プルースト効果
14話目です
オルゴールは、ゼンマイが切れると共に少し鈍い金属が擦れる音と共に止まった。
終わっちゃったとアヤは呟くとゼンマイを巻き始めた。
今まで忘れていたにしても、一度聴き出せば次から次へと聴きたくなる音色にアヤはすっかり夢中になっていた。
まるで昼にあった事を全て洗い流すかのようにアヤは聴き続けた。
五回は聴いた後だろうか、アヤは流石に満足してオルゴールを元の場所に戻した。
十分にリラックスできた体を一回伸ばして一呼吸置くとアヤのあたまは霧が晴れたようにすっきりした。
ペットボトルの水はもう空っぽで、新しいのを取りに行こうとリビングへ向かった。
そこに母の姿は無く、有るのは綺麗に畳まれた毛布だけだった。
アヤは冷蔵庫から水を取り出すと同時に口が少し寂しいことに気がついた。
思えば昼休みから水以外口にしていなかった。
とはいえ、晩飯時までそう時間は無い。
オヤツを食べるには少し遅すぎた。
何か無いかとアヤは冷蔵庫の中を物色しているといい物を見つけた。
それは、色とりどりのアメが入った袋だ。
お菓子ほどお腹にもたまらないし、口の寂しさを紛らわしてくれる。
アヤは早速袋からアメを選び一つ取った。
アヤはハッカ味を選んだ。
アメは口に入れた途端、ハッカの涼しい味が体中に流れた。
ハッカ独特の香りの中に微かに甘い味が広がる。
アヤは昔からハッカのアメが大好きだった。
何か嫌なことがあっても、その清涼感で全て消えるように感じるからだ。
これ以上何も起きませんようにと、アヤは願うだけだった。
私はみかん味のアメがすきです。




