かける事がある。

その時に、バナナの形が壊れないようにするグッズだ。

それを、プレゼントすると言ったら、喜んでいた。でも、最初は、携帯電話のストラップと勘違いしていたみたいで、話がなんか変だった。でも、きちんと説明したら喜んでいた。きっと、夜の仕事でお腹が減ったときにバナナでも食べるといいだろう。と、思ってあげようと思う。そんなんでも喜んでくれる屈託の無い子だ。



【地獄へ行って戻ってくる】

夜のお店で働く女の子たちの中には、男に対する恨みつらみを持って入ってくる子がいる。

その子たちは、かつて男に捨てられたりした経験をしている。

それらの子たちが、夜のお店で働く理由は、自分を輝かせたいからと言う表向きのものと、その裏では、男に対する復讐の念が働いている。

自分を苦しめた男に対して、今はどうすることも出来ないので、お店に来るお客の中で自分を気に入って指名してくる男に対して、男の心をたぶらかせ自分の意のままに動かしたいと言うサデスティックな心が働いている。そうすることで、自分の中にある解決していない過去の自分を慰め、癒そうとするのだ。その子たちは、男が自分に夢中になればなる程、悦に入り満足するのだ。だから、自分を指名する男にその気があるような素振りを見せていく。そして、同伴をしたり、チョッとはデートに付き合ったりする。

僕は、そうした女の子を見るたびに、可哀そうで仕方がない。その子は、地獄を経験して、また同じ地獄を男に味合わせようとしているのだ。その子も地獄から抜け出ているのではない。早く、その事を気づいて、地獄から抜け出して欲しい。そうしなければ、本当の恋愛など出来ないだろう。

その点、MIKIは、男に対する変な経験をしているようではなかった。それが、屈託の無い明るい性格に表れているのだろう。彼女と一緒にいることは、何も余計な事を考えなく、純粋に楽しめた。


 共 鳴   (ゆーさん)


心と心が響き合う時に


そこに流れている音は何色?


悲しみのボレロが流れる中で


涙流している婦人の心の音は何色?


攻撃的で暴力的な男に合う


女の心に流れているのは何色の音?



ギターの弦がオクターブを超えて共鳴するように


心と心の波長が合う二人がいい



僕はねぇ、


君の心と波長が合っているのかなぁ…


二人の心が共鳴し合えた時って


いつの事だったかなぁ…



ほんの一瞬でもいい

心と心が共鳴しあって


一つになればいい…



それは、どんな形で来るのだろう…っていつも思っている…



君が好き…




笑 顔 (ゆーさん)



笑顔のそばに幸せがある


微笑みを浮かべた天使が


君のそばにいるのを気づいたかい?



笑顔の中に君がいる


君の心の中には、ほわっとした柔らかい雲のようなものがある



誰をその雲に乗せるのだろう


君の幸せを広げてごらん


一人でも多くの子どもたちが


君の幸せによって明るくなる



笑顔の花があちこちに咲く


子どもたちの笑顔がいっぱいになって


世界中に広がるといいな〜


僕は君を見つけて

君が幸せの種をいっぱい蒔いていることを知っている


その種が大きくなって笑顔の花を咲かせるといい


そして、子どもたちが喜びに溢れ愛の歌を歌うといい


互いを大切にしあう愛の歌を…



そんな世界が出来たらいいな〜


僕は君を見てそう思う




(終わり)



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