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空虚

9話目、朝起きるのは辛い

ピピピ…ピピピ…ピピピ…

アラームが部屋中に響き、また朝がきた。

(朝…起きれない…)

昨日一度寝てしまったからか中々寝付けず、三時間ほど前やっと眠れたばかり。

カナタは、アラームを止めてから深く布団に潜り込んだ。

ずっとこうしていたいという気持ちが布団の温かさでより強くなる。

「カナター、朝よ起きなさい。」

母の声でようやく体を起こすことができた。

まだ目が半開きのまま階段を降りた。

一階では母がセカセカと仕事に行く準備をしていた。

「あんた遅刻するわよ、どうせまた夜更かししてたんでしょ。」

「んー」

カナタは言葉にならない返事をしてテーブルに並べられた朝食のトーストを齧った。

「お母さん今日は仕事遅くなるから冷蔵庫のもん適当に食べてね。」

「ふぁい、行ってらっひゃーい。」

あくび混じりにカナタは母を見送った。

母が出かけると台風が去ったかの様に辺りは静まり返る。

カナタは、トーストを食べ終え学校に行く準備を進める。

顔を洗い歯を磨き、寝癖は…中々治らないので水で濡らして解決。

教科書と本をカバンに詰めまだサイズに余裕のある制服を着て家を出た。

家から学校へは川沿いに歩いていくとすぐにある。

お陰で道を覚えるのに時間もそんなにかからなかった。

カナタはまだ眠い目を擦りながら、なんとか学校に着いた。

教室には相変わらずの一番乗りだ。

静かな教室でやることといえば勿論読書だ。

本はいい、一冊一冊違う人生を見せてくれる。

伝記に限らず、フィクションでもそうだ。

存在するはずの無かった人物が色々な人に出会い、

様々な友情や恋愛の価値観を見せてくれる。

(まぁ、この本に対する見方もも本の受け売りなんだけど…)

カナタは一ページ一ページ丁寧に読んでいく。

そして、必ず読んでいる途中にこう思う。

(あぁ…自分もこうなれたらなぁ。)

カナタの嘆きはまだ誰にも聞こえ無かった。


カナタ目線です。

時間帯はアヤと同じです。

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