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俺の転生先が狼だったのですが  作者: 小兼
異世界生活編
18/26

18話 ダナフ王国~帰路~

 週別ユニークユーザが100人突破!

 更に、ある人が『転カミ』のレビューを書いてくれました。

 ありがとうございます!

 これからも頑張ります!

 俺は約百体の一角熊(ホーンベア)を前にし、どう突破するか考える。

 状況は絶望的に悪い。

 ブロア達によると、一角熊(ホーンベア)はCランク。単体ではどうってことはない魔物だ。

 しかし、一角熊(ホーンベア)は通常八~十体ほどで群れて行動し、その危険はBランク上位になる。


 そして今。一角熊(ホーンベア)は百体以上いる。

 それが群れて行動すると――Aランク上位の危険となる。

 明らかに、俺が不利だった。

 俺だけなら逃げて済むが、今はブロア達がいる。

 四人を守りながら逃げるとなると……無理だろう。

 どうするか……そう考えていたときだ。


『強き者よ、私達を助けてください!』


 一番強そうに見える一角熊(ホーンベア)が、俺に『念話』で話しかけてきた。

 って、え?助けて?


『強き者よ、私達は貴方様に仕えることにしました!』


 しましたって、何決定してんだよ!まだこっちはOKじゃねぇよ!

 とりあえず、事情を聞くか。


「何があったんだ?」

『私達が住む場所に、骨人族(スケルトン)どもが大量に攻めてきて、住む場所をなくしたのです。巣に貯めた食料を失い、貴方を襲ってしまったこと、心より謝罪します。』


 ああ、なるほど。飢えていて食べるものがなかったのか。

 っていうか、群れの一角熊(ホーンベア)を圧倒する骨人族(スケルトン)の軍?かなり不安だが、俺が本気出せばなんとかなるだろ。そこまで心配しなくてもいいかもしれない。

 ていうか、こいつかなり流暢に喋るな。リーダー的な存在らしいし、知能も高そうだ。


「それは別にいい。それより、お前達は何ができるんだ?」

『……特にありません。ですが、貴方様の命令なら、何でも従います!』

「ほう?それより、何で俺に従うことにしたんだ?」

『私の配下達が貴方を襲い、その時に私の配下達が圧倒されたと報告を受けました。私達は強い者に従うことがなりよりも幸せなんです!』


 おう……。強い者に従うのが幸せ……少し怖い。


『強き者よ、どうか私達を貴方様の配下に加えさせていただきたい!』


 一角熊(ホーンベア)が俺を見つめてくる。やめて、恥ずかしい。

 それにこいつら、俺がいいというまでつきまとってきそうだな……。

 だが、一角熊(ホーンベア)は群れると強い。聖霊族(エレメンタル)達に作ってもらってる町の守りに丁度いい。


「分かった、お前達は今日から俺に従え!」

『はは!私達は、貴方様に従います!』


 少し心配だが、大丈夫だろう。まぁ、裏切られたりしたら殺せばいいしな。俺はそこまでお人好しじゃない。

 さて、リナ達のところへ帰るか――。

 そして、俺は約百体の一角熊(ホーンベア)を従えて帰路についた。

 その時、俺のことを上空から見ている者がいることを、知る(よし)もなかった。



 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



 ダドラ・ロイドは聖霊族(エレメンタル)を束ねているという闇狼(ナイトウルフ)をみて、確信した。

 闇狼(アレ)は異常だ、と。


双頭犬(オルトロス)が王国内に侵入、闇狼(ナイトウルフ)と交戦中」


 昼食中、そう報告を聞いた時には危うく肉を喉に詰まらせかけた。

 慌てて食事を止め、愛馬――天馬族(ペガサス)に乗り、その場所へ向かった。 

 そこで目撃したのは、闇狼(ナイトウルフ)の異常性。


 戦闘中に急成長を見せ、Aランク上位の双頭犬(オルトロス)を倒して見せた闇狼(ナイトウルフ)

 双頭犬(オルトロス)は、スキル妨害や速さが強みの魔物。

 ダドラにも倒すことはできるが、それでも厄介と思う程の魔物だ。

 ダドラには及ばぬものの、かなりの強さを持つことは明らかだった。


 双頭犬(オルトロス)を倒した闇狼(ナイトウルフ)は、フッと姿を消した。

 どこへ――?ダドラは特殊能力(エクストラスキル)『空間把握』を使用し、何とか門へと向かう闇狼(ナイトウルフ)の居場所を探しだす。

 信じられないことに、闇狼(ナイトウルフ)の透明化は感知系スキルの最上位、『空間把握』を以てしても、捉えることが困難であった。


 何とか捉えた気配が門から外へ出たのを確認し、安堵する。

 あれが国内で暴れられたら、かなりの被害が出るのは間違いない。

 外に出てくれたお陰で、もし戦闘になっても被害はでない。


 その時、闇狼(ナイトウルフ)を追うように、四人が門から出てきた。

 なんだあれは?固有能力(イネイトスキル)炯眼(キョウシャノメ)』を用いて四人を見ると――何と、ダナフ王国随一の腕を持つ鍛冶屋のブロアと、その弟子三人が出てきていたのだ。


 四人は闇狼(ナイトウルフ)に追い付くと何やら話し合い、なんと闇狼(ナイトウルフ)に付いていった。

 降りて闇狼(ナイトウルフ)の首を斬ろうとしたのを、ギリギリで止める。

 恐らく、ブロア達は自分の意思で闇狼(ナイトウルフ)に仕えることにしたのだ。俺が割って入るのはおかしい。

 ダドラは泣く泣く、ブロア達を見送った。


 その時、闇狼(ナイトウルフ)達の後ろから大量の魔物が見えた。

 炯眼(キョウシャノメ)で見ると――約百体の一角熊(ホーンベア)だった。


 降りて一角熊(ホーンベア)を全滅させようとしたが――一角熊(ホーンベア)の様子がおかしい。

 一旦様子を見ようと思い、空から見守る。

 しばらくし――目を疑った。

 何と、一角熊(ホーンベア)闇狼(ナイトウルフ)に従うことを決めたようだ。

 闇狼(ナイトウルフ)の恐ろしいところは強さだけではない――その話術、何でも仲間に加えるその技量だ。


『王よ、隣国からの使者が来ました』


もっと着いていきたかったが、無情にも『思考共有』がそれを遮る。


『分かった、今行く。――エルザ!』

『はっ!何の用でございましょう!』

『あの闇狼(ナイトウルフ)を尾行しろ。絶対に気づかれるなよ』

『御意!』


 そしてダドラのすぐそばから、空間が歪むようにして出てきた女――エルザが、ダドラに敬礼をして闇狼(ナイトウルフ)を追いかける。

 それを見送り、ダドラは王国へと戻った。

 ダドラは思う。

 あの闇狼(ナイトウルフ)は異常だ。

 あんなバケモノがこの世界に放たれるとは――平和な時代が終わろうとしているのかもしれない――と。

 ダドラの固有能力(イネイトスキル)炯眼(キョウシャノメ)』(強者の眼)は、あらゆる隠された情報を見抜いたり、見ている物の解析とかズームとか、とりあえず便利な眼って感じです。

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