頼れる事とできる事
22話目です。
(好きな…タイプか。)
アヤは昼間に後輩に言われた事が妙に引っかかって家に帰ってもそればかり考えていた。
今までそんな事を意識した事もなくそれ以前の問題があったからだ。
第一、人を好きになった事がなかった。
誰かに必要とされたいや、一緒にいて欲しいという感覚が無かったのだ。
寧ろ、1人でいる方がよっぽど魅力的で仕方がないくらいだ。
昔、小学校の担任に言われた事があった。
「もっと周りを頼りなさい。1人でやり遂げる事も立派ですが、人に頼れる事は大切で立派なことなんですよ。」
正直、ピンと来なかった。
1人で、出来ればそれでいいじゃないか、周りにマイナスにもプラスにもならない。
素晴らしいことだとアヤは心の中で一種の美徳として捉えていた。
色々考えていては勉強が捗らないと少し言い訳を混ぜてその日は早めに勉強を切り上げて眠りに着いた。
次の日の帰りのホームルーム、図書の当番では無いためさっさと帰り支度を始めているとマリが話しかけてきた。
「ねぇ、アヤそろそろ小説読み終わった?」
と少しニヤついた笑顔でマリが話し掛けてきた。
その時、アヤは忘れかけていた最後のページを思い出した。
まだ、なんの対処も考え付いておらずアヤは焦った。
「その、えっとまだ読んでる途中で、最近色々忙しくて。」
「えー、アヤにしては遅くない、いつもならパッと読んじゃうのに」
「ほら、あんまり読んだ事ないジャンルだから、読むの手間取っちゃって。」
「…そっか」
それじゃ、とアヤは急いで教室を出た。
流石にまずいと、どうにか対処法を考えるが中々出なかった。
そうこうしている間に家に着いてしまった。
とにかく、いつもどうりにしようと、バックから勉強道具を取り出そうと中をみると、ノートが無かった。
焦ったからかつい学校に置きわすれてしまった。
普段なら明日でもいいのだが、こんな時に限って課題が出ている。
アヤは暫く悩んだが、流石にマリも帰っているだろうと、学校に取りに行く事にした。
なんで、こんな面倒くさいことにとアヤは渋々学校に向かった。
学校に着くと流石に放課後という事もあって校舎内は静かだが、時折り運動部の練習声が響いていた。
階段を登りいつもの教室に差し掛かった時、異変に気づいた。
おかしい、いつもはもう皆んな帰るか、部活なのに教室に人の気配がある。
アヤは、恐る恐る教室と廊下を繋ぐ窓からこっそり中を見た。
すると、そこには自分のノートに何かを書いているマリがいた。
アヤは、ゆっくりと息を殺しながら、教室のドアへ向かった。
そして、ドアを開けゆっくりと覚悟を決めた。
「何してるの。」
マリは突然のアヤの声にびっくりし、少し後ずさった。
アヤはただ、マリから視線を離さなかった。
久々のアヤ目線です。
最近1000文字超えるようになって来ました。




