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スイッチチェンジキャラクター!(2)







「おーい、お前ら既に知ってるかもしれんが今日は転校生を紹介するぞー」


廊下にポツンと立つ私の目の前にあるドアの奥から先生の声がする。


「どんな男だろ?」「変態かなぁ?」「イケメンかなぁ?」


生徒の声も聞こえるな。

さすがの私も心臓のハートビートがヤヴァイぜぇぇぇぇ!!


「よし、じゃあ転校生、入れー」


先生の声のあとに扉を開く。

生徒たち皆からの視線。あぁ、そんなに見られたら私は!!ああ!!

教壇の横に立ち、一礼。


「どうも、ご紹介をいただきました。神走文太と言います。これからの学校生活を皆さまと一緒に楽しく過ごしたいと思っています。皆さま、どうぞよろしくおねがいします」


ーッフ。決まった。


「キャー!!」「イケメン!」「かっこいいー!」「ついに…ついにこのクラスにもイケメンが…!」


教室の女子生徒が盛り上がりを見せる。

あるものは立ち上がりあるものは指を組み天を仰ぎ涙を流す。

私のイケメン具合は分かっていたがここまでするとは…


「おーい、女子ども。落ち着け」


「これが落ち着いていられますかぁ!!」「あぁ、神様…ありがとうございますありがとうございます」


最早先生と言う権力に立ち向かう程に…!


「わかったから落ち着いてくれ。落ちつきを持たない女は嫌われるぞ、な?文太?」


助けてくれと言わんばかりにこちらを見る先生の視線。に、女子の視線。


「え、えぇ…そうですね…」


私が思わず歯切れの悪い返事をすると女子達は何もなかったかの様に椅子に座る。

やれやれ、素直な子猫ちゃん達だぜ☆


「文太、お前の席は…まぁどっか適当な空いてるところに座ってくれ」


「は、はい…」


適当な所って。

私は窓際の一番後ろに席が空いているのを見てそこを選ぶ。周りに女子はいないが、まぁいいだろう。


「先生、私あそこがいいです」


「えっ」「そこぉ…!?」「あいつは知らねぇからな…」


女子だけではなく男子までもざわついている。

なんだろう?普通は窓際の一番後ろって取り合うものだと思うけど…

まぁいい!私のために神様がとっておいてくれたのかな!あぁ!憎い!私ほどになると神にも愛されてしまう!!自分が実に憎らしい!


「やぁ、これからよろしく。俺の名前は高林 千って言うんだ」


席につこうとすると目の前に座っている男に話しかけられる。

短髪でぷっくりとした様子。ちょっと太り気味だが、清潔感があり悪印象を与えない様な人だ。


「うん、よろしくね」


私も輝く営業スマイルで挨拶をする。

離れている女子たちが未だにざわついている。なんと!なんと罪な男だろう私は!


「はい、それじゃー出欠は…まぁいい、見た感じ全員いるな。じゃあ授業を始めるぞー」


いいのかよ。

そんなこんなで授業が始まった。





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