表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

企画小説

リスタートのお正月

作者: エネル

ちょっぴりシリアス入りです…多分

十二月三十一日の午後11時。雪がちらつく住宅街を、スーツの上にコートを着た男が歩いている。周りの民家からは家族の暖かい笑い声が聞こえてくる。



「今年もあと少しか……」



男はちらつく雪を見ながらしんみりと呟いた。やがて、男の自宅が見えてくる。鍵を差し、自宅に入る男。



「ただいま……」



家の中に男の声が消えていく。賑やかな他の家庭と違い、男の自宅は静まり返っていた。


不況の影響で勤めていた会社を経費削減という名目でリストラされ、家族を養えなくなり、妻は子供を連れ出ていった。



コートを脱ぎ捨て、ネクタイを緩める。冷蔵庫からビールとつまみを取り出してソファに座ると、テレビを点けた。芸人が有名人と対決するという番組が流れた



「はははは。……お、良い打球だ。おー、ピン側か…」



男がビールを飲みながら特番を観ていたその時――


    ピンポーン…


玄関のインターホンが鳴り響いた



「おっと…。来客か」



ビールをテーブルに置き、玄関に向かう男。ガチャリと玄関の扉を開ける。そこには――…



「お…、お前…」


「……ただいま」


子供

「お父さん!」



愛する妻と我が子が玄関の前に立っていた。



「なんで……」


「一生懸命働いてくれていたのに私はあなたがリストラされた時、支えれなかった…。ごめんなさい……」


「…………」


「我が儘だって解ってるけど…。もう一度、私たちと居てくれる…?」



男はフッと笑うと妻と我が子を抱き締め、涙を浮かべながら囁いた



「それは……俺の方だよ」


「ありがとう……」



家族のやり直しの正月が始まった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] (´;ω;`)  もう、シリアスっていうかほのぼの。
2012/12/30 08:40 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ