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プロローグその2

何故か親戚の子を預かる事になった…エロゲとか隠さないとなぁ…

日差しが熱い。


空気は渇いていて呼吸をするだけで喉が渇く。砂漠が直ぐ隣に有るせいか、この町はいつもそうだ。

三年かけて引いた水路の御蔭で大分マシに成っているが、それでも熱い。


(いや、気候の所為じゃねぇか)


板張りの床に厚い石のテーブル。ジュウジュウと湯気を上げる香辛料を利かせた肉とサラダ…冒険者協会ギルドの中だから余計に熱く感じるのだ。

ギィと椅子に体重を掛け葉巻に火を付ける。


「どうしてこうなった…」


此処一週間毎日のようにヴァルド・ビルガはそう言う。


世界は飢えている。


命に潤いに飢えている。


此処はダナンの極東、砂漠の入り口の町、冒険者の町サイゼリヤ。


正確には『元』冒険者達が起こした街だ。


この先の砂漠にもオアシスを中心にした村が幾つか存在する。だが、この町の人口に比べれば所詮は村だ。物資の豊富さが違う。この砂漠の先、海に出れば此処より大きい港町があるが…其処までは徒歩で十日、熱砂馬サンドホースで七日、飛ばせば五日と距離が在る。

元々が冒険者の国とされるダナンでは別に珍しくもない町だが、他とは違う所が在る。

此処から先の砂漠は≪偽・迷宮≫が三十もある戦場という所だ。

この大陸にある五カ国には迷宮ダンジョンが存在する。


魔道学術国、ディーノ。


錬成学技国、ヒロエ。


騎士国、ヴァルトフェルト。


山林国、ヘーン。


そして、晶国ダナン。


それぞれが一つの分野に優れている半面、他の国を下に見る。唯一の例外がダナン。


人の生活には晶石が欠かせない。


晶石から抽出するエネルギーが無ければ食にも苦労する。


今は昔の遥かな太古、自分達の遠い遠いご先祖とやらは晶石が無くとも生きて居たらしいが今はそうではない。

人は衰退した。

ディーノの学者が数百年前にそう言ったそうだ。その学者曰く、太古の昔、人間はその総数を百億まで増やし生きて居たと言う。

誰もが嘘だと吐き捨てた。そして、ソレを嘘だと決定づける為に遺跡から発掘した太古の技術の結晶を解明しようとした馬鹿が居た。とうの昔にそいつは死んでソレに興味を持った奴が後を継いで二百年たった頃にソレが事実だと言う事が判明した。


(どうでも良いんだよそんな事は。昔は昔、今は今だろうが)


今現在市中に出回っている晶石を使う道具、晶具は太古の昔に在ったらしい物を見よう見まねで造られた物が殆どだ。

物を冷やして保存する保存庫、突起を捻れば日が付く調理器具。温風冷風を出す風送器。

そんなモノはどうでも良いとは言わない。今現在それの便利さを知ってしまった身だ。その恩恵を受けて暮らして来たんだ。否定はしない。

だが、それで終わってはいけない。


晶石は魔物等の外敵を殺した際に現れる。迷宮ダンジョンでは稀に壁に埋まって居たりするが基本は殺す事で現れる。

其処からエネルギーを取り出す事に成功したのが、このダナンだ。


今や晶国では無く商国と呼ばれる事もある国だが、まぁ、其処は何処も似た様なものだ

ディーノは学術、ヒロエは錬金国家。ヴァルドフェルドは軍国、ヘーンは生産国家。

それぞれの特徴でそう呼ばれる様になった。


「チッ、俺は一体何時帰れるんだ? クソが」


この町で一週間。この町に来るので更に一週間。帰りの事を考えても一週間以上も家に帰れずギルドの一室に足止めされている。最初は二日の予定だった、サイゼリヤのギルドマスター、協会支部長が風邪で寝込んだ。奴とは昔パーティを組んでいた仲だ、二日ほどなら待つし仕事を手伝ってやっても良い。

だが、七日だ。

ガヤガヤと下の階が騒がしい。何時も騒がしいが今日は何時も以上だ。余計にイライラする。


「…うるせぇ!! 一体どこのボンクラ共だ!!」


二、三発ぶん殴ってやる。


俺はそう心に決めて部屋のドアを乱暴に開いた。



Side out




冒険者。


文字通りに冒険をする者達の総称である。

正確には、その冒険者達のそれぞれの専門があり就職ジョブに分かれている。

剣士、拳闘士、魔術師、錬金術師等だ。これ以上に様々な職が有るがこの四つが基本だ。

戦闘特化の剣士に回復も使える拳闘士、魔導を扱う魔術師に錬金術で道具を作り出し魔導の補助も出来る錬金術師。後者の二職は鑑定も出来る。パーティーを組むなら基本この四職を集めるのが最低限のメンバーだ。ダンジョンに潜るのならと前に付けるが。


世の中の人間。特に子供達は冒険者という存在に憧れを抱くが、ソレは成功している者のみに関してである。子を持つ親や、自営業等している者達からすれば冒険者には成って欲しくは無い。


冒険者とは在り大抵に言ってしまえば何でも屋で、ゴロツキやチンピラが多い。強欲な人間達だ。

常に死の危険が伴うダンジョンに挑む馬鹿野郎達。

魔物を殺してその日暮らしをしている無法者。

人を殺して金を貰う人非人。


どれも間違って居ない。


上流階級には冒険者に成って偽・迷宮デミを制覇する事で拍を付ける者も居るが、下手をすれば死ぬ。


だが、冒険者は多い。


誰しも現状に満足はしていないと言うのが理由の一つ。


金が欲しい。名声が欲しい。女が、宝が、地位が…続いて行く人生に幸福が欲しい。


だから、目指すのだ。迷宮を、其処に眠る宝を、尽きぬ財宝を。


此処は冒険者の待ちサイゼリヤ。そのギルドにまた冒険者一組が入って来た。

赤毛の目立つ青年剣士、白髪褐色の女拳闘士、少々肉が付き過ぎて居る魔術師に、小柄だが鍛えこまれている盗賊。


赤毛の青年はリーダーなのだろう。ギルドの依頼クエストを確認しながら一つ一つを慎重に確認している。


「ウェイン」


名を呼ばれた青年は振り向いて仲間に聞く。


「ん? クエストはまだ確認中だよ、メリー」


メリーと呼ばれた女拳闘士は腰まである白髪を揺らしながら自分の後ろをチョイチョイと指差した。


「またか…」


ウェインはそう言うと頭を掻いた。


食堂や酒場としても使われる場所に自分の仲間の二人が居る。また、ウエイトレスか他の冒険者の女性にチョッカイを掛けたのだろう。

大きな騒ぎ声が聞こえてくる。幼馴染四人で組んでいるが、どうもあの二人のそう言う所は子供の時から治らない。


「ザックとムンドも何であぁも性欲旺盛なのかなぁ」


「……いや、アンタが他の男共よりそう言った方面に興味が無いからでしょ?」


ソレはそうだけど…と一言漏らし、喧騒へと乗り込む。


数分後、自分達よりも強く立場も有る大先輩に仲良く拳骨を喰らう訳だがソレはまだ彼等は知らない。
















「お前等罰として、デミの確認と間引きして来い。Dランクなら適正だ。」


無料奉仕という罰も付け加えられるのだが…


はい、そう言う訳でプロローグその2でした。


で、アンケートです。


1、まだ行ける

2、いや、もう止めとこう。

3、いや、俺達だけでも行く。





主人公にもちょっと関係するアンケートです。因みにですが、死亡フラグが埋まっています。

一応ヒントでも


目に見えるモノがそれではなく、裏に潜むモノこそ恐ろしいのである。


ぐらいですかねぇ。まんま答えですけど。明日の夕方位見た時に多いヤツで決めます。それでは、お休み

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