6:勇希はヒーロー
弱音を吐くこともあったが、ある日を境に勇希は弱音を吐かなくなった。
それは
『勇希はなにになりたい?』
『僕はヒーローになりたい。』
『でも、ヒーローにはなれないな』
『どーして!?僕頑張ってるよ!』
『じゃあ、ヒーローは弱音を吐くか?お母さんを困らせるか?甘えん坊さんか?ヒーローは頑張ってるだけじゃダメなんだ。我慢という努力がないと』
こんな会話からだった。
勇希はそれからやる気を出した。
どんなに辛い治療も、どんなに苦しい治療も励んだ。一切弱音を吐かずに…
するとその成果があったのか
『勇希くん!データ良くなったよ!お家に帰っていいよ!』
偶然にも退院日は勇希の誕生日だった
『やった!やった!お家でお誕生日会出来るね!』
『でも、無理はしちゃだめだよ?次の日になったら、すぐ帰ってくること!』
『はーい!』
そして、誕生日の日
『先生まったね!』
『うん!誕生日会楽しんできてね!』
『うん!』
そう言って車に乗った。
『ねーねー、お父さん』
『なーに?』
『また、前みたいにならないかな』
久々の弱音だ
『大丈夫!勇希頑張っただろ?我慢もしただろ?そんなに頑張ったのに、神様は悪いことしないぞ!』
『そーだよね!早くお家につかないかなー?夢にも会いたいなー!』
そして、家についた。
『え!なにこれ!おっきい!開けていい?』
この反応を待ってた。綾奈と義喜は仕込んで、誕生日プレゼントを玄関の前に置いといた
『うわー!自転車だー!ありがとう!!!』
『いえいえ、もう一個開けてみ?』
勇希はもう一個のプレゼントを開けた
目が今まで以上にキラキラしている。
それはヒーローの衣装だ。
『お父さん、着ていい?』
『ぁあ、いいよ!』
そして、クリスマスの時にあげた変身グッズをつけ、ヒーローそのまんまのような格好になった
『お父さんありがとう!!!』
そして、その格好で綾奈と夢の前に現れた。夢はもう立てるようになっていて、勇希はそれにびっくりに、夢は勇希の格好にびっくりした
2人で同じような顔をしている。なんとも可愛い。
そして、夢が笑った
『わー!夢が笑ったー!可愛いー!』
そして、その日はお誕生日会をして、ヒーローごっこをした。
悪者は義喜、拐われた姫が夢、ヒーローはもちろん勇希。
綾奈はそれを見守っていた。
『えいっ!』
『わぁー!』
『夢は俺のものだ!』
『やられた~』
『夢ちゃん、おいで!』
夢は勇希の元へ歩いて行く。
『だっ!』
夢はそう言って勇希に抱きついた
あまりの可愛さに、みんなで可愛いーと声を揃えて言った。
勇希はヒーローになった。
勇希は夢を叶えたのだ。
僕はヒーローになるという夢を。
そして、次の日になり、病院へと戻った




