レモンジュースが好きだ
レモンジュースが好きだ。
生絞りジュースの店が通勤経路にあったとき、買うのは必ずレモンジュースだった。
一番安かったからというのもあるけれど、一番飽きがこなくておいしかったからだった。
果汁自体の割合は多くない。
ほとんど割りものの甘いシロップと水ばかりで、他の生搾りジュースと比べると特別感もなく豪華でもない。
専門店で敢えて選択するものでもないのだろう。
わざわざお金を払って飲むようなドリンクではないのかもしれない。
が、私はひたすらそればかりを飲んでいた。
その店のポイントも貯めるくらい通っていた。
貯まったポイントでやっぱりレモンジュースを注文していた。
完全なレモンジュースジャンキーだ。(深読み禁止)
だがしかし、ある日レモンがメニューから消えた。
単価の高いメニューだけが残され、私好みのシンプルなジュースは注文できなくなった。
レモンもあるにはあるけれど、オレンジや他の果物とミックスされるようになっていた。
きっとレモンジュース単品は原価率的に不採算だったのかもしれない。
とても悲しかった。
それ以降、私はぱったりとその店を利用するのをやめた。
おいしいレモンジュースを探し求めているけれど、その店のものよりおいしいものにはまだ巡り会えてはいない。
レモン汁と水では、同じ味にならなかった。
あの中に入っていた謎シロップの正体さえ分かれば、同じクオリティのジュースが作れるのかもしれない。
そんな思いを抱いて数年が経ち、もう私はその店のレモンジュースの味を再現することをほとんど諦めてしまっていた。
ちなみにドン・シモンのレモネードは何回か購入して飲んでいるが、妙に薬っぽくて好きじゃない。(レモネードなだけに)
ハーブでも入ってんのかな? って思うような独特の苦さは嫌いじゃないけれど、私の理想とするレモンジュースとは程遠いものだった。
まあ、あれはああいうものとして、薬だと割り切って飲む分にはありだとは思う。
家族は誰も飲もうとしないけど。