☆14☆ 生誕祭1日目、騎士剣舞祭(幼女と共に)②
目の前には金髪碧眼の青年と、青い髪で、それもまた碧眼の少女が佇んでいる。
そろそろ剣舞が始まるな………。
そう俺が思ったのと同時に魔法具で放送される、アナウンスが鳴り響いた。
〜両者共に指定された配置に着いて下さい………。
、
それでは、始めっっっっ!!〜
「いくぞっ!アルシュレットっ!!」
仕方ねぇ。やるか……っ!
ガキンッッっっ!!
構えていた俺の剣と、此方に向かって突進してきたルシアの剣とが激しくぶつかる。
「さっすが、俺らのリーダーっ!やっぱり強いねっ!結構本気だしてるんだけど、全然押し切れないっ!!」
「はっ、リーダー様を舐めて貰っちゃあ困る、なっっっ!!」
俺は語尾を強めながら、ルシアの重い剣を跳ね返した。
ズザザザザッ!、とルシアが後ろに後退していく。
「死んで…………………」
「「!?」」
何かしらの危機を感じた俺はジャンプで前転した。
ドゴォォォォォォォっっっっ!!
丁度さっき俺の居た場所に大穴が空いている。爆裂魔法を打たれたらしい。
おいおい、マジかよ……。フレイア、あいつ俺の事殺す気かよ………。
てか、死んでって言ってたよな?今。
「大丈夫か?アルシュ!」
王女様が俺の事を心配してくれている様だ。
「がっ、頑張って?ふ、フレー、フレー!まっけるな!アルシュっ♪」
王女は恥じらいながらも、俺にぎこちなくフレーフレー応援をしてくれた。
俺は
この応援だけで
世界最強になれるっっっっ!!
ああああああああああああっっっ!
王女(幼女)おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!
「えぇ。大丈夫ですよ、王女様。取り敢えず、俺の晴れ姿を観て居て下さい。」
そうカッコつけながら平静を装って俺は、今だに土煙が立っている地面を駆け抜けた。
「幼女のために死ねぇぇぇぇぇぇぇぇっルシアぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!」
ぶしゃぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!
「イィヤァァァァァァァァァっっっ!」
よし、ルシアは(一瞬で)倒した。
うんっ!とても強かったな!
なんか血が結構吹き出している様だが、だぶん大丈夫だ。
おそらく、救護班が何とかしてくれる。聖カタリアナ王国の回復魔法は優秀だ。………たぶん。
「さぁ、後はフレイアだな。大人しく投降して貰おうか」
……あれ?なんか様子がおかしくないか?
視点変更
(アルシュレット→フレイア)
薄々前から気づいていたけど、
…やっぱり、やっぱりそうよね……アルシュレットは王女の事が好きなのよね………。
さっき王女に軽く応援されただけで、あんなに強くなっちゃうし………。
私の方がアルシュレットと一緒にいる時間は長かった筈なのに……。
何で?
この前の夕食の時だってそうだ。
”フレイアがなんか、お母さんみたいだな。俺がお父さんで、王女が娘で…みたいな?”
とか言ったくせに、その後、
”あぁ、分かってるって、俺達が付き合う事なんて、”有り得ない”だろうし、
ましてや俺達が結婚するなんて”未来永劫無い”よな?”
とかほざいていた事、
ちゃ〜んと一字一句覚えているのよ?アルシュレット…。
アハハハ。
ていうか、昨日の晩ディアナって娘を私のベットに引き入れて一緒に寝たんだけど、別にディアナって娘の事が好きって訳じゃ無いのよ?
どちらかというと、いつもなんだかんだ言ってアルシュと一緒にいるあの子は嫌いな部類に入るかな?
別に私は子ども好きって訳じゃないし。
昨日そんな事をしていた本当の理由は
いつも貴方と一緒に寝ているディアナを媒介にして、頭の中に貴方を浮かべながら、睡眠剤で熟睡しているディアナに顔を押し付けて、貴方のにおいを嗅いでオ○ニーをするためだったの。まぁ色々あってオ○ニーは出来なかったんだけど。
えへへ、私ってやっぱり変態なのかな?
でも、実際には貴方に睡眠剤とか使って手を出してはいないし、別にセーフよね?
私はもう16歳で、意外と性欲も盛んになってくるお年頃なのに、貴方と繋がりたい気持ちをおさえてる。
そう考えると、私って偉いよね?アルシュ………?
貴方は覚えてる?私がモンスターに出くわしてしまって、その頃もの凄く弱かった私の事を助けてくれた事を。あの頃の私は、私を救い出してくれる王子様に憧れていたの。
その時から貴方は私の王子様。
でも、いつも素直になれずに殴ったり蹴ったりしてしまうの。
いや、素直にはなっているはずだわ。
現に貴方が肉体的に傷つく所をみると
興奮しちゃうもの。
でも、こんなに今まで一緒にいたのに、こんなに好きでいるのに、怖くて一歩も踏み出せないの。
そうこうしている内に王女が貴方好みの女の子に育ち上がってしまった。
もう、自分の物にならないならいっそ
殺してしまおうかな?
それで、私は、毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩
……貴方の亡骸が入った棺で寝るの。
素敵じゃない?
あぁ、なんて甘美な響きなのっ?
貴方の亡骸と永遠に一緒に寝るなんてっっ!!
アハハハハっっっっ!
アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハっっっっ!!
ヤバい………今までずっと本性を隠してきたのに、なんか今、とても感情が昂ぶってきて全てを曝け出したい気分になってきたわ………。
合法的にアルシュを殺せて、その亡骸を永遠に自分のものする事ができるかもしれないというチャンスが私に巡って来たのだもの。そんなの当たり前だわ。
ねぇ、どうしちゃおうか?
視点戻。
(フレイア→アルシュレット)
なんか、フレイアの、いつもは澄んだ碧眼が、もの凄く荒んできている様に見えるんだが、気のせいだろうか?
なんかヤンデレっぽい雰囲気を超醸し出しているんだが……。
まるでスクールデ○ズのヒロインのようだ。
スクールデイズと言えば世○いぃぃぃぃぃぃ という感じだ。
世○が、bad endで言○を殺してしまった場面は衝撃的だった。
本編で主人公が世○に刺殺された所はさらにショックだった。
俺はそれを見た以降ヤンデレが苦手になってしまった。
それにしてもルシアに対して、少しやり過ぎてしまっただろうか?
そりゃ、今組んでいる相棒が、”ぶしゃぁぁぁ”とやられてしまったら、怒っちゃうよな…[←見当違い]
「お、おい?大丈夫か?フレイア?」
「………………………………」
フレイアは虚空を眺め、ぼぉぉっとして、とても不気味にニヤニヤしながら黙っている。
不気味を通り越してなんか怖いんですケド?
そこまで、ルシアを”ぶしゃぁぁぁ”としてしまった事を怒ってらっしゃるのだろうか?[←見当違い]
ま、まぁいいか。さっさと穏便に終わらせよう。
そう思っていると、フレイアの方から此方に向かって走りながら攻撃して来た。
「アナタの、シタイが、ホシイ……な♪」
とても不穏な事を口走りながら。
……ヤバいな。大層お怒りな様だ。
足を鉄のように固める魔法を使って、俺に向かって物凄い勢いで殴りにかかってくる。
……もし当たれば、即死ものだ。
まさか、普段一緒にいる仲間同士の戦いで、死と隣り合わせになる状況に陥るとは夢にも思わなかった。
ヤベェ………
「できれば、キレイな状態でシンデね?」
と、フレイアは回し蹴りをしながら言った。
俺を殺す事前提っすか?でも、多分無理だなぁ……綺麗な状態で死ぬのは。
頭の1つや2つ、手足の5、6本は吹っ飛びそうだ。
俺は、フレイアのマッハの様な攻撃を慎重に避けながらそう思った。
仕方ない……何とか気絶とかしてもらわないと困るな。
ふっ、本気を出してフレイアを無事に気絶させてやろう。
フハハハハハハハハっっっっ!!
☆
……などと思っていたが、結果は惨敗だった。
我を失っていたらしいフレイアが結構強大な爆裂魔法を使ってきたのだ。
それが、王女に当たりそうになったので、全力で庇って戦闘不能になってしまった訳だ。
そしてその直後。
「大丈夫?アルシュレットっっ!」
俺は今、正気に戻ったらしいフレイア、そして王女に介抱されている。
「ごめん、ごめんね、アルシュレット。ちょっと正気を失ってたみたいで………」
(残念だったわ……。貴方の死体が手に入らなくて、とても残念………。でも流石に王女の前では貴方を殺せないわ……まぁいつかは私と毎晩棺の中で一緒に寝ようね……)
[←フレイアの心の中]
「大丈夫か!?お主?妾がうっかりしていたばっかりに……」
いや、王女は悪くない。ぶっちゃけ、フレイアに攻撃を受けた直後の王女の軽い回復魔法が無ければ、ちょっとヤバかったかもしれない。
ていうか、次の試合もこんな感じになってしまうのか?
俺はそう思いながら、意識を失った。
フレイアが言っていた、夕食の時のアルシュレットの発言については、第8部キャラ被りな幼女を参照して下さい。
後、フレイアがヤンデレと判明した記念で、ブックマーク、もしくはポイント評価、是非お願いします。