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スイッチチェンジキャラクター!(6)







「よし、それじゃあお前ら。気をつけて帰れよ」


SHRショートホームルームが終わりガヤガヤと生徒たちがカバンをもって立ち上がる。


「ねぇねぇ、文太君のお兄さんってあの人なのー!?」


「文太君と全然雰囲気違うよねー!」


押し寄せる女子たち。さすがの速さに私も圧倒されてしまう…


「ま、まぁ悪い人じゃないよ」


チラッと兄貴の方を見る。兄貴は1度私を見て目が合うとそのまま教室からでていってしまった。


「あの時止めに入った文太君ちょっと雰囲気違ったけどかっこよかったなー」


「うんうん!このクラスの男子たちあのリーゼントには誰も文句言えないからねー」


「てかこの後暇?良かったら私たちこのまま遊びにいくんだけど」


「そうそう!文太君も一緒にスイーツでも食べに行こうよー!」


言葉を喋るスキがない…と思ったけどやっと私の番のようだ。ここは紳士に。完璧に紳士に行こう。


「えっと…私はこれから先生に呼ばれているので、また別の機会にお願いします」


ここはあくまでも笑顔で。忘れるな。私の営業スマイルを今ここで!!


「そっかー…じゃ、また今度ね!」


1人の女子が言うと次々と離れていく。


さて、じゃあ私も職員室に行くことにしよう。







「「失礼しましたー」」


兄貴と並んで職員室からでる。

リーゼントの件で怒られるかと思っていたが…ただの転校手続きだった。


「全く…怒られなかったから良いけど初日から遅刻して喧嘩売ってるんじゃないよ」


お昼の事をやっと話せる機会になり、思わず説教臭いことを言ってしまう。


「いや…俺も悪かったとは思うよ…」


兄貴は後ろ首をかきながら申し訳なさそうに言う。

反省しているようだ。

そしてあの時の兄貴の様子…

何か訳ありなのだろう。ここは私の寛大な心で許してやろう。そう。私の寛大な心で。


「それじゃ、私はまだ学校に残るけど…兄貴はどうする?」


「それじゃ、俺は夕飯用意して待ってるよ」


私が怒っていないと分かったのか少し表情を緩ませながら言う兄貴。

正直兄貴の料理はめちゃくちゃうまい。

食べなれていたりひいきにしている部分もあるかもしれないがそこらの高級料理で出されるものより美味しい気がする。


「帰りは遅くなりそう。夕飯、楽しみにしてるよ」


それだけいい私はその場を後にする。

さてと。教室の様子を見に行くとしますか。






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