1/4
あらすじ
男はただただ歩いていた。
一センチに満たない小さな鉛玉が腹と右足、それに右肩に残っていた。
ゆっくりと、だが確実に男は歩んでいる。
死への旅路に恐怖は無かった。安堵が在った。喜びが在った。
ゆっくりと視界がぼやけてくる。
そして完全に暗くなる瞬間、声を聞いた。
目覚めれば洞窟、首に違和感を感じ何かに繋がれている事を実感する。
重さを感じない首輪に鎖、その先にはまだ一歳程の赤子が居た。
これは、少年と赤子の物語。
力無き少年は足掻き力をつける。
力無き赤子は少年にしがみつき生きる。
最後に彼等を迎えるのは何か? それは誰もしらない。