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オルゴール

13話です

車を運転する母は無言で私が起きた事に気づいていない様だった。

ボーッとしていた頭は徐々にはっきりして来た。

そして事の重大さにも気づき始めた。

アヤは罪悪感に首を絞められそうになった。

ただでさえ忙しい母の唯一の昼休憩を潰してまで学校に呼び出され、その上これから自分の面倒を見なければならないとなると母は休めないまままた会社に行くことになる。

「…ごめんなさい。」

「うん。」

アヤの謝罪に母は怒るわけでも安堵するわけでもなくただ、アヤの言葉に反応しただけの返事が返って来た。

車内には重苦しい雰囲気が流れそれに伴い空も暗くどんよりとした雲がかかり始める。

家に着く頃には小雨が降り始めた。

アヤは制服から寝巻きに着替えてキッチンへ飲みものを取りに向かう途中食卓テーブルに突っ伏した母が目にとまった。

母の顔はやつれ目の下には濃い隈ができていた。

アヤは記憶にある母の顔と今の母の顔がまるで違うことに少し動揺した。

アヤの記憶にある母は綺麗にメイクしていて、ハリのある肌で歳を感じさせないような人だった。

今ではその面影は無い。

アヤは母に毛布を軽くかけて冷蔵庫から水の入ったペットボトルを取るとそそくさと自分の部屋に戻った。

自分の部屋に着くとアヤはベッドに深く腰掛けた。

寝る気にもなれず、ただ母の顔が頭から離れなかった。

するとアヤは勉強机の一番下の引き出しにゼンマイ式オルゴールをしまったままにしてある事を思い出した。

そのオルゴールはアヤが小学一年制の頃家族でデパートに行った時買って貰った物である。

アヤにしては珍しく買って欲しいとダダをコネて買って貰ったのだ。

それから毎日のようにアヤはオルゴールを聴き続けた。

何回もゼンマイを巻いて聴いていたが、成長するに連れていつか、引き出しにしまったままにしていたのだ。

「懐かしいな。」

アヤはオルゴールを手に取るとゼンマイを巻いてみた。

少しサビて固かったが音は当時となんら変わりない物だった。

オルゴールから奏でられる音の一つ一つがアヤを優しく撫でるようだった。







アヤ目線です。

オルゴール、結構憧れてます。

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