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余韻

カナタ目線です

6話目以外と長かった。


「こいつマジでキモイよな」

「お前みたいな奴誰が好きになるんだよ」

「もしかして本気にしてたの?」

「だとしたら、本当に」

「「キモイよな」」

人のような黒いモヤがかかった何かが入れ替わり立ち替わり笑ったような面をつけて一人を取り囲む。

その子は、うずくまり顔を上げられない。

嘲笑い、罵倒し真ん中にいる子は何も出来ない。

ただ、これが早く終わることを願うばかり。

(やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて)

繰り返し何度も願い続ける。

(やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて)

願えば願うほど酷くなる。

「やめて!!!!!」

取り囲んでいた黒いモヤ達はその子の声に驚いたのか一瞬動きが止まった。

しかし、すぐにさっきまで笑ったような面は怒りに変わりその子を取り押さえる。

「_7→64(z+p@☆d\#!!!!」

「_7→6<とxg(!!!!」

「_7→k2○m5#!!!!」

何かを物凄い勢いでまくしたててくるが何を言っているかわからない。

いや、理解が出来ない。

ちゃんと話しているのに理解が出来ない。

(何がイケナイノ?)

(誰が0|#の?)

(ど/%・理解d\5☆ノ?)

(ぼ$6...j(5の?)

徐々に前が見えなくなり、より黒いモヤ達の声は大きくなる。

(もう…何も…)



「...タ…ナタ…カナタ!!」

何度も母親に呼ばれる声で目を覚ました。

家に帰ってベッドに突っ伏していたらいつの間にか寝ていたらしい。

重苦しい体をなんとか起こす。

「あんた、うなされたよ大丈夫?」

お母さんはしゃがんでこちらを心配そうに顔を除き込んでいる。

「大丈夫だよ。」

カナタの声は明らかに大丈夫な人の声では無いが、

目立って体調が悪く無い分カナタはそう答える他なかった。

しばしの沈黙が続く中お母さんはただこちらの顔をじっと見ていた。

五分ほどたった頃でお母さんは立ち上がりカナタに背を向けた。

「夕飯できてるから早く降りて来なさい」

お母さんはそれ以上何も言わずにカナタの部屋を後にした。

カナタは何もいえなかった。

ただ、母親を心配させてしまったという罪悪感とさっきまでの緊迫感の余韻が混ざり喉の奥で溶けるような感触がした。

その後は何も無く周りがボヤけて見えた。

その日の夕飯はカナタの大好きなカレイの煮付けだった。




今話は結構力が入ってます。

考える時間ってすごく大事ですね、過去の事に関しても恋愛に関しても創作に関してもとにかく時間をかけたい派です。

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