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☆15☆ 生誕祭1日目、 騎士剣舞祭(幼女と共に)③

視点変更

[アルシュレット→レイカス]


フハハハハハハハハっっっ!ざまぁみやがれクソ執事がっ!!あんなひ弱そうな女にやられてやんのぉぉぉぉ!


雑魚がぁぁぁぁぁっ!まぁあの可憐な王女を庇って戦闘不能になったのかもしれないが、それでも力不足っっ!!


フハハハハッ!次の試合で、王女を我がものにしてやるために、あの雑魚をコテンパにしてやろう。


フハハハハッ!


必ず王女を寝とってやろうではないっ、かっ!!



視点戻。

[レイカス→アルシュレット]


んっ……?んっ?


あれ? 俺、寝てたのか?


ていうか、また俺は悪夢を見てたのか?……。夢の内容は覚えていないが、


今着ている騎士服が汗だくになっている。


まぁ、夏だからな…。


汗をかくのも当然か。


「目が覚めたかっ!バカ執事っ!!」


そう言って王女が俺に抱きついて来た。


「ご心配、ありがとうございます。王女様、もう大丈夫です。」


「でも、妾のせいで……。」


「いえいえ、王女様のお陰で助かりました」


「そっ、そうか?なら良い。だが、すぐに次の試合が始まってしまうぞ?行けるのか?」


「次の試合の相手は誰なんですか?」


「あのレイカス=パースと、その許嫁だ。」


……成る程……。厄介だな……。まぁ、レイカス=パースという奴と騎士剣舞祭で戦う事になるという事は分かってはいたが。


レイカス家。


この国の経済を、中心になってまわしているといっても過言ではない存在だ。



聖カタリアナ王国の昔からの名門大貴族。


レイカス=パースは、そのレイカス家の次期当主だ。


王室でさえも、存外には扱えない存在である。


「やっぱり、この試合は負けといた方がいいですかね?」


レイカス家の現在の当主である、レイカス=ペレオ、つまり、


レイカス=パースの父親は、大層息子の事を甘やかしており、現に、無理矢理有り得ない程の大金を送りつけてきて、


”息子を是非、騎士剣舞祭で勝たしてやってくれないか”と、お願いされたのだ。王が。


要するに、賄賂(わいろ)られているのだ。


八百長(やおちょう)だ。


そんな、息子のためにならない事をするのは、(レイカス=パースの父親でありかつ、レイカス家の当主として)どうかと思うが、なんせ王がその事を承諾したらしい。


ていうか、この国の上層部は大丈夫なのだろうか?


そんな事を思っていると、王女が困り顔でこう言った。


「まぁ、妾の父親が、

”アルシュレットには、仕方がないが、'できるだけ無様に'負けてもらいなさい。いいね?惨敗して貰いなさい。大丈夫、大丈夫!ちょっと、レイカス家に完敗した振りをしてもらって、上位をあの方達に譲ったらいいんだ!後は、アルシュレットが勝ち上がってメロアと一緒に良い順位が取れるはずさっ!!ちょっとデカイ金が絡んでてこれだけは譲れないんだ、グヘヘ” っておっしゃっていたからなぁ」


王が腐っていらっしゃる。この国は終わりだ……。


まぁ前から王はこんな調子だったが。


そんなテキトウな性格ではあるが、そこそこ優秀な人なので、そこそこ腹が立つ。


ていうか、よく王女はそんなに一字一句覚えてらっしゃるな…………。


俺がそう感心していると、アナウンスが鳴った。


〜エントリーNo.21

”騎士”アルシュレット=マクレアス


”姫”聖カタリアナ王国第3王女

メロア=カタリアナ様



エントリーNo.15

”騎士”レイカス=パース様


”姫”マツコ=デ○ックス様


闘技場にお入り下さい。〜


……なんか俺だけ様付けじゃなくね?


ていうかレイカス=パースの許嫁の人の名前、どこかで聞いたことがあるな。とか思いながら、俺らは闘技場に入った。



ふぅ、どうやって王の言うとおり無様に負けようかな?


と思って、闘技場で相手が来るのを待つ事数分、やっと相手方が闘技場に入ってきた。


第1印象を言うと、パースの方はイケメン風な、緑髪の爽やかそうな騎士。



マツコ=デ○ックス

という、パースの許嫁であるらしい、姫役の人は何というか………、


源氏物語からでてきたんすか?

と言いたい程の、日本の、平安時代で理想とされていたお顔でありかつ平安時代に理想とされていたプロポーションを持ったお方だった。


要するに…マツコ=デ○ックスのような人だ。


なんというか……威圧感がとても凄い。


まぁ程々にやろう。


俺はそう思いながら、始めの合図がされた瞬間に軽く足を踏み出した。



「おうらぁぁぁぁ、雑魚が雑魚が雑魚が雑魚がぁぁぁぁっ!!」


そう叫びながら、レイカス=パースは俺に斬りかかってきた。


なんというか……見かけによらず、口が悪い人だなぁ……と思った。


てか、雑魚がぁぁっ!とか言いながらがんばって斬りかかって来てくれているが、


物凄く弱い………。


そう思いながら、パースさんの剣を受け流していると、突然、物凄く野太い野生的な女の人?の掛け声が聞こえてきた。


「ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅんんっ!!」


どがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!


辺り一面の地面に地割れが起こる。


ヤベェェ。マツコ=デ○ックスの魔法滅茶強えぇぇ…………。


下手したら死ぬな……。と、余所事を考えていると、


俺は無意識の内に剣を振り抜いてしまっていた。


「へぶぅぅっ!?」


すると、パースさんが無様に転けてしまった。


やばいっ!このままじゃ俺がパースさんを倒してしまうっっ!


それだけはマズイっ!


「パースさんっ!すみませんっ!ぼぉぉぉっとしてたら転けさせてしまいました!王女っっっ!!パースさんに回復魔法お願いしますっっっっ!!」


「!、分かったぞっ!ヒールっ!」


「!?てっ、てめぇら舐めてんのかごらっっ!」


パースさんが怒っている。なぜに?


頭でも打ったのだろうか?それならもう1回、回復魔法をかけてあげないとっ!


「王女っっっ!もう1回、回復魔法お願いしますっっっっ!」


「分かったぞっ!ヒールっ!」


「あぁぁぁぁぁぁぁっ!!くそぅ、クソぉぉぉっっっ!!こうなりゃ王女様の慎ましやかな胸だけでも揉んでやるっっ!!」


なぜか唐突にキレだしたパースさん(どうやら薬中(やくちゅう)なようだ)が王女の元へ、剣を捨ててから走り出した。


王女が危ないっっっっ!!薬中に大事な身体を触られてしまうっ!


「浮気はダメっていつも言ってるでっしよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぅぅがっっ!!」


そう叫んだマツコ=デ○ックスから一筋のどでかい光線が走る。


「ぶぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼっっ?!」



瞬間的にパースさんがぶっ飛ばされ、そのまま地面にうつ伏せになったまま沈黙してしまった。


戦闘不能になってしまったのだろうか?


そう思っていると、マツコ=デ○ックスさんがこっちに向かって来てから話しかけに来た。


「もうこの試合は私達の負けでいいわぁぁ。この人は今から調教タイムに入るから。うふふ」


そう言いながらマツコ=デ○ックスはピクリともしないパースさんを片手で引きずって行った。



……調教タイムってなんだろう?





俺と王女は同じ事を思いながら、本来負けなければならなかった試合にいつの間にか勝ってしまったのだった。


まぁ、俺たちが負かしたんじゃなくて相手が勝手に自爆したのだ。王も許してくれるだろう。


俺はそう思いながら、皆が観戦している元へ帰った。


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