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喧嘩の必勝法

30話目です

「ねぇ、また暴力振るう気?」

金髪が女性に殴り掛かろうとする手を止めてアヤの方を睨んだ。

アヤはゆっくり振り返るとカヤが仁王立ちしていた。

「次から次へと、あぁ…」

金髪は自分の思い通りにならない事に癇癪を起こそうにもカヤがいる事でそれも封じられ、ただ、喉の奥からかすれた声を出すだけだった。

「随分、楽しそうにしていたじゃないか。私は仲間外れにする気。」

カヤは一歩一歩、金髪に近づいて行く。

金髪は後退りをするも転び、地面をのたうち回っていた。

「大丈夫だよ。今日はこれでおしまいだから。」

カヤはしゃがんで金髪と顔を合わせてニッと笑った。

「動くな、署までご同行願います。」

二人の若い警官が金髪の肩に手を置いた。

金髪は理解が追いついておらず未だ怯える対象はカヤのままでカヤから目を逸らそうとしない。

その後、警官が女性を保護してアヤは色々聞かれたがうまく答えられた気がしなかった。

数日後、取り調べで金髪はどうやら余罪がゴロゴロ出てきたそうでそのままお縄になった。

カヤは笑ってアヤに伝えたが、アヤはまだ本当にあった事なのかとしばらく混乱していた。

「まぁ、こういう経験も君がこれから生きて行く上でいい刺激になったって事で。」

カヤは笑って缶ビールを勢いよく開けた。

「なんか、最初の目的とだいぶ変わっちゃいましたね。」

「いいんだよ、人生だってそんくらい適当で。間違えたからって死ぬ訳じゃないし結果が違ったからってやり直す必要もない。ある意味、理科の実験なんだよ。」

「理科の実験…」

「そう、だから自分だけの結果があっていいんだよ。」

アヤはなんだか少しだけ心が軽く、思いっきり背伸びをした時のような感覚になった。

「どの道、君はこの数日でかなり強くなったよ。」

「え、」

「機は熟したってやつだ。」

カヤは缶ビールを一気に飲み干すとアヤと向かい合う形で座った。

「これで最後だ、自分の目的を果たしてこい。」

「自分の目的」、そう言われた時にアヤは以前なら首を横に振っていたが、今はなんでもやれそうな気がした。

「はい」

その一言にカヤの部屋を出ようとした時に後ろからカヤが呼び止めた。

「喧嘩の必勝法を教えるのを忘れてた。喧嘩の必勝法それは」


アヤ目線です。

え!30話!

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