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王達の晩餐  作者: 尭嗣
1/5

序章

 

 色も音も景色も季節も。

 何一つ、自分には優しくなかった。

 

 こんなモノを背負って生まれてきた人間は、不運だ。

 

◇◇◇

 

 もし。

 なんて、言葉、何度繰り返しただろう?

 もし、この家が誰もが羨む良家だったら。

 もし、自分の母親が誰もが羨む良妻賢母だったら。

 もし、自分の父親が誰もが羨む威厳溢れる偉大な人物だったら。

 空想や妄想は簡単で、優しくて、甘くて、そして、どこまでも残酷で。

 イラクサがささくれ、苦い臭いを放つ畳に丸い爪を立てながら、ぼんやりとした痛みを頭の隅っこで感じる。

 重く鈍い振動が腹から背中へと駆け抜け、既に口の端で乾き始めている苦い唾液が塊となって頤を滑り落ち、汚い畳をさらに汚していく。

「お前みたいな奴をここまで育ててきてやったんだ!少しは恩を返そうとは思わねぇのか!」

 聞き慣れた声も、怒声も。

 感じ慣れた痛みも、恐怖も。

 自分の日常だと受け止めるまで、理解するまで、随分と時間がかかった。

 

【おまえみたいなやつ】

 

 信じたくない気持ちはよく分かる。

 “こんな化け物”が自分の遺伝子から産まれた。なんて、信じたくないんでしょ?

 記憶は遠いままだけど、自分の現実を知ったあの日の事、忘れた事なんて一度もなかった。

 こんな人間が自分の父親だと信じたくない己の現実を、知らされたあの日の事は。

 

 初めての自己作成文にドキドキです。

 誤字・脱字等ありましたら、ご指摘下されば幸いです。

 

 少しずつ書き上げていきたいと思いますので、お時間ありましたら拝読お願い致します。

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