いつの日か
最終回です。
通して読んでくれた人、ありがとう。
2016/09/25 修正
夏休みなんて、いつも遅くやって来て「あっ」と言う間に去って行く。
今年は、いつもよりも早く過ぎたけど……忘れられない夏休みだった。
広志「さよならくらい言ってけよな。あ!そう言えば、ホンマの名前聞くん忘れてた……フリードリッヒ? いやいや、それはないわ」
居なくなった日。
『世話になったな』と言う書き置きだけが、机の上に残されていた。
宇宙船の隠し場所まで走ったけど、すでに何もなかった。
父ちゃんも母ちゃんも、安夫も秋男も、誰も犬が居た時の記憶は無かった。買ったハズの犬小屋までも、無くなっていた。
アイツと離れても、僕の記憶が残っているのは、友達だったからだと信じている。
そうそう、僕以外にも記憶が消えていないと言うか、消すのを忘れられていたと言うか……もしかしたら、面白いから残したんじゃないか?と言う地球人が居る。
神主の爺ちゃんだ。
安夫や秋男と居る時に「火星人の犬は、どうした?」って言ったもんだから、さぁ大変!
「広志は犬なんて飼ってないし、それに火星人の犬って! 神主はボケた! 金星人だと本気で思ってる!」
と、安夫が言いふらした。
あの後、大人が集まって、老人ホームを勧めたりとか、色々大変そうだったなぁ。
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それにしてもアイツ、結局何しに来たんやろ?
地球征服?
ないない。
やっぱ、観光かな?
先生「コラ、広志! 夏休みボケか!」
それから僕は、無意識に空を眺めるようになっていた。
地球人は今のところ、月まで行っている。
いつか火星に降りる日も来るだろう。
広志「今度は、いつ遊びに来んのかなぁ」
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夏子「広志くんのお弁当美味しそうね」
広志「あ! えぇ~っと……」
夏子「今日、転校してきた・米・山・夏・子!」
広志「ゴメン」
夏子「見て、私のお弁当も美味しそうでしょ?」
広志「ん!? ド、ドッグフー……えぇ~!!」
彼女の弁当には、ドッグフードが敷き詰められていて、そんな彼女は笑いながら、目で『何か』を要求しているようだった。
おわり
貴方にとって、この物語が気に入って頂けた作品だったなら幸いです。




