7話 巨大芋虫
ちょっとグダグダしてます。
はぁ……。
俺は丁度いい洞窟が見つからず、ため息をつく。
昨日、リナに洞窟を崩壊させられ、新しい住み処となる洞窟を探しに森に入った。
そして『全方視野』と『透視』を併用して洞窟を探してるのだが……洞窟が、ない。
ちなみにリナは俺の背中の上で寝てる。
洞窟壊しやがった張本人が、何で寝てんだよ、探せよ。本当に食べるぞ。
と、その時俺の『全方視野』が、俺たちへと近づいてくる巨大な何かを捉える。
何だ、あのムカデと芋虫をくっ付けたような生き物は……?
《検索結果:巨大芋虫。千年以上前、何者かが森に放った芋虫。獰猛で生物を見つけては襲い、死ぬまで追いかけてくる。また、ほぼ全ての攻撃に耐性を持つ。》
うわぁ……芋虫か……。俺芋虫嫌いなんだよな、関わらんとこ。
ん……?生物を見つけては襲う?俺たち、狙われてんじゃね?
「グオオォォォォ!」
やっべぇ!!やっぱり俺たちに向かってる!慌てて芋虫から反対方向へと逃げる。今出せる最大速度で森を駆け、巨大芋虫を撒こうとする。
だが、巨大芋虫との距離はほとんど変わらず、後ろから木々が折れる音が聞こえてくる。
「グオオォォォォ!」
……まぁ、いつか諦めてくれるだろう。そう思い、俺はひたすら逃げ続ける。
...
..
.
一時間後。そろそろ撒けたかな?そう思ってチラリと後ろを見る。
「グオオォォォォ!」
はい、相変わらず元気についてきます。
俺はほとんど疲れることはないが、それは巨大芋虫も同じようだ。
ずっと同じ距離を保ったまま、巨大芋虫が俺を追いかけてくる。
ああもうしつけぇなあ!!
『万能変化』!!
「……グォォ?」
巨大芋虫が俺たちの目の前で戸惑う。
『万能変化』で擬態したのだ。リナはその辺の草むらに放り込み、『透過』させといた。完璧ではないがこの辺暗いし大丈夫だろ。
とりあえず、こいつどうするかな……。
こいついるとこの辺近づけねぇし……あんま関わりたくないが倒すか……。
木の上に登り、『万能変化』を解除する。
「グオオォォォォ!!」
さっそく見つかった。まあ木の上だし大丈夫でしょ……ん?
ボギッバキッバキバキッ!!
巨大芋虫が木の幹を食ってた。
マジかよ!?慌てて木から降りる。とにかくリナから離さないと。
巨大芋虫は狙い通り俺を追いかけてくる。
ところで、その口にある光はなんですか?と、次の瞬間、光が俺へと向かって放たれる。
うわあっ!!間一髪で回避。光が通った後には灰になった地面が残っていた。
なんだよそれ!?
《検索結果:『魔力弾』
魔力の塊を打ち出す。威力は込めた魔力量に依存する。》
魔力を飛ばしただけでこの威力か!
休む間もなく、更に『魔力弾』を撃ってくる。
何とか全て避けるが――あれ、巨大芋虫の奴はどこへ消えた?
その時、視界の端に何かが写った。
そこに目を向けると――巨大芋虫が俺を殴ろうとしていた。
隙をついて巨大芋虫が接近し殴りかかってきたのだ。
咄嗟に手に触れた木を盾にし、巨大芋虫の攻撃を受け止める。
だが、衝撃を抑えきれず吹き飛ばされてしまい、体制を崩したところへ巨大芋虫が『魔力弾』を撃ち込んできた。
間一髪で体を捻って回避し、巨大芋虫から距離をとる。
まずい、だんだんと俺が不利になってきている!
あの厄介な魔力弾をなんとかしなければ……あ、そういえば、『結界』の能力って何だっけ?
《検索結果:通常能力『結界』
権能:結界、能力付与
結界:結界を張る。
能力付与:張った結界に能力を付与する。》
自分のみを囲む結界を張り、能力付与で魔力弾を無効化すれば……?
巨大芋虫に目を向けると、『魔力弾』を打とうとしている。
ええい、一か八かだ!!
『結界』!!
直後、俺の体が魔力弾の光で包まれる。
...
..
.
どうなった……?自分の体を見る。ところどころ焦げているが、ダメージは入ってないようだ。
どうやら無効化に成功したらしい。
巨大芋虫は、俺を見て固まっている。おそらく今の魔力弾は、かなり多くの魔力を込めたようだ。
これでおそらく魔力弾を打ってくることはない……と思う。
これで逃げてくれれば……。
「グオオォォォォ!!」
ですよね!?
そしてまた、森の中の鬼ごっこが始まった。
ちょっとした情報
巨大芋虫は森に住むとある種族によくよくちょっかいを出してます。
あと、巨大芋虫の見た目は芋虫に腕が生えたような感じです。